JAグループは、30年産に向けて、需要に応じた生産に主体的に取り組み、行政ルートで配分される生産数量目標を起点とした米づくりから脱却し、販 売を起点とした米づくりの実現をはかり、第27回JA全国大会において決議した基本目標の実現を目指す。 【基本目標】 <JA全国大会決議> ○ 農業者の所得増大 ○ 農業生産の拡大 ○ 地域の活性化 実現 【対応方向】 【取り組み内容】 【国の示す生産調整の見直しの概要】 ○ 国は、生産数量目標の配分は行わないが、全国ベースの需給見通しの策定、産地別の需要実績や販売進捗・在庫状況などの情報提供 を行うとともに、麦・大豆・飼料用米等の戦略作物等への支援措置を継続。 ○ 農業再生協議会(再生協)は、30年産以降も存続し、国による情報提供や飼料用米等への支援をふまえ、主食用米、飼料用米、麦、大 豆等の生産量の目安を策定。 ○ 生産者やJAなどの集荷業者・団体は、国の情報提供等をふまえ、自らの経営判断や販売戦略に基づき、生産・販売のあり方を決定。 1.30年産以降の需要に応じた生産の取り組み (1)再生協を通じた取り組み ○ 都道府県段階・市町村段階の農業再生協議会(再生協)を通じて、行政・集荷業者・JAグループ等の 関係者が一体となり、需要に応じた生産に向けて取り組む。 ○ 再生協は、国の情報提供やJAグループの販売戦略等に基づき、県・地域全体の水田フル活用ビ ジョンの検討をすすめ、生産者別の生産量の目安を情報提供する。 ○ 需要に応じた生産に向けた産地に対する推進の手法や体制を検討し、国と連携した推進を実施する ことを目的として、関係団体が参加する全国段階の組織の設置について検討をすすめる。 (2)JAグループ事業における取り組み ○ 米事業における基本戦略として、①事前契約取引の拡大、②買取販売の拡大、③実需者への精米 販売の拡大等に取り組みながら、生産現場に対し、販売戦略に基づき生産・取引提案を実施するとと もに、担い手のニーズに十分応え得るよう、現行の事業方式の見直しをすすめる。 2.水田フル活用の取り組みの強化 ○ 地域実態に応じて作物を組み合わせるなど、水田フル活用による水田農業経営の展開をすすめる。 3.主体的な需給調整の取り組み ○ 過剰生産となった場合、翌年の出来秋以降の長期計画的な販売や翌年産以降の作付面積の削減な ど、各産地が主体的に需給調整に取り組む。 4.担い手の育成・確保の取り組み ○ 農地の集積・集約化等をすすめながら、担い手を中心として需要に応じた生産に取り組む。 【必要な政策・環境整備】 1.再生協を中心とした需要に応じた生産 ○ 再生協等の関係者の役割を制度上に位置付けると ともに、産地ごとの生産・販売に係るきめ細かい情報 提供の仕組み等が必要。 2.水田フル活用に対する政策支援 ○ 麦・大豆・飼料用米等による水田フル活用に対する 政策支援について、恒久的に措置される必要。 3.担い手の経営安定対策等 ○ 現行の収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)や検 討中の収入保険制度を含め、需要に応じた生産に取 り組む担い手に対する経営安定対策等を継続・拡充 する必要。 4.日本型直接支払制度 ○ 地域の水田農業は、兼業・小規模農家を含む多様 な担い手の共同活動等によっても支えられていること から、日本型直接支払制度を拡充する必要。 5.地域の水田農業の維持・発展に向けた取り組み ○ 中山間地など担い手が不足する地域での担い手または担い手のサポート組織として、地域の実態を ふまえつつ、JA出資型農業法人の設立等に取り組む。 ○ 兼業・小規模農家を含む多様な担い手が、需要に応じた生産や地域の共同活動などに取り組む。 6.輸出等の国産米需要の拡大に向けた取り組み ○ 輸出拡大、グルテンフリー等のニーズ掘り起こし、和食給食の推進など、需要拡大対策に取り組む。 5.輸出拡大等に向けた政策支援 ○ 輸出先国における販売促進等に対する政策支援や、 和食給食等の積極的な導入や朝食欠食率の改善に 向けた対策等について、省庁横断的に取り組む必要。
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