Ⅰ 介護保険制度 1 制度の目的と基本理念 急速に進む高齢化により、寝たきりや認知症などのために介護を必要とする高齢者が 年々増加しています。その一方で、家庭で介護をしている家族は、身体的にも精神的に も大きな負担を抱えているのが現状で、高齢者の介護問題は、老後の最大の不安要因と なっています。 介護保険制度は、高齢者介護の問題が深刻化してきた中、高齢者が介護を必要とする 状態になっても自立した生活を送り、人生の最後まで人間としての尊厳をまっとうでき るように、高齢者介護を社会的に支える仕組みとして平成 12 年 4 月に始まりました。 制度施行から 13 年が経過し、以来、在宅サービスを中心にサービス利用者が急速に 拡大するなど「介護保険制度」は、老後の安心を支える仕組みとして定着してきました。 しかしながら、制度の定着とともに、介護保険の総費用は急速に増大しており、現行 制度のままでは保険料の大幅な上昇が見込まれることから、「制度の持続可能性」を高 めていくことが求められています。 2 高齢者の状況 大牟 田市の高 齢者人 口と高齢化 率の推 移と推計 (人) (%) 40,000 35,000 30,000 40 後期高齢 者数(左目盛 ) 前期高齢 者数(左目盛 ) 35 大牟田市 高齢化率 (右 目盛) 福岡県高 齢化率(右目 盛) 30 全国高齢 化率(右目盛 ) 25,000 25 20,000 20 15,000 15 10,000 10 5,000 5 0 0 S50年 S55年 S60年 H2年 H7年 H12年 H17年 H22年 H27年 平成 25 年 4 月現在の本市の高齢者(65 歳以上)人口は 38,336 人で、総人口に占め る割合(高齢化率)は 31.1%となっており、全国の 24.1%や福岡県の 22.70%と比較 して、かなり高い数値となっています。上のグラフからも、本市の高齢化の進行は、国 や福岡県と比較して 10 年以上早いことが分かります。 「団塊の世代」が高齢期を迎える中、高齢者数はますます増加し、さらには後期高齢 者の増加に伴い、介護を必要とする高齢者の数も増加していくと予想されます。また、 -1- 高齢者の増加とともに認知症高齢者の大幅な増加も見込まれています。 3 介護保険の仕組み 介護保険制度では、40 歳以上の人が被保険者となり、65 歳以上の第 1 号被保険者と 40~64 歳の医療保険加入者である第 2 号被保険者の二つに区分されます。 第 1 号被保険者は、常に介護を必要とする状態(要介護状態)や日常生活に支援が必 要な状態(要支援状態)になった場合に介護サービスや予防サービスを利用できます。 第 2 号被保険者は、脳血管疾患などの老化が原因とされる病気(特定疾病:資料編 55 ページ)により要介護状態や要支援状態になった場合にサービスを利用できます。 ●印は地域密着型サービス サービス提供事業者 在宅サービス…訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・通所介護・ 通所リハビリテーション・短期入所生活介護(ショートステイ)・短期入所療養介護・特定施設入居者 生活介護・福祉用具貸与・福祉用具購入・住宅改修・●地域密着型特定施設入居者生活介護・●小規 模多機能型居宅介護・●認知症対応型通所介護・●地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護・● 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)・●夜間対応型訪問介護 施設サービス…介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設 第2号 被保険者 被保険者 (65 歳以上) (40~64 歳) 一括納付 社会保険診療報酬 支払基金 医療保険者 健保組合・国保など 年金から天引き (特別徴収) (普通徴収) 個別徴収 保険料 国民健康保険団体連合会 第1号 審査・支払 介護費用の請求 利用者負担金 サービス提供 被保険者 委 国 施 設 サ ー ビス の 負担 割 合 第 2 号被保険者の保険料 29% 25% 県 12.5% 市 12.5% (保険料 50%・公費 50%) 第1号被保険者の保険料 21% 国 付 (保険料 50%・公費 50%) 第1号被保険者の保険料 21% 託 交 在 宅 サ ー ビ ス の 負 担 割合 第 2 号被保険者の保険料 29% 20% 県 -2- 17.5% 市 12.5%
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