参考資料6 平成28年7月25日「第1回児童虐待対応における司法 関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関す る検討会」資料5のうち、特別養子縁組部分を抜粋 児童虐待対応における司法関与 及び特別養子縁組について 目次 1.児童相談所における児童虐待対応の現状に ついて 2.児童虐待防止対策に関する制度改正の経緯 について(司法関与関係を中心に) 3.里親及び特別養子縁組の現状について 3.里親及び特別養子縁組の現状について 社会的養護の現状 (1)施設数、里親数、児童数等 保護者のない児童、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする児童などに対し、公的な責任として、社会的に養護を行 う。対象児童は、約4万6千人。 里親 家庭における養育を里親 に委託 区分 (里親は 重複登 録有り) 施設 養 育 里 親 専 門 里 親 養子縁組里親 親 族 里 親 乳児院 登録里親数 委託里親数 委託児童数 9,949世帯 3,644世帯 4,731人 7,893世帯 676世帯 3,072世帯 485世帯 2,905世帯 174世帯 222世帯 471世帯 3,599人 206人 224人 702人 児童養護施設 情緒障害児 短期治療施設 養育者の住居において家庭養 護を行う(定員5~6名) ホ ー ム 数 257か所 委託児童数 1,172人 児童自立支援 施設 母子生活支援 施設 自立援助 ホーム 不良行為を なし 、 又はなすおそれの ある児童及び家庭 環境その他の環 境上の理由により 生活指導等を要す る児童 配偶者のない女 子又はこれに準ず る事情にある女子 及びその者の監 護すべき児童 義務教育を終了し た児童 であっ て 、 児童養護施設等 を退所した児童等 対象児童 乳児(特に必要な 場合は、幼児を含 む) 施設数 134か所 602か所 43か所 58か所 243か所 123か所 定員 3,865人 33,017人 1,962人 3,753人 4,869世帯 826人 現員 2,939人 27,828人 1,358人 1,397人 3,465世帯 児童5,766人 486人 職員総数 4,539人 16,672人 995人 1,788人 2,067人 519人 小規模グループケア 地域小規模児童養護施設 保護者のない児童、 軽度の情緒障害 虐待されている児 を有する児童 童その他環境上養 護を要する児童 (特に必要な場合 は、乳児を含む) ファミリー ホーム 1,218か所 329か所 ※里親数、FHホーム数、委託児童数は福祉行政報告例(平成27年3月末現在) ※施設数、ホーム数(FH除く)、定員、現員、小規模グループケア、地域小規模児童養護施設 のか所数は家庭福祉課調べ(平成27年10月1日現在) ※職員数(自立援助ホームを除く)は、社会福祉施設等調査報告(平成26年10月1日現在) ※自立援助ホームの職員数は家庭福祉課調べ(平成27年10月1日現在) 1 ※児童自立支援施設は、国立2施設を含む (2)要保護児童数の推移 ここ十数年で、里親等委託児童数は約2.8倍、児童養護施設の入所児童数は微増、乳児院が約2割増 となっている。 ○児童養護施設の入所児童数 1,500 ○児童養護施設の設置数 H27 H25 H23 1,000 H21 H27 H25 H23 H21 H19 H17 H15 H13 H11 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 ○ 乳児院の設置数 140 620 135 600 130 580 125 560 120 平成27年10月 134か所 (1.18倍) 平成14年10月 114か所 105 H25 H23 H21 H19 H17 100 2 H27 110 H15 500 平成13年10月 551か所 115 H13 520 平成27年10月 602か所 (1.09倍) H11 540 H9 (注)児童養護施設・乳児院については各年度 10月1日現在(社会福祉施設等調査、平成 21年度以降は家庭福祉課調べ) 里親・ファミリーホームについては、各年 度3月末日現在(福祉行政報告例) H9 20,000 1,000 平成27年10月 2,939人 (1.15倍) H17 22,000 平成7年10月 2,566人 H19 平成7年10月 27,145人 2,000 H7 平成26年度末 5,903人 (2.78倍) 平成27年10月 27,828人 (1.03倍) 24,000 H7 2,000 26,000 H5 3,000 平成11年度末 2,122人 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 4,000 2,500 H15 28,000 H13 5,000 3,000 H11 30,000 H9 6,000 3,500 H7 32,000 H5 7,000 ○ 乳児院の入所児童数 H5 ○ 里親・ファミリーホームへの委託児童数 (参考)児童養護施設の児童の年齢、在所期間、措置理由 ①児童養護施設の児童の年齢 単位:人数(人)、[ ] 構成割合(%) 在籍児の年齢 H25 H15 ②在籍児童の在籍期間 単位:人数(人)、[ ] 構成割合(%) 入所時の年齢 H4 S58 H25 H15 H4 S58 H25 H15 H4 S58 14,842 [49.5] 17,415 [57.3] 13,709 [51.3] 17,880 [55.8] 0歳~ 5歳 4,047 [13.5] 5,421 [17.8] 4,128 [15.4] 4,610 [14.4] 15,864 [52.9] 16,704 [54.9] 14,330 [53.6] 16,400 [51.2] 4年未満 6歳~ 11歳 10,899 [36.4] 12,408 [40.8] 10,138 [37.9] 13,820 [43.1] 9,923 [33.1] 10,010 [32.9] 9,124 [34.1] 12,330 [38.5] 4年以上~ 8年未満 8,143 [27.2] 7,705 [25.3] 7,237 [27.1] 8,990 [28.1] 12歳~ 17歳 13,401 [44.7] 11,448 [37.6] 11,597 [43.4] 13,110 [40.9] 4,143 [13.8] 3,642 [12.0] 3,247 [12.1] 3,310 [10.3] 8年以上~ 12年未満 4,733 [15.8] 3,737 [12.3] 4,346 [16.3] 4,190 [13.1] 18歳 以上 1,607 [5.4] 1,119 [3.7] 856 [3.2] 500 [1.6] 14 [0.0] 9 [0.0] - - - - 12年以上 2,105 [7.0] 1,530 [5.0] 1,415 [5.3] 980 [3.1] 総数 29,979 [100.0] 30,416 [100.0] 26,725 [100.0] 32,040 [100.0] 29,979 [100.0] 30,416 [100.0] 26,725 [100.0] 32,040 [100.0] 総数 29,979 [100.0] 30,416 [100.0] 26,725 [100.0] 32,040 [100.0] 平均 年齢 11.2歳 10.2歳 11.1歳 10.2歳 6.2歳 5.9歳 6.4歳 6.0歳 平均 期間 4.9年 4.4年 4.7年 4.3年 注)総数には年齢不詳を含む。 注)総数には期間不詳を含む。 ③児童の措置理由(養護問題発生理由) H25 H15 単位:人数(人)、[ ] 構成割合(%) H4 S58 H25 663[2.2] 912[3.0] 1,246[4.7] 1,279[4.3] 3,333[11.0] 4,942[18.5] 9,100[28.4] (父・母の)精神疾患等 父母の離婚 872[2.9] 1,983[6.5] 3,475[13.0] 6,720[21.0] 虐待(放任・怠惰、虐待・酷使、 棄児、養育拒否) 父母の不和 233[0.8] 262[0.9] 429[1.6] 630[2.0] (父・母の)拘禁 1,456[4.9] 1,451[4.8] 1,083[4.1] 1,220[3.8] (父・母の)入院 1,304[4.3] 2,128[7.0] 3,019[11.3] (父・母・父母の)死亡 (父・母・父母の)行方不明 児童養護施設(旧養護施設)入所児童等調査 3,070[9.6] (父・母の)就労 H15 H4 S58 1,730[5.8] 3,537[11.6] 2,968[11.1] 220[0.7] 3,697[12.3] 2,479[8.2] 1,495[5.6] 1,760[5.5] 11,377[37.9] 8,340[27.4] 4,268[16.0] 2,890[9.0] 破産等の経済的理由 1,762[5.9] 2,452[8.1] 939[3.5] 児童問題による監護困難 1,130[3.8] 1,139[3.7] 1,662[6.2] 4,476[14.9] 2,400[7.9] 1,199[4.5] 4,090[12.8] その他・不詳 総 数 2,340[7.3] 29,979[100.0] 30,416[100.0] 26,725[100.0] 32,040[100.0] 3 (3)虐待を受けた児童の増加 児童虐待の増加等に伴い、児童虐待防止対策の一層の強化とともに、虐待を受けた子どもなどへの対応として、社会的養護 の量・質ともに拡充が求められている。 ○ 全国の児童相談所における児童虐待に関する相談件数は、児童虐 待防止法施行前の平成11年度に比べ、平成26年度 には約7.6 倍に増加。 ○ 児童養護施設に入所している子どものうち、 約6割は、虐待を受けている。 (件数) 0% 90,000 80,000 73,802 70,000 66,701 60% 80% 100% 31.1% 61.7% 7.2% 里親 59.5% 児童養護施設 35.4% 50,000 42,664 40,000 44,211 37,323 40,639 33,408 34,472 26,569 23,274 23,738 30,000 20,000 17,725 11,631 1,171 1,611 2,722 6,932 1,101 1,372 1,961 5,352 4,102 ※平成22年度の件数は、福島 県を除いた数 H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H H 2 3 4 5 6 7 8 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 福祉行政報告例 71.2% 情緒障害児 短期治療施設 56,384 0 40% 5.1% 59,919 60,000 10,000 20% 88,931 58.5% 児童自立 支援施設 乳児院 母子生活 支援施設 ファミリー ホーム 25.7% 35.3% 35.5% 61.7% 50.1% 自立援助 ホーム 36.7% 65.7% 6.2% 2.8% 46.0% 55.4% 3.1% 23.7% 3.9% 7.9% 10.6% 被虐待体験あり あり なし 不明・不詳 なし 児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日) 不明・不詳 4 里親制度の概要 ○里親は、要保護児童(保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童)の養 育を委託する制度であり、その推進を図るため、 ・平成14年度に親族里親、専門里親を創設、 ・平成20年の児童福祉法改正で、「養育里親」を「養子縁組を希望する里親」等と法律上区分 ・平成21年度から、養育里親と専門里親について、里親研修を充実 種 類 養育里親 要保護児童 対 象 児 童 専門里親 次に揚げる要保護児童のうち、都 道府県知事がその養育に関し特 に支援が必要と認めたもの ①児童虐待等の行為により心身 に有害な影響を受けた児童 ②非行等の問題を有する児童 ③身体障害、知的障害又は精神 障害がある児童 養 子 縁 組 を 希望する里親 親族里親 次の要件に該当する要保護児童 要保護児童 ①当該親族里親に扶養義務のある 児童 ②児童の両親その他当該児童を現 に監護する者が死亡、行方不明、 拘禁、入院等の状態となったこと により、これらの者により、養育が 期待できないこと 里親手当 養育里親 72,000円(2人目以降36,000円加算) (月額) 専門里親 123,000円(2人目以降87,000円加算) ※平成21年度に引上げ(それ以前は、児童1人当たり、養育里親34,000円、専門里親90,200円) 里親に支給さ れる手当等 一般生活費 乳児 57,290円、 乳児以外49,680円 (食費、被服費等。1人月額)(平成28年度) その他(幼稚園費、教育費、入進学支度金、就職、大学進学 等支度費、医療費、通院費等) 5 里親等委託率の推移 ○里親制度は、家庭的な環境の下で子どもの愛着関係を形成し、養護を行うことができる制度 ○里親等委託率は、平成15年の8.1%から、平成27年3月末には16.5%に上昇 ○少子化社会対策大綱(平成27年3月閣議決定)において、家庭的養護の推進を図るため、ファミリーホームを含めた 里親等委託率を、平成31年度までに22%に引き上げる目標 児童養護施設 年度 乳児院 里親等※1 合計 入所児童数 (人) 割合 (%) 入所児童数 (人) 割合 (%) 委託児童数 (人) 割合 (%) 児童数 (人) 割合 (%) 平成15年度末 29,214 84.0 2,746 7.9 2,811 8.1 34,771 100 平成16年度末 29,750 83.3 2,942 8.2 3,022 8.5 35,714 100 平成17年度末 29,765 82.5 3,008 8.4 3,293 9.1 36,066 100 平成18年度末 29,808 82.2 3,013 8.3 3,424 9.5 36,245 100 平成19年度末 29,823 81.8 2,996 8.2 3,633 10.0 36,452 100 平成20年度末 29,818 81.3 2,995 8.2 3,870 10.5 36,683 100 平成21年度末 29,548 80.8 2,968 8.1 4,055 11.1 36,571 100 平成22年度末 29,114 79.9 2,963 8.1 4,373 12.0 36,450 100 平成23年度末 28,803 78.6 2,890 7.9 4,966 13.5 36,659 100 平成24年度末 28,233 77.2 2,924 8.0 5,407 14.8 36,564 100 平成25年度末 27,465 76.2 2,948 8.2 5,629 15.6 36,042 100 平成26年度末 27,041 75.5 2,876 8.0 5,903 16.5 35,820 100 ※1 「里親等」は、平成21年度から制度化されたファミリーホーム(養育者の家庭で5~6人の児童を養育)を含む。 ファミリーホームは、平成26年度末で257か所、委託児童1,172人。多くは里親、里親委託児童からの移行。 ※2 平成22年度は福島県分を加えた数値。 (資料)福祉行政報告例及び家庭福祉課調べ(各年度末現在) 里親等委託率 6 里親制度等の改正の経緯 昭和23年1月 児童福祉法施行 ・「里親家庭養育運営要綱」制定(昭和23年10月4日事務次官通知) 昭和63年1月 特別養子縁組制度施行 ・民法等一部改正により特別養子縁組制度実施(昭和62年9月26日公布、昭和63年1月1日施行) ・「里親等家庭養育運営要綱」制定(昭和62年10月31日事務次官通知) ・養子縁組あっせん事業届出制度実施 平成14年10月 里親制度改正 ・「里親の認定等に関する省令」及び「里親が行う養育に関する最低基準」を制定 ・専門里親、親族里親の創設(養育里親、親族里親、短期里親、専門里親の4類型) ・「里親支援事業」実施(里親研修事業、里親養育相談事業)、「一時的休息のための援助(レスパイトケア)」実施 ・平成16年児童福祉法改正で、里親による監護、教育、懲戒について児童福祉施設と同様の規定を追加 ・子ども子育て応援プラン(平成16年12月)で、里親委託率を平成21年度に15%とする目標 ・里親支援事業に、里親養育援助事業、里親養育相互援助事業を追加(平成16年4月~) ・里親委託推進事業実施(平成18年4月~)(児童相談所に「里親委託推進員」、「里親委託推進委員会」を設置) 平成20年児童福祉法改正と里親制度の充実 ・里親制度の改正(養育里親と養子縁組希望里親を制度上区分。養育里親の研修の義務化。里親支援の法定化。 養育里親、専門里親、養子縁組里親、親族里親の4類型。里親認定省令に代わり、児童福祉法・施行令・施行規則に規定。) ・ファミリーホーム制度創設(平成21年4月~) ・里親支援機関事業実施(平成20年4月~) (「里親支援事業」及び「里親委託推進事業」を統合) ・里親手当の倍額への引上げ(平成21年4月~) ・少子化社会対策大綱(平成27年3月)で、ファミリーホームを含めた里親等委託率を平成31年度に22%の目標 平成23年度の取組み ・「里親委託ガイドライン」の策定(里親委託優先の原則など)(4月) ・ファミリーホームの措置費を新規開設半年間は、定員払いに(4月~) ・「社会的養護の課題と将来像」(7月)で、ファミリーホームを含めた里親等委託率を今後10数年で3割以上を目標に ・養育里親の欠格条項の改正(5月~、同居人が成年被後見人等となったときを欠格条項から外す改正) ・親族里親の定義変更(9月~、おじ・おばには、里親手当が支給される養育里親を適用) ・「里親及びファミリーホーム養育指針」の策定、里親委託ガイドライン改正、ファミリーホームの要件改正(3月末) 7 普通養子縁組と特別養子縁組について ○ 普通養子縁組は、戸籍上において養親とともに実親が並記され、実親と法律上の関係が残る縁組形式。 ○ 特別養子縁組は、昭和48年に望まない妊娠により生まれた子を養親に実子としてあっせんしたことを自ら告白した菊田医師 事件等を契機に、子の福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同様の縁組形式をとるものとして、 昭和62年に成立した縁組形式。 普通養子縁組 特別養子縁組 <縁組の成立> 養親と養子の同意により成立 <縁組の成立> 養親の請求に対し家裁の決定により成立 実父母の同意が必要(ただし、実父母が意思を表示 できない場合や実父母による虐待など養子となる者の 利益を著しく害する理由がある場合は、この限りでない) <要件> 養親:成年に達した者 <要件> 養親:原則25歳以上(夫婦の一方が25歳以上であれば、 一方は20歳以上で可) 配偶者がある者(夫婦双方とも養親) 養子:原則、6歳に達していない者 子の利益のために特に必要があるときに成立 養子:尊属又は養親より年長でない者 <実父母との親族関係> 実父母との親族関係は終了しない <実父母との親族関係> 実父母との親族関係が終了する <監護期間> 特段の設定はない <監護期間> 6月以上の監護期間を考慮して縁組 <離縁> 原則、養親及び養子の同意により離縁 <離縁> 養子の利益のため特に必要があるときに養子、実親、 検察官の請求により離縁 <戸籍の表記> 実親の名前が記載され、養子の続柄は「養子(養女)」 と記載 <戸籍の表記> 実親の名前が記載されず、養子の続柄は「長男(長女)」 等と 記載 8 特別養子縁組の成立件数 ○ 特別養子縁組は、保護者のない子どもや実親により養育が困難な子どもに温かい家庭を与えるとともに、その 子どもの養育に法的安定性を与えることにより、子どもの健全な育成を図る仕組みである。 ○ 特別養子縁組の成立数は、横ばいで推移してきたが、ここ3年は増加傾向。 (件数) 600 513 500 474 400 300 544 374 305 311 289 289 326 325 339 200 100 0 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 ※ 出典:司法統計 ※ 平成27年の数値は速報値 9 諸外国における養子縁組の状況 ○ドイツは、未成年の養子縁組の件数の人口比について、日本の約5倍。 ○フランスの15歳以下の養子縁組の件数の人口比は、日本の未成年の養子縁組の件数の約6倍。 種類 日本 ドイツ フランス 特別養子 養子の年齢 6歳未満 実親の同意 (原則) 実親との関係 成立件数 (ただし、父母が意思表示できない、養 子となる者の利益を著しく害する事由 がある場合を除く。) 終了 513人 必要 普通養子 制限なし 15歳未満の子の養子は必要 存続 未成年養子 18歳未満 必要 終了 成年養子 18歳以上 完全養子 原則15歳 以下 単純養子 制限なし (ただし、意思表示ができない、居所が 継続的に知れない場合を除く。) ※無関心により子に過度の不利益がある 場合等は家庭裁判所が同意補充 必要 (ただし、意思表示ができない、親権を 取り上げられている、同意の拒否が濫 用であると裁判所が判断する場合を除 く。) 人口 0.001% 1億2,708万人 (成立件数の合計 /人口) 710人 (未成年養子に限る) 3,805人 存続 - 終了 3,964人 イギリス アメリカ 区別なし 区別なし 18歳未満 制限なし 必要 (ただし、同意を不要とすることが子 の最善の利益に資すると裁判所が判断 する場合を除く。) 0.005% 8,120万人 (未成年養子成立 件数/人口) 6,180万人 (完全養子成立件 数/人口) 0.006% 存続 9,412人 終了 4,734人 5,608万人 - 終了 119,514人 3億1,439 万人 - 必要 (ただし、親が見付からない、同意す ることができない、子の福祉のために 同意不要と裁判所が判断する場合を除 く。) 人口比 (出典)国立国会図書館調査及び立法考査局調べを基に作成 司法統計(平成26年)、戸籍統計(平成26年)、国勢調査(平成26年)、World Economic Outlook Databases(平成28年4月版) (データ年次)ドイツ:平成26年 フランス:平成19年 イギリス:平成23年 アメリカ:平成24年 ※イギリスのデータはイングランド及びウェールズのみ。 10 <参照条文>民法(明治29年法律第89号)(特別養子縁組関係抜粋) (特別養子縁組の成立) 第817条の2 家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終 了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。 2 (略) (養親の夫婦共同縁組) 第817条の3 養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。 2 夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外 の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。 (養親となる者の年齢) 第817条の4 二十五歳に達しない者は、養親となることができない。ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その 者が二十歳に達しているときは、この限りでない。 (養子となる者の年齢) 第817条の5 第八百十七条の二に規定する請求の時に六歳に達している者は、養子となることができない。ただし、その者が八歳未満であって六歳 に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合は、この限りでない。 (父母の同意) 第817条の6 特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。ただし、父母がその意思を表示することができない場合又 は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。 (子の利益のための特別の必要性) 第817条の7 特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益 のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。 (監護の状況) 第817条の8 特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。 2 前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。 (実方との親族関係の終了) 第817条の9 養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定 する他の一方及びその血族との親族関係については、この限りでない。 11
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