世界・広域:石炭価格回復へ 2016 年 9 月 1 日掲載 8 月 17 日付けの地元報道によると、New Castle 港積出の豪州一般炭の貨物価格は、アジアの基準価格 だが、中国の輸入急増にて、6 月中旬以降 35%以上高騰、70 USD/トンとなった。 豪州 Whitehaven Coal 社は、石炭市場は価格下落が 5 年間続いたが、第 1 四半期には底を打ったとし た。同社の株式価格は、3 年間で最高値を更新。石炭価格上昇の理由には、インドネシア、米国および豪 州における炭鉱の閉鎖、 中国当局による政策変更が含まれ、 石炭価格の上昇は確信していると付け加えた。 Goldman Sachs 社は、2015 年 9 月に発表した悲観的な見通しを取り消し、中国の規制当局による国内 生産の制限により、石炭はこれまでのところ、今年最高の商品の一つになったとした。 Glencore 社や Anglo American 社のような世界的大手石炭会社だけでなく、Whitehaven Coal 社やタ イ BANPU 社などアジア地域の会社も、その恩恵を受けている。特に中国が、2016 年石炭生産能力 250 百万トン分の削減目標を達成するため、4 月に炭鉱の稼働日数を 16%削減させた以降、4 社の株式価格は急 激に上昇した。BANPU 社は、2016 年度当初の平均目標価格 47~48 USD/トンに対して、平均目標価格を 50 USD/トン以上と見込んでいる。 石炭価格の回復は、石炭価格の低迷で打撃を受けてきた石炭会社には、予想外の恩恵である。また、現 状の石炭情勢は、Goldman Sachs 社と国際エネルギー機関(IEA)の 2015 年時点での発表(石炭は破滅的に 下落する)とは正反対である。 Goldman Sachs 社は、予見可能な将来のため、世界的な石炭価格の持続が必要とした。銀行は、New Castle 炭の価格見通しを、今後、3 カ月後(65 USD/トン)、6 カ月後(62 USD/トン)、12 カ月後(60 USD/ト)とし て、従前見通しを 38%引上げた。 (石炭開発部 辻 誠) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確 な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願 い申し上げます。
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