関東労災病院 内科専門医プログラム 診療科名: 腫瘍内科 指導体制 診療科の特色 当科は眼腫瘍、小児がん以外の全ての固形がんの化学療法を行っており、臓器別診療では対 応困難な希少がん、重複がんもイニシアチブをとって積極的に受け入れている。 「院内外に決して がん難民をつくらない」ことが当科のミッションと考えている。キャンサーボードを主催し、化 学療法委員会や外来化学療法室の運営を主体的に行っている。 スタッフ 腫瘍内科・血液内科が合同で診療・指導にあたり、指導医 3 名(日本臨床腫瘍学会がん薬物 療法専門医・指導医 1 名、日本臨床腫瘍学会暫定指導医 2 名、日本血液学会指導医 2 名、日 本血液学会専門医 3 名、日本呼吸器学会専門医 1 名、重複有り) 、腫瘍内科医師 1 名、血液 内科医師 1 名、後期研修医 1 名が指導を行なう。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、指 導医、日本がん治療認定機構がん治療認定医の取得が可能。 診療実績 (入院或いは外来新患で当科にて主科対応した症例であり、他科併診のみは除く、血液がんは 除く): <2015 年 4 月~2016 年 3 月 (合計 23 例)> 胃癌 1、直腸癌+骨異形性症候群 1、結腸癌 1、直腸癌 1、小細胞肺癌 1、乳癌 2、乳癌+悪性リン パ腫 1、前立腺癌+直腸癌+MGUS1、甲状腺濾胞癌 1、精巣腫瘍 1、前立腺癌 1、類上皮肉腫 1、 平滑筋肉腫 2、脂肪肉腫+悪性リンパ腫 1、小腸癌 2、神経内分泌腫瘍 1、原発不明癌 2、転移性骨 腫瘍 1、乏突起神経膠腫 1 <2014 年 4 月~2015 年 3 月 (合計 24 例) > 胃癌 1、結腸癌 3、非小細胞肺がん 3、乳癌 3、前立腺癌 1、腎細胞癌 3、縦隔原発胚細胞腫瘍 1、 甲状腺髄様癌 1、悪性黒色腫 2、原発不明癌 4、胃 GIST1、滑膜肉腫 1 <2013 年 4 月~2014 年 3 月 (合計 21 例)> 胃癌 2、結腸癌+悪性リンパ腫 1、結腸癌 1、非小細胞肺癌+多発性骨髄腫 1、非小細胞肺癌 3、腎 細胞癌 1、縦隔原発胚細胞腫瘍 1、腹膜中皮腫 1、平滑筋肉腫 1、悪性線維性組織球腫 1、未分化 円形肉腫 1、虫垂カルチノイド 1、膵神経内分泌腫瘍 1、小腸 GIST1、消化管外 GIST1、原発不 明癌 3 <2012 年 4 月~2013 年 3 月(合計 24 例)> 胃癌 5、胃癌+骨髄異形性症候群 1、食道癌 2、結腸癌 1、直腸癌 2、非小細胞肺癌 2、乳癌 3、胆 嚢癌 1、腎細胞がん 2、悪性黒色腫 2、血管肉腫 1、類上皮肉腫 1、気管癌 1 <2011 年 4 月~2012 年 3 月(合計 18 例)> 胃癌 3、胃癌+胃悪性リンパ腫 1、結腸癌 3、直腸癌 1、非小細胞肺癌 2、乳癌 1、尿管癌 1、腎細 胞癌+悪性リンパ腫 1、小腸癌 1、平滑筋肉腫 1、原発不明癌 3 他に院内各科からの化学療法に関するコンサルトへの対応、院内全診療科の化学療法レジメンの 監査を行っている。 一般目標(GIO:General Instruction Objectives) 腫瘍内科医として必要とされる臨床判断、治療、コミュニケーション能力を習得し、がん診療 においてチーム医療の先導役を果たせるようになることを目標とする。また、固形がん、血液が んを問わず成人の全ての悪性腫瘍について EBM(=Evidence based medicine)を実践していく。 行動目標(SBO:Structural Behavior Objectives) Ⅰ.知識 1 腫瘍内科の基礎 1)がん医療の現状と疫学について説明できる 2)腫瘍(良性・悪性)の定義について説明できる 3)発がんの機序について説明できる Ⅱ診断 1 がん診断の基本原則 1)がん診断のアプローチ・考え方について理解し実践できる 2)がんの主要徴候を診断し解釈できる 3)診断(病理・病期・画像・遺伝子)を行い治療方法の立案ができる Ⅲ治療 1 管理・治療の基本 1)がん治療の基本原則について説明できる 1)-1 薬物療法、放射線治療、手術療法、緩和医療の適応について理解できる 1)-2 早期がん、進行がん、治癒、延命といった病状に応じたがん治療の目標について理解 できる 2)抗悪性腫瘍薬の分類・作用機序について理解できる 3) がん薬物療法(生物学的製剤を含む)の意義・目的について説明できる 4) がん薬物療法の副作用と支持療法について理解し実践できる 5) チーム医療とリスクマネージメントについて理解し実践できる 6) 緩和医療について診断早期から実践できる 7) 腫瘍随伴症候群について判断し対応できる 8) オンコロジーイマージェンシーの対応ができる 2 各種がんの薬物療法 1) 骨転移の薬物療法について実践できる 2) 主治医ないし院内コンサルテーションにて抗悪性腫瘍治療が実践できる 3) 外来にてがん薬物療法を施行し安全に管理ができる 研修内容 1. 指導医とともに入院患者約 5-15 例の診療にあたる(将来、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専 門医の取得を目指す場合はより多くの例を受け持つことは可能)。 2. 指導医の外来診療を見学し、習熟度次第で外来抗がん剤の患者を受け持ち、治療及び (ア) 副作用管理を行なう。 3. 腫瘍内科医として必要な処置(胸腔穿刺、胸腔ドレーン挿入、腹腔穿刺、中心静脈カテーテル 挿入、PICC カテーテル挿入、腰椎穿刺など)を指導医のもとで行い習得する。 4. 日中救急外来を受診する当科のがん患者の初期対応や、各科を受診するも原発が明らかでな いがん患者のコンサルトがあった場合にトリアージを行なう。 5. 他科からの化学療法についてのコンサルトに、指導医とともに対応する。 6. がん終末期患者の身体・精神的苦痛緩和や療養の場の選定、インフォームドコンセントを指 導医とともに行っていく。 7. 希望があれば、緩和ケアチームや化学療法室で研修を受ける。 学習方法(LS:Learning Strategy) 1. 指導医・上級医とともに入院患者を受け持ち、診療を担当する。 2. 指導医のもとで習熟度に応じて手技や処置を行なう。 3. 指導医のもとで、がんの病名、抗がん治療の選択肢やそのベネフィット及びリスク等について 患者に説明し、必要に応じて予後についても告知を行なう。 4. 週 1 回の腫瘍内科・血液内科カンファレンスで担当患者のプレゼンテーションを行なう。 5. キャンサーボードで症例のプレゼンテーションを行い、院内多職種とのディスカッションを 行なう。 6. 身体・精神的苦痛に対する緩和ケアを行なう。 7. 指導医・上級医の指導のもと学会発表、論文作成を行なう。 週間スケジュール 月 火 7:30 午前 水 木 内科医局会 病棟/外来 病棟/外来 病棟/外来 病棟カンファレン ス 12:30 金 英語論文抄読会 病棟/外来 午後 病棟/外来 病棟/外来 病棟/外来 ○腫瘍内科・血液 病棟/外来 内科合同カンフ ァレンス ○腫瘍内科・血液 内科合同回診 17:00 キャンサーボード 化学療法委 (2 回/月) 員会 (1 回/月) 研修評価 研修終了時に、指導医が後期研修医の評価を行い、後期研修医も自己評価及び研修診療科と指 導医を評価する。
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