先生・保護者用 解 説 くすり研究所 研究棟 “学ぶ・調べる”コンテンツ 2階 開発室 くすりの開発 先生・保護者用 解説 2011年1月 発行 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会 研究棟 2階 【開発室 くすりの開発】-1 先生・保護者用 新しいくすりが開発されるまで 解 説 このページのテーマと関連情報です。授業での導入の話題や補足説明として、ご活用ください。 テーマ 新薬とは新しい成分のくすりで、長い研究開発期間をかけて、有効性・安全性が確認された後、国の承認を受けて発売される医薬品のことを言います。 日本において、「新薬」を1つ開発するには、9年~17年もの時間と、多額の費用がかかると言われています。 画面 話題 現在の日本では、新しいくすりを1つ開発するために9年~17年の時間と、数百億から、 場合によっては一千億円もの費用がかかると言われています。 しかし、たくさんの時間と費用をかけても新薬の開発成功率は、約31,064分の1(製薬協調 べ)。新薬の候補物質が約31,064個あったとしても、長い年月をかけて有効性や安全性な どのテストを繰り返すうちに、どんどんふるい落とされ、最終的には1個しか残りません。 それだけ長く厳しい試験に耐えて、ようやく完成したくすりだからこそ、患者さんが安心して 使うことができるのです。 ◆参考URL◆ さらに詳しい情報・関連情報はこちら 製薬協ガイド2010 長い年月をかけて創られ育てられる安全で効果の高い新薬 http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/guide/guide10/10guide_05.html 製薬協 1/20,000 新薬の開発は大きな夢への挑戦です http://www.jpma.or.jp/event/campaign/campaign2009/ 製薬協 くすりの情報Q&A55 「Q33 1つのくすりを開発するのに、どれくらいの年月がかかりますか。」 http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/info_qa55/q33.html 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会 研究棟 2階 【開発室 くすりの開発】-2 新薬開発のステップ① 基礎研究(2~3年) 先生・保護者用 解 説 このページのテーマと関連情報です。授業での導入の話題や補足説明として、ご活用ください。 テーマ ステップ1:新薬開発は、くすりのモトとなる新規物質の発見と創製から始まります。 画面 話題 患者さんや家族の負担を軽減したくすりは、ほかにもあります。 手術せずに胃潰瘍を治療 1970年代に胃酸の分泌を抑えるH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)が、さらに1990年代には より強力な抑制作用をもつプロトンポンプ阻害薬が開発され、胃潰瘍の治療は入院・手術 の必要がほとんどなくなり、患者さんの身体的・経済的負担はもとより、国民医療費抑制に も貢献しています。 ぜんそくの発作をコントロール 1980年代にぜんそくの原因となる気道の炎症に対して、有効性と安全性が高い吸入ステ ロイド剤や簡単に使用できる吸入補助用具が開発され、ぜんそくの発作をコントロールす ることができるようになりました。 患者さんの生活の質をさらに高めるために、新薬の研究開発はこれからも続きます。 ◆参考URL◆ さらに詳しい情報・関連情報はこちら 製薬協 1/20000 新薬の開発は大きな夢への挑戦です http://www.jpma.or.jp/event/campaign/campaign2009/ 製薬協 さまざまな医療ニーズに応える革新的な医薬品が数多く誕生しています http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/guide/guide06/06guide_04.html 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会 研究棟 2階 【開発室 くすりの開発】-3 新薬開発のステップ② 非臨床試験(ひりんしょうしけん)(3~5年) 先生・保護者用 解 説 このページのテーマと関連情報です。授業での導入の話題や補足説明として、ご活用ください。 テーマ ステップ2:くすりとして可能性のある物質の有効性と安全性を確かめるために、動物や培養細胞を用いて非臨床試験を行います。 画面 話題 新薬開発には長い年月が必要です。さらに、安全性と効果を追求するため多額の研究開 発費が必要となります。製薬協に加盟している大手20社の研究開発費比率は平均で 14.6%となっており、医薬品産業としての開発費比率でも10.95%と他の産業に比べ、際立っ て高くなっています。 ◆参考URL◆ さらに詳しい情報・関連情報はこちら 製薬協ガイド2010 日本の製薬産業-その規模と研究開発力- http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/guide/guide10/10guide_07.html 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会 研究棟 2階 【開発室 くすりの開発】-4 新薬開発のステップ③ 臨床試験(治験)(3~7年) 先生・保護者用 解 説 このページのテーマと関連情報です。授業での導入の話題や補足説明として、ご活用ください。 テーマ ステップ3:非臨床試験を通過したくすりの候補が、安全でヒトに効果があるかどうかを調べる臨床試験を行います。 画面 話題 治験は、患者さんの自由な意志に基づく文書での同意がないと始められません。医師から治験の目 的、方法、治験に参加しない場合の治療法、「くすりの候補」の特徴などが書かれた「説明文書」を手 渡され、その内容が詳しく説明されます。参加することに同意したら、「同意文書」に患者さんと治験 を担当する医師が自筆で署名し、控えと説明文書が患者さんに渡されます。この「説明と同意」のこ とを、インフォームド・コンセントといいます。 説明文書に書かれていること • 治験の目的、治験薬の使用方法、検査内容、参加する機関 • 期待される効果と予想される副作用 • 治験への参加はいつでもやめることができ、不参加の場合でも不利益は受けないこと • 副作用が起きて被害を受けた場合、補償を請求できること • カルテ、検査結果などの医療記録を、治験を依頼した製薬会社、厚生労働省、治験審査委員会の 担当者が見ること • 担当する医師の氏名、連絡先 • 治験に関する質問、相談のための問い合わせ先 ※説明文書に記載すべき内容は、GCP(Good Clinical Plactice、医薬品の臨床試験の実施の基準) で定められています。 ◆参考URL◆ さらに詳しい情報・関連情報はこちら 製薬協 治験とは http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/chiken.html 製薬協 インフォームド・コンセント http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/chiken_03.html 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会 研究棟 2階 【開発室 くすりの開発】-5 新薬開発のステップ④ 承認申請と審査(1~2年) 先生・保護者用 解 説 このページのテーマと関連情報です。授業での導入の話題や補足説明として、ご活用ください。 テーマ ステップ4:厚生労働省への承認申請を行い、専門家による審査を受けます。 画面 話題 新薬は、長い研究開発期間をかけて、新しい成分の有効性・安全性が確認された後、国 の承認を受けて発売されます。開発した製薬企業には発売後も一定の期間(再審査期間)、 有効性・安全性について確認することが義務付けられています。 再審査期間が終了し、新薬の特許権存続期間が満了すると、新薬と同じ有効成分の医薬 品を「後発医薬品」として他の製薬企業が製造・販売できるようになります。 ◆参考URL◆ さらに詳しい情報・関連情報はこちら 製薬協ガイド2010 「長い年月をかけて創られ育てられる安全で効果の高い新薬」 http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/guide/guide10/10guide_05.html 製薬協ガイド2010 「私たちの身の回りのさまざまなくすり」 http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/guide/guide10/10guide_04.html 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会 研究棟 2階 【開発室 くすりの開発】-6 くすりはどうやって製造するのですか? 先生・保護者用 解 説 このページのテーマと関連情報です。授業での導入の話題や補足説明として、ご活用ください。 テーマ みんなが安心して使える安全なくすりを作るために、くすりの製造・出荷は厳しい法規制の下で管理されています。 くすりは出荷した後も定期的に品質チェックなどが行われています。 画面 話題 品質の良いくすりを作るために、くすりの製造・出荷の各過程において、以下のような厳しい基準が 定められています。 ■GMP(Good Manufacturing Practice) GMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)は、くすりの製造業者に対して定められてい る基準です。 原料の保管、品質チェック、製造工程中の中間製品の品質検査による工程管理、最終製品の品質 検査・保管などのマニュアル化が行われることが基本となっていて、これらの基本を守ることにより、 高い品質が確保されています。 ■GQP(Good Quality Practice) GQP(医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理に関する省令)は、くすりの製造販売 業者に対して定められている基準です。 医薬品市場に対し、最終的責任を有する製造販売業者が、製造所のGMP遵守を管理・監督すること、 品質の確保された医薬品などを市場に出荷すること、流通後の医薬品等の品質を確保すること、そ れらのことを適切に実施するために必要なシステムの構築をすることなどが定められています。 ◆参考URL◆ さらに詳しい情報・関連情報はこちら 製薬協 くすり情報Q&A55 「Q38 くすりの品質はどのように確保されているのですか。」 http://www.jpma.or.jp/medicine/med_qa/info_qa55/q01.html 中外製薬HP http://www.chugai-pharm.co.jp/profile/town/kenkyu-3.html 楽しく学ぼう!くすりのこと くすり研究所 ~小中学生のためのくすり授業~ http://www.jpma.or.jp/junior/kusurilabo/ 日本製薬工業協会
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