2016年第2四半期(4月~6月)における海外安全対策情報 2016年8月 在キャンベラ日本大使館 1 社会・治安情勢 (1)豪州政府の発表するテロ警戒レベルは、国家テロ脅威警戒システムの5段階 中,引き続き上から3番目の「起こりそうである(Probable)」とされていま す。 (2)豪州治安当局は年間を通じて,シドニーやメルボルンにおいてテロ容疑者の 摘発を累次行い,2015年には3件のテロ攻撃を未然に摘発した一方で,1 0月にはシドニー西部で警察職員が射殺される事件が発生しました。2016 年も引き続きテロ容疑者の摘発を推進し,連邦議会議事堂や警察等政府関係施 設の警備を強化するとともに、若者の過激化防止対策に力を入れています。 こうしたことから,今後も個人又はグループによるテロ行為が行われる危険 性は継続しており,特に人が多く集まる場所に足を運ぶ際は十分な注意を払う 必要があります。 (3)ACT(首都特別地域)内における治安情勢については,全般的に安定して いますが,上記(1)のテロ警戒レベルを受けて,議会等の警備が強化されて いる他,銃器や薬物による犯罪の取締りが強化されています。また,下記の一 般犯罪の傾向が示す通り,日本に比べてACTでは全般的に犯罪発生率も高い ことから防犯上,普段から十分な心掛けが必要です。 (4)一般的に対日感情は良好ですが,シドニー,メルボルン,ブリスベン等大都 市において,我が国の調査捕鯨やイルカ漁に反対する環境・動物愛護団体によ り,小規模ながらデモや抗議活動が行われている他,慰安婦問題に関し在豪韓 国人団体等によりデモが行われています。 2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向 (1)昨年同時期(2015年4月~6月)と比較し,Tuggeranongで大幅な減少 が見られ,ACT全体での犯罪発生件数は2.8%減少しています。 (2)地域別の犯罪件数を見ると,Tuggeranongで17.4%,Wodenで14.7%, Inner Northで10.2%各々減少している一方で,Weston Creekで5.5%, Gungahlinで11.5%, Molongloで157.1%増加しています。警察によ ると,件数が増加している地区は治安が悪化しているというわけでなく,人口 増加によるものと見られています。 (3)犯罪別には,不法目的侵入が14.2%,器物損壊が13.9%,性的暴行 が13%,窃盗が11%減少している一方で,暴行が19.8%,車両盗難が 6.2%増加,対人犯罪は約2.5倍に増加しています。このうち,対人犯罪 の件数増加の原因は,どんな小さな不審な事象でも一報してもらいたいといっ た,ACT警察が一般大衆の協力を得ようと努力する取組みの成果と見られて います。 (4)当該犯罪統計上,ACTにおける2016年第2四半期の犯罪発生件数は以 下のとおり。( )内は,前年同時期の発生件数を示す。 ・殺人,殺人未遂: 0件( 2件) ・暴 行 : 611件( 510件) ・性的暴行 : 87件( 100件) ・対人犯罪 : 57件( 23件) ・不法目的侵入 : 622件( 725件) ・強 盗 : 44件( 46件) ・窃 盗 : 2655件(2984件) ・車両盗難 : 342件( 322件) ・器物損壊 : 1234件(1434件) (5)邦人被害の事件については認知していません。 3 テロ・爆弾事件発生状況 特に認知していません。 4 誘拐・脅迫事件発生情報 邦人被害の事件については認知していません。 5 日本企業の安全に関わる諸問題 特に認知していません。 参考:ACT(首都特別地域)の事件発生状況(2016年2四半期)
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