1 日 程 2 訪問先 3 主な意見交換の概要等

農地中間管理事業の推進に関する市町村訪問を実施しました!
農地中間管理事業は、平成26年度から実施され、平成26年度、平成27年度とも計画を大きく上
回ることが出来ましたが、担い手の借受け希望面積の確保や中山間地域等での事業推進など様々な課題
も顕在化してきたところです。
このため、今後の一層の取組拡大に向けて、公社の役員及び地区担当者が県農林水産部農業振興課担
当職員と共に、県内全ての市町村を訪問し各地域の課題と今後の対応等について意見交換を行いました
ので、その概要をお知らせします。
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日
程 平成28年6月7日~7月7日
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訪問先 県内全33市町村の農政担当部・課及び農業委員会事務局
(平成28年6月15日
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於:八幡平市)
主な意見交換の概要等
(1)農地中間管理事業について
主な意見
対応方向
マッチングには、農地の利用条件の整備・改善
が必要では。
土地改良区と連携のうえ、主に農地耕作条件改善
事業に取り組みます。また、畦畔1本を除去するな
ど小規模な改良事業については、国に地域の要望が
高いことを伝えることとします。
草地からのアプローチも有効(牧草地帯、田・
畑への転換等)と思う。
公社のコントラクター事業との連携にも配慮し
地域の話合いの中で取り組んでいきます。
作業受委託で分散錯圃の解消・集約化もありで
は。
特に稲作農家の場合は、リスクヘッジの関係から
利用権と農作業受託の双方をうまく取り入れてい
る経営体もあり、経営判断によるものと思います。
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機械が壊れる、体調を崩すといったことがきっ
かけとなる。
農地の出し手には、様々なきっかけがあると思い
ますので、事業の啓発普及に努めます。
事業推進のためにはメリットが必要では。
出し手には、固定資産税等の課税標準の特例措置
があります。また、機構は、安心して農地を貸すこ
とができる公的機関です。
一方、受け手はまとまった農地を借入することが
できますし、貸借期間中は、安定した営農計画を作
ることができます。
機構集積協力金が呼び水となってうまくいっ
た。
一定の要件を満たしていれば、当該年度の予算の
範囲内で交付対象となりますので、担い手への農地
集積が進むよう市町村と連携して取り組んでいき
ます。
中山間地域の推進モデル地区を設定し、これの
波及効果を狙っていく。
公社が作成した「先行事例集」や国の「優良事例
集」の中にも、中山間地域の活用事例がありますの
で、これらも参考に横展開をしていきます。
農協との連携強化も必要では。
農地コーディネーターを農協事務所に配置する
などしていますが、農協の地域営農ビジョンの具現
化もあることから、将来的には業務委託契約の締結
など広く検討していきたいと思います。
出し手へのPRが必要。説明会での(制度)周
知が効果的である。
マスコミを活用したPRのほか、地域農業マスタ
ープラン等の地域での話合いに参加して事業の推
進を図ります。
・掘り起しはリタイヤ農家をローラー作戦で。
・個人情報の絡みで掘り起しが難しい。
市町村の「認定農業者」の情報、農業委員会の「農
地台帳」の情報、公社の「応募者名簿」、
「貸付希望
・そもそも農地がない。担い手がいない(沿岸)
。 農地リスト」などの情報について、個人情報保護法
・他人に貸したくない(資産的の保有意識)
。
を遵守のうえ、農地利用最適化推進委員及び農地コ
・出し手は多いが受け手がいない。
(中山間地域は
ーディネーターが情報共有のうえ掘り起しに努め
あきらめムード)。
ます。
・経営所得安定対策があるので貸し出ししない。
・実際は手繋ぎ案件が多い。
機構では、農地中間管理事業規程とその運用とし
て借り入れる農地の具体的な条件を定めており、
「受け手がいなくても、当該農地を管理する者がい
て、区画整理済みの農地など」の場合は借り入れる
こととしています。
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・新規集積、純増は見込めない。
・条件の良いところを借りれれば、悪いほ場は返
地図情報を活用し、交換等による農地の集約化に
向けた話合いを支援します。
還する。
なお、今年度は、集約化を進める場合の課題や方
策等について整理するためモデル地区を設定する
こととしています。
出し手、受け手とも10年は長い。
機構の借入期間は、原則として10年としていま
すが、出し手との協議に応じることとしておりま
す。貸付け期間は機構の借入期間の中で、受け手の
営農計画を考慮して協議のうえ決定します。
なお、経営転換協力金や耕作者集積協力金の交付
対象となるためには、10年以上機構に貸し付ける
ことが必要です。
機構の貸付けが12月〆(協力金関係)になっ
たので面積が減少する見込み。
機構集積協力金交付事業補助金のスケジュール
は12月〆となっていますが、機構事業は年度〆で
すので、目標面積(3,600ha)達成に向け取り組ん
で参ります。
機構集積協力金がなければ、農業経営基盤強化
機構の貸借は、農用地利用集積計画及び農用地利
促進法又は農地法3条での設定が多くなる。(早
用配分計画の公告で決定する仕組みであり、一定の
い、変更自由)
時間を要しますが、「信頼できる農地の中間的受け
皿として」としての機構を活用していただきたいで
す。
農地法第35条第1項の通知案件(遊休農地の
機構利用)が多くなる。
農業委員会等の協力を得て、現地調査を行うなど
所要の手続きを経て、最終的には公社の借入基準に
より借入の可否を決定することになります。
相続登記未了で進まない。
共有所有権者の2分の1超の同意や所有者等を
確知できない旨の公示を行った上で、貸借を行うこ
とになります。
利用状況報告が面倒だ。
農地中間管理事業の推進に関する法律第21条
に規定されていますので、定められた時期に報告を
お願いします。
なお、報告用紙は公社から受け手に郵送します。
ほ場整備事業の遅れや予算の縮減が影響を与え
ている。
機構の事業実績が、平成28年度以降の関連補助
事業にも影響を与えるような情報もあることから、
関係機関・団体が協力して事業実績を上げていくこ
とが必要です。
土地改良賦課金が重荷となっている。
土地改良賦課金を負担区分して賃料で調整して
いる事案(例えば、償還賦課金は出し手、経常賦課
金は受け手とする例、又は一方が全額負担して賃料
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で調整)もありますので、協議の上対応していきま
す。
農地耕作条件改善事業の自己負担、県単事業(活
農地耕作条件改善事業については、中心経営体に
力ある中山間地域総合整備事業)の作目要件がネ
集約化することにより助成額がアップ(2割)しま
ックとなっている。
すので、集約化に取り組むことが負担軽減になりま
す。
活力ある中山間地域総合整備事業は、人口減少に
歯止めをかけ、「活力ある中山間地域」を創り上げ
ていくため、簡易な基盤整備で支援する事業であ
り、作目要件はありませんが、雇用創出や所得向上
に繋がる取組(高収益作物の導入等)を計画してい
る地区を優先的に採択すると聞いています。いただ
いた御意見は、地域の声として県関係課につなぎま
す。
市町村職員のマンパワー不足となっている。
コーディネーターの役割が大きい。
中山間応援隊や農地コーディネーター及び平成
28年度以降に順次委嘱される農地利用最適化推
進委員と連携した取り組みが重要です。
(2)機構集積協力金について
主な意見
対応方向
・協力金の見直しで農家説明に苦慮している。
・制度は変更はしないで。又は時間をかけて。
国の方針転換を受けて、岩手県が交付基準を定め
たものです。
・制度が変わり推進した農家リーダーが悪者にな
急激な制度変更、年度を跨いで推進している場合
っている。
の矛盾、単価変更による不満、推進しているリーダ
・地域の実態を国に繋いでほしい。
ーの怒り、関係者が困惑していることなど地域の実
態については、機会をとらえて県とともに農政局や
農林水産省本省に繋いでいきます。
また、県では、地域等に対し今回の事情や交付基
準について要望があれば説明するとのことです。
・新規集積3割は厳しい。
機構集積協力金については、新規集積面積に対す
・協力金ありきの相談(単価が独り歩き)がある。 る予算しかないので、この中で交付要件をクリアし
・任意組合から法人への集積は純増と看做して。
たものについて、予算の範囲内で交付されます。
・受け手への補助金交付を。
制度変更で、インセンティブが少なくなりました
・被災地特有の事情を考慮してほしい。
が、農地の集積・集約化に視点を置いて推進したい
・地続き要件(耕作者集積協力金)の緩和を。
ものです。
・マスタープランの見直し時に、軽くPRする程
度にしたい。
(協力金=おまけ)
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(3)地域農業マスタープランについて
主な意見
対応方向
・地区の設定で苦慮している(広すぎ、地区数が
機構の今年度の重点推進事項として、「農地中間
多い、地区が錯綜など)
。
管理事業の普及啓発や地域農業マスタープランの
・中心経営体がいないプランがある。
取組の実現に向けた支援等の継続的な実施」を掲げ
・ほ場整備事業等の導入がないと話合いが進まな
ており、市町村をはじめ関係機関・団体との連携の
い。
もと話合いの場に参加していきます。
・話合いの設置は市で行うので大変である(地区
の代表者が未確定)
。
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