2016年第3四半期(7月~9月)

2016年第3四半期(7月~9月)における海外安全対策情報
2016年10月
在キャンベラ日本大使館
1 社会・治安情勢
(1)豪州政府の発表するテロ警戒レベルは,国家テロ脅威警戒システムの5段階
中,引き続き上から3番目の「起こりそうである(Probable)」とされていま
す。
(2)豪州治安当局は,シドニーやメルボルンにおいてテロ容疑者の摘発を累次行
い,2016年も引き続きテロ容疑者の摘発を推進し,連邦議会議事堂や警察
等政府関係施設の警備を強化するとともに,若者の過激化防止対策に力を入れ
ています。9月にはイスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)
がウェブ雑誌上において,オーストラリアの著名な場所を例示しつつ,そうし
た場所で「不信心者」を殺害するよう呼びかけました。
こうしたことから,今後も個人又はグループによるテロ行為が行われる危険
性は継続しており,特に人が多く集まる場所に足を運ぶ際は十分な注意を払う
必要があります。
(3)ACT(首都特別地域)内における治安情勢については,全般的に安定して
いますが,上記(1)のテロ警戒レベルを受けて,政府関係施設の警備が強化
されている他,銃器や薬物による犯罪の取締りが強化されています。また,下
記の一般犯罪の傾向が示す通り,日本に比べてACTでは全般的に犯罪発生率
も高いことから防犯上,普段から十分な心掛けが必要です。
(4)一般的に対日感情は良好ですが,シドニー,メルボルン,ブリスベン等大都
市において,我が国の調査捕鯨やイルカ漁に反対する環境・動物愛護団体や,
慰安婦問題に関し在豪韓国人団体等により,小規模ながらデモや抗議活動が行
われています。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)昨年同時期(2016年7月~9月)と比較し,Weston Creekで大幅な減少
が見られ,ACT全体での犯罪発生件数は3.8%減少しています。
(2)地域別の犯罪件数を見ると,Weston Creekで34%,Inner Southで20.
7%,Inner Northで15.9%各々減少している一方で,Gungahlinで62%,
増加しています。Gungahlin周辺では薬物の押収がここ最近増加しており,犯
罪が増加する要因と考えられます。
(3)犯罪別には,性的暴行が40.2%,窃盗が9.8%減少している一方で,
対人犯罪が27%,強盗が24.3%,車両盗難が22.9%,暴行が21.
2%増加しています。金銭目的の強盗や車両盗難が増加していることから,ガ
ソリンスタンド横のコンビニやショッピングセンター,駐車場等では事件に巻
き込まれないよう防犯の心構えを常に保持する必要があります。
(4)当該犯罪統計上,ACTにおける2016年第3四半期の犯罪発生件数は以
下のとおり。( )内は,前年同時期の発生件数を示す。
・殺人,殺人未遂:
0件(
1件) -100.0%
・暴 行
:
635件( 524件) + 21.2%
・性的暴行
:
73件( 122件) - 40.2%
・対人犯罪
:
47件(
37件) + 27.0%
・不法目的侵入 :
551件( 599件) - 8.0%
・強 盗
:
46件(
37件) + 24.3%
・窃 盗
: 2334件(2589件) - 9.8%
・車両盗難
:
311件( 253件) + 22.9%
・器物損壊
: 1125件(1164件) - 3.4%
(5)邦人被害の事件については認知していません。
3 テロ・爆弾事件発生状況
特に認知していません。
4 誘拐・脅迫事件発生情報
邦人被害の事件については認知していません。
5 日本企業の安全に関わる諸問題
特に認知していません。
参考:ACT(首都特別地域)の事件発生状況(2016年3四半期)