ベトナム:VINACOMIN 天然資源税率 引き下げを提案

ベトナム:VINACOMIN 天然資源税率 引き下げを提案
2016 年 9 月 1 日掲載
8 月 23 日付けの地元報道によると、VINACOMIN 副総裁は、7 月の商工省(MOIT)との会議にて、ベト
ナムの天然資源税はインドネシア・豪州より高く、ベトナム国産の石炭は輸入炭と比較して、競争力がな
いと訴えた。
2016 年 7 月 1 日より、天然資源税率は、露天掘りで 12%、坑内掘りで 10%となった。新税率では、
VINACOMIN はロイヤルティとして年間 1.2 兆 VND を支払うことになり、海外炭による、国内石炭生産
への影響を回避するため、天然資源税率の引き下げを提案した。
地球科学鉱物協会(Institute of Geosciences and Minerals)の前会長は、個人的には、VINACOMIN の
提案は、不合理であり、受け入れられるべきではないとした。VINACOMIN だけでなく、その他の多くの
企業(特に国有企業)は、困難性を訴え、損失を報告している。前会長は、VINACOMIN には、国への援助
要請よりも、生産再編と技術改革が必要だとした。天然資源からは高い利益は得られないが、その利益は
幾つかのグループの手に落ち、もはや、不合理があってはならないとした。前会長は、また、ベトナムは
石炭を大量に中国へ輸出しているが、将来は、大量の石炭を、可能であれば中国から輸入しなければなら
ないと警告した。
アナリストによると、2020 年までの石炭産業の開発計画では、ベトナムの石炭需要は急激に増加し、
2015 年は 56.2 百万トンだが、2020 年は 112.3 百万トン、2025 年は 145.5 百万トンと想定されている。国内石
炭火力発電所では、高い石炭需要が予想され、政府は石炭輸出の段階的な削減と、石炭輸入を計画してい
る。アナリストは、国内生産にて石炭需要の 30%分は対応できるが、石炭の国内資源は、現在の探査状況
では、2025 年までには枯渇するとした。
(石炭開発部 辻
誠)
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