別紙3 - 苫小牧市

別紙-3
苫小牧市第 1 学校給食衛生管理マニュアル
苫小牧市第 1 学校給食共同調理場
苫小牧市第 1 学校給食の調理業務履行(調理施設設備、食材の取り扱い、処理、配食、配送、
学校給食関係者の衛生管理等)にあたっては、文部科学省による「学校給食衛生管理の基準」及
び厚生労働省「大量調理施設衛生管理マニュアル」日本スポーツ振興センター「食中毒防止の手
引き」を北海道教育委員会「学校給食衛生管理マニュアル」を準拠しつつ、学校給食法の趣旨を
十分に理解し、苫小牧市第 1 学校給食衛生管理マニュアルに基づき適正に行なうこと。
心得
1、学校給食は学校給食法に定められているとおり、児童生徒の正しい食生活の理解と健康増進の
ために教育の一環として行われるものである。給食をとおして学校教育を担っていることを自
覚するとともに、調理等業務に携わるもの(以下、調理業務従事者という)についても十分な
意識を持つよう指導すること。
2、安全安心な給食を児童生徒に提供することを第一義とするため、清潔で安全な作業環境を維持
することはもとより、調理業務従事者に対して心身ともに健康な状態を維持するよう指導する
こと。
3、調理業務従事者に、心身ともに健康な状態を維持することには、バランスのとれた食事と十分
な睡眠をとる、規則正しい生活を心がける等、日頃からしっかりと自己管理を行い、体調を整
えて作業に臨むことが重要であることを理解させること。
4、調理等業務は、一人一人が作業を分担して給食を作りあげる集団作業であり、チームワークが
大切である。献立及び作業のタイムスケジュール、作業の分担の確認はもとより、危険と思わ
れる作業とその予防策を確認する等、十分な打ち合わせを行った上で、一日の作業をスムーズ
に行うよう心がけること。
学校給食法
第二条
学校給食の目標
学校給食を実施するに当たっては、義務教育諸学校における教育の目的を実現するため
に、次に揚げる目標が達成されるよう努めなければならない。
1 適切な栄養の摂取による健康増進を図ること。
2.日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を
培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
3.学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
4.食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることについての理解を深め、生命及び自然を尊
重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
5.食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を深め、勤労を
重んじる態度を養うこと。
6.我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
7.食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
1
(定義)
1 衛生管理体制
(1)衛生管理責任者の役割
(ア) 学校給食調理場において栄養教諭を衛生管理責任者として定める。
(イ) 衛生管理責任者は、調理業務従事者の衛生、施設・設備の衛生、食品衛生の日常管理に
あたるとともに、特に調理過程における下処理、調理、盛付、配送などの作業工程を分
析し、それぞれの工程において清潔かつ迅速に加熱・冷却調理が適切に行われているか
を確認し、その結果を記録すること。
(2)学校給食調理場長の役割
(ア) 学校給食調理場長は、衛生管理に注意を払い、学校給食関係者に対し衛生管理の徹底を
図るよう注意を促し、学校給食の安全な実施に配慮する。
(イ) 学校給食調理場長は、食品の検収等の日常点検の結果、異常の発生が認められる場合食
品の返品、献立の一部または全部の削除、調理済食品の回収等必要な措置を講じる。
(ウ) 教育委員会との連絡を密に行ない施設・設備の維持管理にあたる。
(エ) 毎日の学校給食について、異常がないことの確認や調理内容について点検し、食中毒の
防止に努める。
(3)統括責任者の役割
(ア) 業務全般を統括する。
(イ) 栄養士と調理員との連絡調整を行なう。
(ウ) 調理等業務従事者の衛生、施設・設備の衛生、食品の日常管理にあたる。
(エ) 調理過程における下処理、調理、盛付、配送などの作業工程表、作業動線図を作成し、
それぞれの工程において清潔かつ迅速に加熱・冷却処理が適切に行われているかを確認
する。その結果を記録すること。
(4)副統括責任者
(ア) 統括責任者が欠けた時職務を代行する。
(5)調理員
(ア)学校給食調理員として、衛生管理の基礎基本を理解し、常に危機意識を持って調理に
あたること。
(6)食品衛生責任者の役割
(ア) 学校給食調理場において調理業務従事者から食品衛生責任者を定める。
(イ) 食品衛生上の危害の発生を防止するための措置が必要な場合、
「第 1 調理場」に対し改善
を進言し、その促進を図る。
「学校給食衛生管理基準」における衛生管理者を兼務することができ
(ウ) 食品衛生責任者は、
る。
(7)検収責任者の役割
(ア) 学校給食調理場において調理業務従事者から検収責任者を定める。
(イ) 検収責任者は、食品の納入に立会い、検収を確実に実施すること。
2
衛
生
管
理
組
織
図
教育委員会
指 導 ・ 助 言
学校給食共同調理場
苫小牧保健所
衛生管理責任者
検収部門
栄
調理部門
養 士
施設管理部門
委 託 業 者
給
食
係
(栄養教諭)
配送部門
依 託 業 者
検
収
物資受け入れ
施設・設備
学
保
管
検
収
使 用
校
保 存
食
雑 虫 駆 除
水
調理部門
洗浄作業
食中毒発生時における対応
家 庭
共同調理場
報
告
報
告
指
示
調
査
医 師
報
指
報
告
示
告
調 査
学 校
苫小牧保健所
指 示
報
告
報
教育委員会
報
指
告
示
告
報 告
道保健衛生部
道 教 委
報 告
3
2 施設・設備の衛生管理
汚染区域及び非汚染区域ごとに区域すべき事項について
非汚染作業区域
汚染作業区域
調理室:食品の切断等を行う場所
検 収 室:原材料の鮮度等の確認及び根菜類
施
煮る・揚げる・焼く等の加熱調理
等の下処理を行う場所
設
を行う場所
食品の保管室:食品の保管場所
食品を食缶に配食する場所
下処理質:食品の選別、剥皮、洗浄等を行う
場所
食品の搬出場
手
洗
い
○作業開始前(爪ブラシを使用し爪先や爪
○作業開始前(爪ブラシを使用し爪
の縁を念入りに洗う)
先や爪の縁を念入りに洗う
○用便後
汚染作業
○用便後
○手が汚れた時
区域から
○手が汚れたとき
○生の肉・魚・卵や調理前の野菜類等に 非汚染区
触れた時、他の食品や器具に触れるとき 域に移動
○作業の内容を変えるとき
する時は
(例:洗う→切る、切る→釜の仕事) 必ず手洗
○取り扱い食品の種類を変えるとき
いする。
○生の肉・魚・卵・調理前の野菜類
に触れた後、他の食品や器具に触
れるとき
○ゴミの処理後
(例:野菜類→豆腐)
○配缶前
調理室での調理作業:
エ
野菜裁断
プ
釜の作業
ロ
ン
調理衣・帽子
履物は交換する
野菜の下処理用:検収や下処理
室で野菜の下処理を行うとき
肉魚用:肉魚の検収、調理
配缶用:配缶する時は調理用エプロンをは
で肉魚を扱うとき
ずし、配缶用エプロンをする。
卵用:卵の袋を開封して容器に
入れるとき、容器から釜へ入れ
たとき
包丁・まな板・ざる・ボール・食缶・タライ・ハサミ等を用途別に準備し、使い分ける
調
○野菜用
○下処理用
理
○配缶用
○肉・魚用
器
○卵用
具
○調味料用
※白衣・ズボン・帽子・エプロンは、区域別に毎日洗浄・消毒・乾燥させる。
※洗濯機はそれぞれ用途別に使用すること。
3.調理業務従事者の衛生管理
4
病気等
(ア) 調理業務従事者の健康状態を常に注意を払うこと。毎日「学校給食従事者個人別健康観察記
録表」を調理業務従事者本人が記録し、健康状態を確認する。
(イ) 体調に異常がある場合には、必ず申し出て指示に従うこと。また、その内容を「第1調理場」
へ報告すること。
(ウ) 健康診断は、年 1 回以上定期健康診断を行うこと。
(エ) 検便は月 2 回行なうこと。検査項目は赤痢菌、虫卵、サルモネラ、腸管出血性大腸菌及び必
要に応じてノロウイルス検査をする。(いつでも閲覧できるよう整理して 5 年間保管)
※始めて業務に従事する場合、2 週間前までに結果報告が提出されること。
(オ) 下痢、発熱、腹痛、嘔吐があり、感染症予防法に規定する感染症またはその疑いがある場合
は、医療機関に受診させ、感染症疾患の有無を確認し、その指示を励行させること。また、
その内容を「第1調理場」へ報告すること。
(カ) 本人または家族がノロウイルスを原因とする感染症疾患と診断された場合は、ノロウイルス
を保有していないと確認されるまでの間、調理に直接従事することを控えさせること。また、
その内容を「第1調理場」へ報告すること。
けが等
(ア) 指・手等に切り傷、火傷等がある場合は、直接食品を扱わせないよう注意すること。必ず使
い捨て手袋を着用させること。
(イ) 腕や顔に傷がある場合は完全に防護させること。
※化膿した場合、調理作業に従事することを禁止し、直ちに医師と相談させること。
身支度
(ア) 給食業務従事者は、身体を清潔に保ち調理作業に従事する時は、清潔でかつ作業しやすい服
装であること。毎日、清潔な専用の調理衣・エプロン・使い捨てマスク・帽子・履物を着用
させること。
(イ) 調理衣、エプロンや履物は作業区分毎に用意し、色分けするなど作業区分別を明確にし、使
用後は洗浄及び消毒を行い乾燥させておくこと。作業区分ごとに保管しておくこと。
(ウ) イヤリング、ピアス、ネックレス、指輪、時計等の装飾品ははずさせること。コンタクトレ
ンズ、眼鏡については、落下しないよう注意させること。
(エ) 頭髪(髭を含む)は清潔を保ち、髪の毛に手指が触れた時は十分に洗浄消毒させること。
(オ) 作業中使い捨てマスクに手指が触れた時は、十分に洗浄消毒させること。
(カ) 爪は清潔に保ち、短く切りそろえ、マニキュア等の装飾はさせないこと。
(キ) 調理衣は毎日交換すること。(生の食肉、魚介類、鶏卵等を扱い、調理衣が汚れた場合には、
随時取り替えること)
(ク) 便所には、調理衣を着用したまま入らないこと。
手洗いについて
5
「食品衛生は手洗いに始まり、手洗いに終わる」という標語からもわかるように、
手指は経口伝病原菌や食中毒菌を食品に付着させる大きな原因となるので、正しく
洗浄することが大切です。二次汚染を防ぐため、手洗いは一つの作業ごとに必ず
実施し、次の作業に移りましょう
学校給食における標準的な手洗いマニュアル一覧表」に従い、衛生的な手洗いをおこないまし
ょう。
次に定める場合には、必ず手指の洗浄及び消毒を行うよう指導すること。なお使い捨て手袋を
使用する場合にも、原則として洗浄消毒すること。
(ア) 作業開始前
(イ) 用便後
(ウ) 汚染区域から非汚染区域に移動する場合
(エ) 食品に直接触れる作業にあたる直前
(オ) 生の食肉、魚介類、卵、調理前の野菜類等に触れた後、他の食品や器具類に触れる場合
(カ) 使い捨てマスクや髪の毛に触れた場合
(キ) 配膳前
※爪ブラシについては、個人専用のものを用意し、使用後は洗浄・消毒・乾燥させて常に清潔な
ものとする。
トイレ使用と手洗いの方法
①トイレに入る前に、調理衣、ズボン、帽子、マスク、靴を脱ぐ。
②用便後、調理衣に触れる前に個室内で確実に手洗いし、消毒する。
(洗う→すすぐ→消毒する)
③マスク、帽子、ズボン、調理衣を着用し、靴を履く。
④調理室に入る前に確実に手洗いし、消毒する。
チェックの要点
・指輪、腕時計をはずすこと
・腕まで行なうこと
・爪の間、指の間、手首なども入念に洗う
・爪ブラシが汚れていないか確認
・爪ブラシの毛がひろがっていないこと
・作業終了後の爪ブラシは、次亜塩素酸で消毒・乾燥させること
6
4.作業時の衛生管理
(1)食材料の検収
(ア) 検収は衛生管理責任者、検収責任者及び調理業務従事者複数で行なう。
(イ) 検収用のエプロンを着用し、食品の納入に立ち会い、検収を確実に実施すること。
(ウ) 必ず検収室において食品の受け渡しを行なうとともに、給食物資検収簿に基づき、納品時
間、業者名、品名、数量、生産地、製造年月日、品質保持期限(賞味期限)、ロット番号、
メーカー名、品質、鮮度、包装容器の状況、品温、異物混入等ついて十分に点検を行い、
記録、保存すること。
(エ) 不良品は返品または使用禁止とし、衛生管理責任者に報告し、指示を仰ぐこと。
(オ) 食品では野菜は荷解室において検収し、検収室で専用の容器に移し替える。肉、肉加工品
類は専用のフタ付容器に移し替え検収室で検収する。ダンボールや搬送容器は汚染されて
いるので、下処理室、食品庫、冷蔵庫、冷凍庫に持ち込まないこと。
(カ) 学校給食物資納入業者を調理場内に立ち入らせないこと。
(キ) 各作業については、別表 1「検収の確認ポイント」を参照のこと
(ク) 検収時には次のものが用意されていること
○検収台(床面から 60cm 以上の高さ)
※検収におけるチェックポイント
○台計り(床面から 60cm 以上の高さ)
・腐敗、変質による異臭、変色、粘り(糸引き、ぬめ
○検収表
り)
、カビなどないか。
○温度計(非接触式温度計等)
・異物が入っていないか。虫が発生していないか。
・生鮮物は干からびていないか。乾物などは湿気てい
○食品毎の専用容器
ないか。
○清潔な保存食容器(ビニール袋)
・包装袋や容器は、破れていたり、口が開いていたり、
ネズミがかじった穴はないか。
(2)食材料の保管について
(ア) 食品は、食肉類、魚介類、鶏卵類、豆腐・大製品類、野菜類等の分類ごとに区分して専用
のフタ付き容器に移し替え、直ちに所定の貯蔵場所に保管する。また別表 2「学校給食用食
品の原材料、製品等の保持基準」に従い、棚、冷蔵、冷凍設備に保管すること。
(イ) 食品の保管場所は適切な温度及び湿度管理がなされること。また、衛生管理に十分留意し、
相互汚染が起きないように、食品の入れ方を工夫すること。
(ウ) 缶詰、乾物、調味料等常温で保存可能なものを除き、食肉類、魚介類、鶏卵類、豆腐大豆
製品については、原則として当日納品とするので、翌日に持ち越さないよう注意すること。
ダンボール
ダンボールは運送中に地面に直接置かれて汚れていることがあるので、下処理室や調理室へは
絶対に持ち込まないようにしましょう。
7
別表 1
検収の確認ポイント
食
品
ポ イ ン ト
・炊飯状態は良いか
米
飯
・異味・異臭はなく異物は混入していないか。
・保温ケースは清潔か。
・焼きあがり状態は良いか。
パ
ン
・異味・異臭はないか。異物は混入していないか。
・包装状態はよいか。パン箱は清潔か。
・変色がなく、異物が混入していないか。
麺
類
・包装状態がよく、容器は清潔か。
・温度は適切か。
(温度 65℃以上)
・品質保持期限内であるか。
牛
乳
乳製品
・納入時の温度は 10℃以下であるか。
・異味・異臭・変色はないか。異物は混入していないか。
・容器・箱は清潔か。
豆腐
大豆製品
・温度は適切か。(冷蔵)
・豆腐の付け汁は濁っていないか。
・異味・異臭はないか。異物は混入していないか。
・鮮度はよいか。変色はないか。ドリップはないか。
食
肉
・異味・異臭はないか。異物は混入していないか。
・品温は適切か(食肉 10℃以下、食肉製品 10℃以下)
・原産地は間違いないか。
(出荷証明書確認)
野
菜
果実類
・鮮度はよいか。
・病害の痕跡や腐りはないか。
・異味・異臭はないか。
・温度は適切か。
冷蔵品
・包装は破れていないか。
冷凍品
・冷凍品は包装内部に霜がついていないか。
デザート類
・異物は混入していないか。
・再凍結はないか。
レトルト食品
・表示を確認したか。
缶詰類
・異臭・変色はないか。
調味料
・包装に穴(ピンホール)は空いていないか。
ジャム類
・缶の外観・内面の状態・品質はよいか。
・よく乾燥しているか
乾燥類
・カビなど発生していないか。
・異臭・変色はないか。虫・異物は混入していないか。
・包装は破れていないか
8
別表 2
学校給食用食品の原材料、製品等の保持基準
食 品
牛
名
保 存 温 度
10℃以下
乳
固形油脂
10℃以下
種 実 類
15℃以下
豆腐・大豆製品
冷蔵
鮮魚介
5℃以下
魚肉ソーセージ、魚肉ハム及び特殊包装かまぼこ
10℃以下
魚
介
類
−15℃以下
冷凍魚肉ねり製品
10℃以下
食肉
食
冷凍食品(細切りした食肉を凍結させたもので容器包装
肉
に入れたもの)
類
食肉製品
−15℃以下
10℃以下
−15℃以下
冷凍食肉製品
殻付卵
10℃以下
液卵
8℃以下
卵
類
凍結卵
−15℃以下
バター
10℃以下
チーズ
15℃以下
クリーム
10℃以下
生鮮果実・野菜類
10℃前後
乳
製
品
類
−15℃以下
冷凍食品
9
(3)保存食について
予期できない食中毒事故及びその疑いが発生した場合、発生原因の調査のために保存食は欠か
せない試料となります。
保存食の採取には次のことに留意して行うこと。
(ア) 保存食は、原材料及び調理済み食品を食品ごとに 50g 程度清潔な容器(ビニール袋等)に空
気を抜いて完全密封して採取し、原材料は検収室の専用冷凍庫(A-16)に調理済み食品は消
毒準備スペースの専用冷凍庫(K-9)に−20℃以下で2週間以上保存すること。
(イ) 原材料については、洗浄・消毒は行なわないこと。
(ウ) 野菜等で生産地が異なる場合には、生産地ごとに採取し保存すること。
(エ) 卵は、50g 程度採取し保存すること。
(オ) 米、調味料、乾物、缶詰は、保存食から除く。
(カ) 飲用牛乳及び調理牛乳は別々に採取し保存すること。
(キ) 同一の加工品等で小・中学生の大きさが違うものは、それぞれ別々に採取し保存すること。
(ク) 食品の製造月日が違う場合は、それぞれ採取する。
(ケ) 調理済み食品は、使用している食品全てが含まれるように、釜別に 50g 程度採取保存するこ
と。
(コ) 採取後は常温放置せず直ちに保存食用の冷凍庫に保存すること。
(サ) 1日分(1食分)の保存食は、日付を記入した専用の容器やビニール袋等に取りまとめ保存
すること。また、記録簿に(採取日、廃棄日時)その記録をすること。
(4.)下処理時
下処理は、業者から持ち持ち込まれた食品についた汚れや菌を、調理場に持ち込まないために
行なう作業です。
専用器具・服装については次のことに留意して行うこと。
(ア) 包丁・まな板・その他調理器具は、下処理専用のものを用いる。
(イ) 食肉・魚介・卵類と野菜の調理器具は混用しない。
(ウ) 下処理専用調理衣、エプロン、靴を着用する。
(エ) 包丁、まな板については、食品が替わるごとに交換する。
(オ) 下処理の器具の洗浄・消毒は他の用途のものと一緒に行なわない
(カ) 各作業については、別表 3「下処理における食材料の取り扱い基本事項」を参照のこと。
(キ) 残菜、廃棄処理は正しく行なうこと。作業終了後速やかに室外へ搬出すること。
10
■下処理における食材料の取り扱い基本事項
【野菜・果物の下処理の仕方】
※釜毎に計量した野菜の洗浄は 3 漕シンクで確実に洗浄し、非汚染作業区域(調理室)に渡すこと。
・検収室でへたと下をおとし下処理室で皮をむく。下処理のシンクで洗浄する。
人参(洗い)
・検収室で根と葉先を落とし、3 漕シンクの流水で 3 回洗う。
軟白葱
軟白以外の葱
大根(洗い)
・検収室で根と葉先を落とし、外皮を取った後、3 漕シンクの流水で 3 回洗う。
・検収室でヘタと下の部分をおとし、下処理室で皮を剥く。3 漕シンクの流水で 3 回
洗う。
むきごぼう
・3 漕シンクの流水で 3 回洗う。
・上処理室で裁断した後、専用容器に水をはりアク抜きをする。
・下処理室で芯、頭、皮を剥き、3 漕シンクの流水で 3 回洗う。
玉
葱
・ピーラーを使用した場合、ピーラー後下処理室で芯、頭、皮を剥き、3 漕シンクの
流水で 3 回洗う。
・検収室で外側の青葉を取り除き、下処理室で包丁やまな板で芯を取り、2 等分また
キャベツ・白菜
は 4 等分し、バラバラにして虫が付着していないことを確認しながら、丁寧に 3 漕シ
ンクの流水で 3 回洗う。
ほうれん草
・虫が付着していないことを確認する。検収室で根を落とし後、バラバラにして下処
青
理室の 3 漕シンク
梗 菜
ピ ー マ ン
も
や
し
パ
セ
リ
流水で 3 回洗う。
・2 つに切って種を取り 3 漕シンクの流水で 3 回洗う。
・流水で 3 回洗いザルに移し水を切る。
・包丁やまな板で根を落とし、虫が付着していないことを確認しながら、3 漕シンク
の流水で 3 回洗う。
・土が落ちないよう容器に移し変え根菜室へ。ピーラーで皮剥きをする。下処理容器
に移し芽取りをする。洗浄した後はでんぷん質を取るため水に浸す。
じ ゃ が 芋
・じゃが芋の芽、皮の緑部分は丁寧に取り除き、えぐ味成分の除去及びソラニンによ
る食中毒を防止すること。
生
み
姜
か
ん
冷凍ミカン
・皮を剥き、流水で 3 回洗う。
・使い捨て手袋を使用しシンクで洗浄する(アルカリ水、酸性水使用)
。傷を確認しな
がら流水で洗う。専用容器に移し替えたみかんは、数え物スペースで配缶する。
11
【乾物等の下処理、扱い方】
※釜毎に計量しておく。
干 し 椎 茸
・ごみや虫などついていないか確認し、水洗いしてからぬるま湯に浸す。専用容
(スライス)
器に移し替えた椎茸は、調理直前にパススルー冷蔵庫に移し保管。
切 干 大 根
・よく洗って 10 分程たっぷりの水に浸す。専用容器に移し替えた切干大根は、調
理開始前にパススルーに移し保管。
ひ
じ
き
・ごみや砂がないか確認し、20 分程水に付ける。濁りがなくなるまでよく洗う。
専用容器に移し替えたひじきは、調理開始前にパススルーに移し保管。
わ
か
め
・ごみや砂がないか確認し、約 5∼8 分水に付ける。専用容器に移し替えた若布は、
調理開始前にパススルーに移す。
【大豆製品の下処理、扱い方】
※床を濡らさないよう注意する。
・釜毎に計量された豆腐類は専用容器に入れ替える。上処理室では指定の大きさに切
豆
腐
類
り、容器に入れる。調理開始前水を切りカートに載せて保管する。
・釜毎に計量された油揚げは専用容器に移し替える。調理開始前、油揚げは上処理室
油
揚
げ
で指定の大きさに裁断する。油抜きをする。
コンニャク
ツキこんにゃく
・釜毎に計量されたコンニャク類は専用容器に移し替える。調理開始前、コンニャク
類は上処理室で湯通しをする。カートに載せて保管する。
【肉・魚類の下処理】
※汚染作業区域と非汚染作業区域との間で食材を往き来させない。
※専用エプロンを着用し、使い捨て手袋を装着して取り扱う。ドリップ(解凍液)による二次汚染に注意。
・釜毎に計量された肉類はフタ付きの専用容器に入れ替え、肉魚冷蔵庫で保管する。
肉
類
調理直前にパススルー冷蔵庫に移し保管する。
・釜毎に計量された魚介類はフタ付きの専用容器に入れ替え、肉魚冷蔵庫で保管する。
魚
介
類
調理開始前に洗浄し専用容器に移し替え、パススルー冷蔵庫に移し保管する。
練 り 製 品
つと・竹輪
・釜毎に計量された練り製品はフタ付きの専用容器に入れ替え、肉魚冷蔵庫で保管す
る。調理直前に上処理室で裁断する。
冷凍素材
・釜毎に計量された冷凍素材はフタ付きの専用容器に入れ替え、肉魚冷蔵庫で保管す
すり身類
る。調理開始前に油抜きをする。
ミートボール類
12
※専用エプロンを着用し、使い捨て手袋を装着して取り扱う。
・卵は殺菌済液卵を使用する。釜毎に分けた液卵はフタ付きの専用容器に入れ替えて
卵処理室で保管する。液卵は、専用容器に入れ替えし、調理直前にパススルー冷蔵庫
液
卵
で移し保管する。
・冷凍液卵を使用の場合、前日に納品してもらい調理時に解凍状態になるよう、計画
的に冷蔵庫に移し替えておく。
【冷凍野菜の下処理】
・ビニール袋ごと冷蔵庫で前日から解凍するか、当日ビニール袋ごと流水で解凍する。
冷凍野菜の葉物
ある程度ほぐれたら、包装を取り除き、異物確認する。
・コーン・グリンピース・いんげんは当日ざるに移し、異物の有無を確認して流水で解
バラ凍結の野菜
凍する。
【レトルト食材の下処理 扱い方】
※食材の包装資材等を専用はさみ等使用して開封した場合、包装資材の切れ端が混入しないよう注意し、確
認をすること。
※調味料を入れる際、異物やガラスの破片などの混入の危険も考えられるため、容器から直接ではなく、一
度ボウルや食器に移し替えて入れること。
※
・釜毎に計量されたうずらの卵は調理開始前に、専用容器に入れ替え(上処理室保管)
、
うずらの卵
上処理室で開封・洗浄する。※床を濡らさないよう注意する。
・釜毎に計量された山菜類は調理開始前に、専用容器に入れ替え(上処理室保管)
、上
山菜類
処理室で開封・洗浄する。※床を濡らさないよう注意する。
袋入り調味料
・釜毎に計量された袋入り調味料は専用容器に入れ替え、安全に保管すること。
ケチャップ類など
レトルトパウチ入
・釜毎に計量された袋入り調味料は専用容器に入れ替え、安全に保管すること。
り調味料・食材
・釜毎に計量された調味料は専用容器に入れ替えておく。
調味料類
・ミキサーを使用する調味料が複数ある場合は、使用する前に洗浄すること。
缶の状態、内壁塗装の状態等に十分注意をむけること。
缶
詰
開封前にアルコールで消毒する。缶切も消毒したものを使用する。
13
【揚げ物・蒸し物の冷凍品 扱い方】
※専用エプロンを着用し、使い捨て手袋を装着して取り扱う。
※ダンボールを触った手で食品に触れないこと。
・納品された冷凍品は専用容器に移し替え、魚肉冷凍庫に保管する。前日に納品され
たものは専用容器に移し替え魚肉冷凍庫に保管する。
冷
凍
品
・冷凍品は用途別に合わせ、魚肉冷凍庫より専用容器に移し替えてパススルー冷蔵庫
から搬出する。
【デザートの冷凍品
扱い方】
※専用エプロンを着用し、使い捨て手袋を装着して取り扱う。
※ダンボールを触った手で食品に触れないこと。
・納品されたデザートは専用容器に移し替えする。
デザート品
・専用容器に移し替え数え物スペースで配缶する。
【小袋類 扱い方】
※専用エプロンを着用し、清潔な手で取り扱う。
※ダンボールを触った手で食品に触れないこと。
・納品された小袋類は専用容器に移し替え食品庫に保管する。
小
袋
類
・専用容器に移し替え数物スペース室で学校別クラス分けをする。
14
(5)調理時
(ア) 食品の搬入から調理、保管、配食、給食等における衛生的な取り扱いに努め、ねずみ及びはえ、
ごきぶり等衛生害虫によって汚染されないよう注意するとともに食品、給食の運搬時における
適切な温度管理、時間管理等の衛生的な取り扱いに配慮すること。
(イ) 給食の食品はすべて給食実施日当日に調理し、作り置きしないこと。
(ウ) 食品・調味料は必ず専用の容器で計量して使用すること。
(エ) 食品の切栽は、原則として加熱調理の前に行なうこと。
(オ) 調理指示書に従い適正に行うこと。
(カ) 食品及び調理器具は常に 60cm 以上の高さにおくこと。
(キ) 加熱処理する食品については、中心部温度計を使い中心温度を 3 点以上測定し、全て点におい
て 75℃以上に達していた時点から 1 分以上、またはこれと同等以上温度まで加熱し、その温度
と時間の記録をとること。
(ク) 調理後 2 時間以内で喫食できるようにすること。
(ケ) 温食は加熱調理後、直ちに盛付すること。配送時 65℃以上を保持すること。
(コ) 揚げ物、焼き物は加熱前と加熱後に取り扱う人を別にすること。
(サ) 調理に直接関係のない者をみだりに調理室にいれないこと。調理・点検に従事しない者がやむ
を得ず調理場に立ち入る場合には、健康状態等を点検・記録し、専用の清潔な調理衣、使い捨
てマスク、帽子、及び履物を着用させること。
(シ) 使用後の器具・容器等を調理室の洗浄・消毒する場合は、原則として全ての食品が調理室から
搬出された後に行なうこと。
(6)配送時
(ア) 給食は、調理終了後 2 時間以内に喫食できるよう、配送は適切に行い、配送時刻を記録する。
(イ) 積み込む時には、温食がこぼれないよう丁寧に取り扱うこと。
(7)使用水の安全確保
(ア) 飲料水を使用すること。
(イ) 調理開始前及び調理終了後に有利残留塩素が 0.1mg/L以上であること及び色度、濁度、臭
気、味等について異常がないか確認し記録する。
(8)温度管理・記録
(ア) 調理作業時は、適宜に調理室内の温度・湿度を確認し、確認時間とともに記録すること。
(イ) 加熱処理する食品については、中心温度が 75℃以上に達していた時点が 1 分以上、またはこ
れと同等以上の温度まで加熱し、その温度と時間を調理記録表に記録すること。
15
(9)二次汚染の防止
(ア) 毎日献立ごとに調理作業の手順、時間、担当者を示した「作業工程表」や調理室内の食品別
の動きを示す「作業動線図」を作成し、調理業務従事者に十分確認させてから、調理業務に
臨むこと。実際の作業に沿って、調理作業工程表と作業動線図は適宜作成しなおすこと。
(イ) 調理作業中の食品や調理機械・器具類の汚染防止のため包丁、まな板類は食品別、処理別の
使い分けを徹底すること。
(ウ) 調理場における食品及び調理用器具類は常に床面から 60cm 以上の高さの置き台の上に置く
こと。
(エ) 食肉類・魚介類・卵類については、それぞれ専用の調理用器具類を備えること。また、ミキ
サーについては、
「パセリ用」
「調味料用」と用途別に使い分けること。
(オ) 調理場内では、布きんは使用せずペーパータオルを使用すること。調理台などの水をとる場
合は、清潔な水切りワイパーまたはペーパータオルを使用すること。
(カ) 調理衣・エプロンや履物等は作業区分に使い分け、色分けするなど明確にすること。保管も
衛生的に作業区分すること。
(キ) 食品に直接触れる場合には、必ず使い捨て手袋を着用し、作業ごとに交換して、二次汚染の
防止に努めること。
(ク) 調理業務においては、私物の持ち込みはしない。喫煙はさせないこと。
(10)配送車両について
配送車両
(ア) 運搬途中に塵芥等によって汚染されることがないよう十分注意すること。
(イ) 配送前、配送後に点検し、必要に応じて清掃、洗浄、消毒すること。
(ウ) 調理場搬出時及び受配校搬入時の温度・時間を記録すること。
配送員の衛生管理
(ア) 検便は月 2 回行なうこと。検査項目は赤痢菌、虫卵、サルモネラ菌、病原性大腸菌及び必要
に応じてノロウイルス検査をすること。
(イ) 配送員は作業開始前、更衣室で個人専用の爪ブラシで手洗い・消毒をすること。
(ウ) 配送員は用便後、爪ブラシで手洗い・消毒をすること。
(エ) 配送員は作業衣、帽子、使い捨てマスク、履物を着用し、コンテナ車を配送車に積載するこ
と。
(オ) 指定した者や物品以外は同乗、積載しないこと。
16
(11)残菜・廃品処理
(ア) 調理に伴うゴミや残菜は、それぞれのゴミに区別し、衛生的に処理すること。
(イ) 廃棄物(残菜を含む)は、非汚染作業区域に持ち込まないこと。
(ウ) 適宜、残菜処理室に搬出し作業場に放置しないこと。
(エ) 調理に伴うゴミ廃棄物容器は、汚臭・汚液がもれないように管理すること。作業終了後は速や
かに清掃しておくこと。
(オ) 残菜処理室は廃棄物の搬出後に厨芥脱水機・ポリバケツ・ポリバケツ交換装置を清掃し、汚臭
やネズミ及びハエ、衛生害虫がでないよう衛生上支障のないようにすること。
(カ) 学校直送品(デザート類・麺類)の容器・袋などは適切に処分すること。
17
5.調理器具の洗浄及び消毒
調理場の使用する洗浄剤・消毒剤について
調理場では様々な洗浄剤(中性洗剤やアルカリ洗浄剤)や消毒剤(次亜塩素酸ナトリウムやアルコールなど)が
使用されますが、それらの特性、対象物の特性、使用する環境を確認し、最も良い方法を選ばないと期待する結果
を得られません
使用目的
種類と主成分
対象物
特徴・注意点
調理器具類
〈特徴〉
〈主成分〉
野菜(必要に
○界面活性剤の力で洗浄する。
ん白質)全般、土
陰イオン界面活
応じて)
○中性なので安全性は高い
などの食品につい
性剤
食品由来の汚れ
中性洗剤
(油・でん粉・た
〈注意点〉
○殺菌を目的としたものではない。
た汚れ
○中性洗剤と同じ用法で食器洗浄用の石け
んを用いていることがある。
使い方は中性洗
剤と同じ。ただし、石けんは中性ではなく、
弱アルカリ性。
特にひどい油汚
アルカリ洗浄剤
床、壁
〈特徴〉
れ、焦げ付いた汚
〈主成分〉
加熱調理機器
○中性洗剤で対応できない強い汚れ、特に油
れ、特にひどいた
水酸化ナトリウ
食器洗浄機で
やたん白質をアルカリの力で溶かすことが
ん白質の汚れ
ムや水酸化カリ
洗う食器
できるので、それらの汚れに強い。
洗
ウムなどのアル
〈注意点〉
カリ塩類
○アルカリ性なので手袋を必ず使用し、
目の
保護などの注意が必要。
○食器洗浄機に使用する場合は必ず専用の
洗浄剤を使うこと。
浄
水分中のミネラル
酸性洗浄剤
食器洗浄機の
〈特徴〉
由来の汚れ(スケ
〈主成分〉
内部の洗浄
○調理場では食器洗浄機内部に付着したス
ールと呼ばれてい
リンゴ酸やクエ
ケールに使用する。
る)
ン酸などの有機
〈注意点〉
酸、あるいは塩
○次亜塩素酸ナトリウム溶液と混ぜると塩
酸や硝酸などの
素ガスを発生するので危険。
無機酸
軽い食品由来の汚
洗浄除菌剤
生で食べる
れと微生物
〈主成分〉
食材や加熱後
○洗浄と同時に除菌もできる。特に微生物制
陽イオン活性剤
の食品を扱う
御を必要とする時は有効。
と両性あるいは
調理器具
〈注意点〉
〈特徴〉
非イオン界面活
○洗浄だけを目的とした中性洗剤と比較す
性剤など
るとやや洗浄力は劣る。
18
使用目的
種類と主成分
対象物
特徴・注意点
野菜の殺菌
次亜塩素酸ナト
まな板
〈特徴〉
まな板などの漂白
リウム
布きん
○野菜のなどの殺菌並びに調理器具の殺菌、
食器
漂白
に有効。
殺
〈注意点〉
菌
○野菜の殺菌に用いる場合は食品添加物の
許可を受けているものを使用する。
○金属腐食性が強いので注意する。
消毒
○時間と共に濃度が低下するので要注意。
・
○アルカリ性なので必ず手袋を着用して使
漂
白
用すること。また換気すること
食器の漂白・殺菌
酸素系漂白剤
食器
〈特徴〉
〈主成分〉
○メラミン製の容器の殺菌漂白に使用する。
過炭酸ナトリウ
ムなど
〈注意点〉
○殺菌力を発揮するには 50℃程度の温湯を
使うことが望ましい。
殺
調理器具の殺菌手
アルコール
調理器具類
〈特徴〉
指の消毒
〈主成分〉
手指
○即効性のある殺菌能力を発揮する。
菌
アルコール(エ
〈注意点〉
消
タノール)有機
○水分を完全に取り除いてから使用する。
毒
酸等の食品添加
○引火性が高いので火の近くでは要注意。
物
手指の洗浄
手洗い石けん
手指
〈特徴〉
手
(主成分〉
○手指の洗浄専用に用いることができる。調
指
陰イオン界面活
理場では手洗い用石けん液を使うことが望
の
性剤(石けん含
ましい。
洗
む)
〈注意点〉
○食器用の石けんは目的が異なるので、手指
浄
の洗浄には用いないこと。
19
調理場の清掃
(道教委・衛生管理マニュアル)
床(下処理室)
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①床のゴミを取り除く。
(掃除機)
②モップで水拭きした後、乾いたモップで乾拭きする。
※野菜由来の土汚れ、肉、魚、卵など汚染度の高い食品を取り扱うこと
により、汚染されることがあります。いずれも中性洗剤で洗浄します。
特に汚れが目立つところはアルカリ洗剤をつけたブラシでこすり洗いす
る。
週 1 回 ①床のゴミを取り除く。
(掃除機)
程度
又は
②床に洗剤をまき、ブラシでこすり洗いする。
③流水で洗い流す。
特に床が ④水切りワイパーで十分に水を切る。
汚れた時
⑤乾いたモップで乾拭きする。
⑥換気をよくして、すみやかに乾燥させる。
床(調理室)
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①床のゴミを取り除く。
(掃除機)
②モップで水拭きした後、乾いたモップで乾拭きする。
※揚げ物、焼き物、回転釜の周辺の汚れは、油汚れや様々な食品によ
る複合的な汚れで、「ガンコ」な汚れです。中性洗剤、アルカリ洗剤
など汚れの度合いに応じた洗浄剤を使用する。特に汚れが目立つとこ
ろはアルカリ洗剤をつけたブラシでこすり洗いする。
週 1 回程度
又は
①床のゴミを取り除く。
(掃除機)
②床に洗剤をまき、モップで塗布する。ポリッシャで洗浄する。
特に床が ③流水で洗い流す。
汚れた時
④水切りワイパーで十分に水を切る。
⑤乾いたモップで乾拭きする。
⑥換気をよくして、すみやかに乾燥させる。
モップの洗浄・消毒
①ゴム手袋を装着する。
②専用のバケツに湯と洗剤を加えて浸けおき液を作る。
③使用済みのモップを②に浸け込む。
④手で揉み洗いする。
⑤流水ですすぐ。
⑥次亜塩素酸ナトリウム 200ppm 溶液に 5 分間浸け込む。
⑦流水ですすぐ
⑧風邪通しの良い保管場所で乾燥しやすいよう吊り下げて保管する。
20
床の消毒
①肉、魚、卵などの汚染の高い食品が床に落ちた時、拭き取り検査で大腸菌が検出
された時、また、汚れている時は消毒が必要です。次亜塩素酸ナトリウム溶液かア
ルコールを使いますが、状況によって使い分ける。いずれも洗浄して乾いた状態で
使用する。
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①床のゴミを取り除く。
(掃除機)
②モップで水拭きした後、乾いたモップで乾拭きする。
中性洗剤、アルカリ洗剤など汚れの度合いに応じた洗浄剤を使用す
る。
週 1 回程度
又は
①床のゴミを取り除く。
(掃除機)
②床に洗剤をまき、モップで塗布します。ポリッシャで洗浄する。
特に床が ③流水で洗い流す。
汚れた時
④水切りワイパーで十分に水を切る。
⑤乾いたモップで乾拭きする。
⑥換気をよくして、すみやかに乾燥させる。
食器洗浄機
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①残菜処理コンベヤを引き出し、パンチング板の目詰まりを除き、チ
ェーン、羽根、その他汚れている部分の掃除をする。
②タンクストレーナーを引き出して残菜を洗い流す。
③タンク排水バルブを開いて、タンク内の排水をする。
④ホースなどでコンベヤ・洗浄室内部・タンク内部をきれいに洗い流
す。
※この場合、機械の外側に水をかけて洗うことは避け、湿った布で拭
き取る程度にしてモーター、スイッチ、操作盤などの電気部品には水
をかけない。
特に 1 槽目は汚れがひどいのでブラシなどできれいに洗い流す。
扉
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①取っ手やドアノブを水拭きする。
※
週 1 回程度又は
①洗剤を含ませて軽く絞った布きんで扉全体をまんべんなく拭く。
特に汚れた時
②水を含ませて絞った布きんで洗剤を拭きとる。
21
排水溝
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①溝カバーを外し、洗剤液を作りデッキブラシでこすり洗いする。
②流水で流した後、溝カバーを元の場所に設置する。
週 1 回程度又は
①溝カバーを外し、洗剤液を作りデッキブラシでこすり洗いする。
特に汚れた時
②排水溝、溝カバーに洗剤をつけ 4∼5 分放置後、ブラシでこすり洗
いする。
③流水で流した後、溝カバーを元の場所に設置する。
調理機械類の洗浄
回転がま
洗浄の頻度
調理終了後
洗 浄 方 法
①元栓を閉める。
②温水を張り、釜の汚れをヘラ、スポンジなどでよごれを落とす。
③温水を捨てる。
④洗剤を含ませたスポンジで釜の内側、エプロン(傾斜)、ふたを洗
浄する。
釜の底(排水スカート)の部分を取り外し洗浄する。
⑤流水ですすぐ。
⑥釜本体はスポンジなど柔らかいもので行なう。
⑦水を切り、乾燥させる。
フライヤー
洗浄の頻度
洗 浄 方 法
調理作業終了 ①油槽内に残った油やカスを取り除く。
後
②バルブが閉じているのか確認する。フライヤーに湯を入れる。
③洗剤をいれ、コンベヤをブラシで汚れを落とす。
④コンベヤ内部をブラシで汚れを落とす。
⑤搬送コンベヤの汚れを落とす。
⑥内部の汚れを落としたら、流水ですすぎ洗いする。
※苛性ソーダーを使用する場合は取り扱いには十分注意する。
22
冷蔵庫・冷凍庫
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
内外装①汚れを取るため、中性洗剤を含ませた布で拭いた後水を浸し
た布で拭き取る。アルカリ性または弱アルカリ性洗剤はプラスチック
を傷めたり変色したりする場合があるので使用しない。
扉パッキン①汚れ、調味料がついたまま使用すると、早く傷むので扉
パッキン、パッキンも中性洗剤を含ませた布で拭いた後水を浸した布
で拭き取る。
週 1 回程度
凝縮器フィルター①月 1∼2 回定期的に取り外し、水かぬるま湯で洗
又は特に
浄する。汚れがある場合は、中性洗剤を使用する。
汚れた時
排水溝①週 1 回定期的に部品を取り外し洗浄する。
凝縮器①学期毎に 1 度、凝縮フィルターを外し、ブラシでゴミやほこ
りを取り除く。
排水経路の清掃①1 年に 1 度。排水経路のゴミやほこりを取り除く。
除霜水や結露水が正規の経路に流れるようにする。
スチームコンベクションオーブン
洗浄の頻度
調理終了後
洗 浄 方 法
①使用後、庫内温度が高いため冷却ボタンを押し 60℃まで下げる。
②扉を開け洗浄シャワーを使って庫内全体に水をかける。
③洗剤を庫内・扉内側の扉ガラスにまんべんなく吹き付け、扉を閉め
て数分放置する。
④温度と時間を設定してスイッチを入れる。
⑤設定時間経過後、運転が停止したら扉を開け洗浄シャワーを使い庫
内の洗剤を流す。
すすぎが不十分な場合庫内にしみが残る原因となる。
⑥温度と時間を設定して乾燥させる。
⑦扉の外側・本体外側は洗剤液を含ませた布で拭く。
⑧芯温センサーは汚れがひどいと正確な温度が計れなくなるばかりで
なく、衛生的にも問題になりますので、中性洗剤で汚れを落とす。
⑨吸い込みフィルターは取り外し、中性洗剤で洗浄する。
⑩排水溝は排水管などにゴミが入らないように庫内清掃時に洗浄す
る。
⑪扉ガラスは取り外し、中性洗剤で洗浄する。
23
パススルー冷蔵庫
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
内外装
①汚れをとるため、中性洗剤を含ませた布で拭いた後清水を浸した布でふき
取る。
アルカリ性または弱アルカリ性洗剤はプラスチックを傷めたり変色したりす
る場合があるので使用しない。
扉パッキン
①汚れ、調味料がついたまま使用すると、早く傷むので扉パッキン、パッキ
ンも中性洗剤を含ませた布で拭いた後清水を浸した布でふき取る。
週 1 回程度
凝縮器フィルター
又は特に
①月 1∼2 回定期的に取り外し、水かぬるま湯で洗浄する。
汚れた時
汚れがある場合は、中性洗剤を使用する。
排水溝
①週1回定期的に部品を取り外し洗浄する。
凝縮器
①学期毎に1度、凝縮フィルターを外し、ブラシでゴミやほこりを取り除く。
排水経路の清掃
①1年に1度。排水経路のゴミやほこりを取り除く。除霜水や結露水が正規
の経路に流れるようにする。
食器消毒保管庫
洗浄の頻度
毎日
洗 浄 方 法
①庫内の内側を乾いた布で拭く。底板に溜まった水分は前面にかき出し、モ
ップ等で乾拭きする。
②扉、側面に付着した汚れは中性洗剤を含ませた布で拭き取ってから乾いた
布で拭く。
週 1 回程度
仕切りやカートを取り出して、中性洗剤溶液で洗浄する。洗浄後はとく乾燥
又は特に
させてから本体に入れる。年 2∼3 回はストレーナーの清掃をする。
汚れた時
24
野菜裁断機・スライサー
電気基盤などの部品には水をかけないよう注意する。
洗浄の頻度
調理終了後
洗 浄 方 法
①分解できる部分は取り外して洗浄する。
②切りくずや汚れを取り、中性洗剤で洗浄する。
③流水で洗剤を洗い流す。
④本体部分、操作パネルなどは乾いた柔らかい衛生的な布きん(不織布が望
ましい)で拭きあげる。
⑤部品は消毒保管庫で殺菌・保管する。
⑥分解した部品は使用前に取りつける
球根皮剥き機
洗浄の頻度
洗 浄 方 法
作業終了後
①分解できる部分は取り外して部品は、洗剤を含ませたスポンジ、たわしで
洗浄する。
②本体内部の粗ごみは流水で洗い流す(こびりついた汚れはスポンジなどで
こすり洗う)。
③分解した部品は使用前に取りつける
ミキサー
電気基盤などの部品には水をかけないよう注意する。
洗浄の頻度
洗 浄 方 法
作業終了後
①分解できる部分は取り外して部品、本体は洗剤を含ませたスポンジで洗浄
する。
②流水で洗剤を洗い流し、逆さまにして乾燥させる。
③部品は消毒保管庫で殺菌・保管する。
④分解した部品は使用前に取りつける
25
(調理機器類)作業台・スタックカート
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後)に区別すること。
移動式の作業台・スタックカートは器具洗浄室で洗浄する。
洗 浄 方 法
調理中
食品が変わる時
①大きな食品残渣を捨てる。水切りワイパーで水分と小さな食品残渣を集めて
取り除く。
調理終了後
②水気が残る場合は、ペーパータオルで水気を拭きとる。
①排水網などの部品を取り除く。
②食品残渣を取り除く。
③洗剤を含ませたスポンジでまんべんなくこすり洗う(車輪も)。
④流水ですすぐ。
⑤衛生的なワイパーで水気を取る。
(調理機器類)シンク
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後・生食する食品用)に区別すること。
洗 浄 方 法
調理中
食品が変わる時
①スポンジでシンク内側をこすりながら、水洗いする。
調理終了後
①残菜受けを取り外す。
②洗剤を含ませたスポンジでまんべんなくこすり洗う。
③流水ですすぐ。
④衛生的なワイパーで水気を取る。
(調理器具類)まな板
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後・生食する食品用)に区別すること。
洗 浄 方 法
調理中
食品が変わる時
①食品残渣を取り除く。
②同じ釜に入るものは同じまな板を使用し、同じ釜に入らないものはまな板
調理終了後
を交換する。
①食品残渣を取り外す。
②シンクにはった温水に洗剤を入れ、スポンジで傷目に沿ってまんべんなく
洗う。
③器具洗浄機で流す。
④まな板消毒保管庫で保管する。
※
26
包丁
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後・生食する食品用)に区別すること。
洗 浄 方 法
調理中
食品が変わる時
①食品残渣を取り除く。
②同じ釜に入るものは同じ包丁を使用する。同じ釜に入らないものは包丁を交
調理終了後
換する。
①食品残渣を取り外す。
②洗剤を含ませたスポンジでまんべんなく洗う。※柄の部分、柄と刃のつなぎ
目は特に
念入りに洗う。
③流水で十分すすぐ。
④ペーパータオルで水気を拭きとる。
④包丁・まな板消毒保管庫で保管する。
ざる、かご、ボウル
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後・生食する食品用)に区別すること。
洗 浄 方 法
調理終了後
①食品残渣を取り除く。
②シンクにはった温水に洗剤を入れ、スポンジでまんべんなく洗う。
※網目の部分、縁の部分に洗い残しがない様にように念入りに洗う。
③器具洗浄機で流す。
④消毒保管庫で保管する。
泡立て器、スパテラ、ひしゃく類
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後・生食する食品用)に区別すること。
洗 浄 方 法
調理終了後
①食品残渣を取り除く。
②洗剤を含ませたスポンジでまんべんなく洗う。※柄の付け根部分を念入りに
洗う。
③器具洗浄機で流す。
④消毒保管庫で保管する。
27
スポンジ、たわし類
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用・加熱調理後・生食する食品用)に区別すること。
洗 浄 方 法
調理終了後
①専用の容器に水と洗剤を加えて浸け置き液を作る。
②用途別にスポンジ、たわし等を入れ、よく揉み洗いする。
③流水で十分にすすぐ
④消毒保管庫に保管する。
ゴム手袋
※用途別(汚染作業用・非汚染作業用)に区別すること。加熱調理後は使い捨て手袋を使用する。
洗 浄 方 法
調理終了後
①専用の容器に湯と洗濯用洗剤を加え、その中で揉み洗いする。(指の間、手
首の部分は丁寧に揉み洗い)
②手袋を裏返ししてさらに揉み洗いする。
③流水で十分にすすぐ。
④非汚染区域で使用する手袋は次亜塩素酸ナトリウム 200ppm 溶液を入れ、5
分間浸漬する。
⑤流水ですすぐ。水気をよく切った後、裏返しのまま乾燥室で干す。
※個人ごとの管理では不衛生になりやすいので一括管理しましょう。
28