平成 26 年度 医学部 4 年生後期 精神科本試 復元 問 1 次のうち正しいものを一つ選べ。 a. 任意入院は患者の同意は不要である。 b. 応急入院は強制入院の一種である。 c. 医療保護入院は、精神保健指定医 2 名以上の判断が必須である。 d. 医療保護入院は、指定医の判断があれば家族の同意は不要である。 e. 緊急措置入院は、入院 24 時間以内であれば、精神保健指定医 1 名の判断で可能である。 問 2 復元失敗 問3 a. 操作的診断では、国または学派、あるいは個々の評価者によって診断や分類が異なる。 b.世界保健機関(WHO)国際疾病分類 ICD-10 での精神疾患のコードは F である。 c.インシュリン・ショック療法は、難治性精神疾患に対して現在でも幅広く行われている。 d.精神疾患の薬物療法は19世紀に、フロイトによるクロルプロマジンの統合失調症への治療効 果発見によって開始された。 e.幻覚とは「対象のないところに対象を意識すること」であり、幻覚、幻視、幻嗅、体感幻覚がある。 問 4 統合失調症について、誤っているものはどれか。1つ選べ。 a. 幻覚症状は、幻視が多い。 b. 思考の形成に障害を生じることがある。 c. 慢性期には、意欲の低下や感覚の鈍麻などの症状が見られる。 d. 認知障害が生じることも多い。 e. 自我が障害されることもある。 問 5 シュナイダーの一級症状でないものを選べ a. 孝想化声 b. 話しかけと応答の幻聴 c. 観念奔逸 d. 孝想伝播 e. 思考奪取 問 6 統合失調症の急性期治療について、正しいものを 1 つ選べ。 a. 心理療法のみで薬物療法は行わなくてもよい。 b. 妄想的発言への回答は嘘でもよい。 c. 薬の副作用はできるだけ説明すべきである。 d. 症状が軽くなればすぐに薬の服用をやめてよい。 e. どのような患者でもすぐに電気痙攣療法を行えばよい。 問 7 統合失調症の治療薬について謝っているのはどれか。2つ選べ。 a. 代表的な副作用として口渇、便秘、ふらつきなどがある。 b. 抗精神病薬としてフロイドが初めてクロルプロマジンを投与した。 c. 代表的な副作用としてセロトニン症候群がある d. 近年非定型抗精神病薬の使用が増えている。 e. 非定型抗精神病薬は糖尿病患者への投与に適している。 問 8 統合失調症の慢性期の治療で誤っているものを一つ選べ。 a. 作業療法 b. 脳梁離断手術 c. 支持的精神療法 d. 社会復帰訓練 e. 薬物療法 問 9 復元失敗 問 10 神経症性障害について正しいものを一つ選べ a. 社交恐怖症では身体症状は起こらない b. パニック発作はパニック障害でしか見られない c. 全般性不安障害では薬物治療は行われない d. 強迫性障害は神経症状のみで診断がつくため、身体的検査は必要にない e. 強迫性障害に対する薬物治療では抗うつ薬や非定型的抗精神病薬が使用される 問 11 解離性障害として誤っているものを選べ。 a. 解離性健忘では本人にとってショックな出来事が起きたあと、数日間~数週間の記憶が失わ れる。 b. 解離性遁走では突然失踪し、全く知らない土地で別の生活を始めようとすることもある。 c. 解離性運動障害では器質障害がないので、手足が動かなくなることはない。 d. 解離性昏迷では座ったり、横になったままの状態が続き、話しかけても反応しない。 e. 解離性同一性障害では二人以上の別の人格が現れ、別の人として行動する。 問 12 PTSD について間違いを選べ a. 強姦災害など強いストレスに対する反応 b. 1 か月以上持続する c. ストレス体験から 6 ヶ月以上経ってからもこの診断をすることがある d. 症状は回避、過覚醒、フラッシュバックである e. 抗不安薬を使用する 問 13 復元失敗 問 14 正しいものを 1 つ選びなさい。 a. 希死念慮のある患者では、死に関する話題は避けたほうが良い。 b. うつ病では、「抑うつ気分」と「興味・喜びの喪失」が同時に生じるのは稀である。 c. うつ病では、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に回復していくことは稀である。 d. うつ病では、日課であった新聞を読まなく、献立を決められなくなることが結構ある。 e. うつ病では、重要な決定は先に済ませて、そのあとでゆっくり静養するのが良い。 問 15 典型的な躁病の症状として正しいものの組み合わせはどれか。 1.すぐに気が散る 2.少ない睡眠時間でも平気そうにしている 3.次々といろいろなアイデアが頭に浮かんでくる 4.自分の考えが声として聞こえてくる 5.道路に落ちていた本を見てなにか悪いことが起きると思う a.123 b.125 c.234 d.145 e.245 問 16 気分障害で見られる思考路はどれか?2 つ選べ。 a. 保持 b. 観念奔逸 c. 連合弛緩 d. 支離滅裂 e. 思考抑制 問 17.正しいものをひとつ選べ a. 喪失体験は高齢者より若年者に多い b. 老人斑は生理的変化では見られない c. 認知症を確実に一次予防できる脳トレーニング法が存在する d. アルツハイマー型認知症の患者は海馬と海馬傍回の萎縮がほかの部位よりも強い e. アルツハイマー型認知症の患者の脳には老人斑やレビー小体が見られるのが特徴的である 問 18 血管型アルツハイマー認知症は、認知症全体の中での割合はどれか a. 一位 40% b. 二位 20% c. 三位 20% d. それ以外 (円グラフで選ばせる問題) 問 19 正しい組み合わせはどれか (1) BPSD では、妄想と幻覚は重度の精神症状にふくまれる。 (2) 認知症の初期から出現する「もの取られ妄想」は、なくなったものが見つかっても、一時的にも 解決することが少ない。 (3) FDA の認知症への非定型抗精神病薬使用に対する警告(2005)は、RCT を用いてなされた。 (4) 認知症の非薬物療法で、強力な科学的根拠があり、行うことを強く勧められるものは、回想法 である。 (5) 前頭側頭型認知症では、模写は可能であることが多い。 a.123 b.125 c.234 d.145 e.345 問 20 正しいものを一つ選べ a. 神経細胞の単純な萎縮は病的な加齢性変化の一つである b. リポフスチンはピック病患者の大脳皮質に多くみられる c. 血管性認知症は階段状の症状悪化が特徴的である d. 神経原線維変化の構成蛋白は、主にアミロイド β蛋白である e. レビー小体はレビー小体型認知症患者の大脳皮質においてのみみられる 問 21 復元失敗 問 22 正しいものを 2 つ選べ a. ループス精神病では、ステロイド投与による精神症状との鑑別が重要となることが多い。 b. 甲状腺機能亢進症では、抑うつ状態を呈することが多い。 c. インターフェロン投与により、不安、不眠、抑うつ、焦燥などの精神症状呈することがある。 d. パーキンソン病の治療薬であるドーパミン作動薬によるアカシジアの発現頻度は、30〜50 パー セントである。 e. ICU 症候群の患者には、洞察的精神療法が有効である。 問 23 せん妄について正しいものを 2 つ選べ。 a. ベンゾジアゼピン系薬はせん妄をきたしにくいので、高齢者にも使いやすい。 b. せん妄は見当識が保たれていることが多い。 c. せん妄には認知行動療法が有効である。 d. 復元失敗 e. せん妄に抗精神病薬は保険適応外である。 問 24 復元失敗 問 25 誤りを一つ選べ。 a. 「気質」は「性格」よりも感情面の先天的な特徴をもつ。 b. Kretchmer 分類において、てんかんの患者には循環気質があるとされる。 c. 器質障害があることによるパーソナリティ障害も存在する。 d. パーソナリティ障害では職業的、社会的行動能力に支障が出る。 e. パーソナリティ障害という用語は、人格障害という用語に否定的なイメージがあるために作られ た。 問 26 気分障害と関連の深いものを二つ選べ a. 下田の執着質 b. メランコリー親和型性格 c. Jung の外向型リビドー d. Galenus の粘液質 e. Cloninger の novelty seeking 問 27 パーソナリティ障害のディメンション分類の説明について正しいものを1つ選べ。 a. 類型分類である b. 量的な方法論よりも質的な方法論である c. 因子解析などの統計学的手法を重視する d. ICD-10 によるパーソナリティ障害分類はディメンション分類である e. 臨床的特徴からパーソナリティのプロトタイプを想定する 問 28 a. 神経細胞の萎縮は老人に一般的ににられるものである。 b. リポフスチン顆粒… c. 血管性認知症では、階段状の進行が特徴的である。 d. 神経原線維変化の主成分は、アミロイド β蛋白である。 e. レビー小体は、レビー小体型認知症の大脳皮質でしかみられない。 問 29 ADHD の特徴として当てはまらないものを選べ a. 幼児期では男児に多い b. 小児期の症状が大人にも比較的続く c. 注意力不足と多動性障害が両方同時に起こることもある d. 小学生に有効な薬物はまだ存在しない e. 親に対するペアレントトレーニングが有効である 問 30 ADHD について正しいものを一つ選べ。 a. 個人情報保護のため、学校との連携は行わない。 b. 行動認知療法(心理療法)が有効なこともある。 c. どんな場合であっても第一選択は薬物療法である。 d. 不注意や多動性・衝動性に対して複数の薬を併用する。 e. どんなときでも電気療法を行う。 問 31 28 歳の女性、半年前から特に誘引なく突然呼吸が苦しくなって、動悸が起こり、「このまま死ぬの では無いか」という恐怖心に襲われるようになった。その度に救急車を呼んで病院に搬送された が、身体的異常はなかった。このような発作が次第に頻繁となり、「また起こるのではないか」とい う不安が強まって次第に外出を避けるようになったため、家族に伴われて来院した。診察時の表 情や態度は緊張した様子だがおおむね自然で、話の内容もまとまっている。発作が生じている間 の記憶はよく保たれており、身体所見に異常は認められない。 次の選択肢のうち、誤っているものはどれか。 a. 広場恐怖症を伴うことがある b. 症状に対する対処を説明するなど支持的精神療法をする c. SSRI は発作頻度を軽減する d. ベンゾジアゼピンを使う e. 抗けいれん薬が第一選択である 問 32 復元失敗 問 33 28 最男性(30 歳だったかも。年齢自信ないです)。5 年前に結婚。 18 歳時より飲酒を開始する。最初は缶ビール1本程度だったが、昇進をきっかけに飲酒量が増加 し、最近では缶ビール3本に日本酒一合程度。仕事中にも酒の匂いがをさせることもあり、上司に 注意されていた。休みの日には朝から飲酒することもあるという。このごろでは会社を休みがちで、 その時には妻が会社に電話をしていたという。会社の健康診断では肝機能異常を指摘されていた が無視していた。以前禁酒をしようとしたこともあったが、ゴキブリが這いまわる幻覚が見えて断念 したという。本日妻と一緒に精神科に来院した。最終飲酒は2時間前だという。 以下の文章より間違っているものを 2 つ選べ。 a. アルコール依存症の補助的診断方法として MADRS-J がある。 b. 患者と妻の間に共依存関係があると考えられる。 c. 精神科の治療では、底つき体験が必須であると考えられている。 d. 任意入院だけでは不十分で、医療保護入院となることもある。 e. 薬物療法はベンゾジアゼピン系を用いる。 問 34 復元失敗 問 35 復元失敗 問 36 以下について、正しいものには○を、誤っているものには×をつけよ。 [ ] ナルコレプシーでは、全ての患者に睡眠麻痺が見られる。 [ ] むずむず足症候群では、夕方から夜間にかけて増悪する。 [ ] 睡眠障害の対処として、就寝時間にはこだわらない方が良い。 問 37 精神科面接について,当てはまるものを選べ。 精神科の面接では患者がなにかに困って来ているので、①と受診②を聞くことが重要である。 話をスムースに話しやすいような環境作りに配慮し、③の姿勢を忘れない。また、支離滅裂でも情 報は④しないようにする。 患者から得られる⑤的情報のみならず、患者の⑥、態度、ふるまいにも留意する。 問 38 (救済問題) 今年の精神医学の講義について、感想や意見を書いてください。 優れている点、足りない点、実習でやりたいこと・避けたいこと、講義の感想等 以下、問題番号不明 問 性同一性障害について誤りを一つ a. 二次性徴に嫌悪感 b. 自己評価の低下 c. ICD-10 で性転換症と改名 d. 性転換手術をして郵政保護法違反で有罪になったことがある e. ホルモン治療や手術で性を一致させたがる 問 発達知能検査を1つ選べ。 a. MMPI b. WAIS-Ⅲ c. バウムテスト d. ロールシャッハテスト e. 内田・クレペリン精神作業検査
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