でCO2削減量に 応じて琵琶湖の固有種

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「カーボンニュートラルローン 未来よし」でCO2削減量に
応じて琵琶湖の固有種「二ゴロブナ」を3万匹放流
活動団体名
ねらい
株式会社 滋賀銀行
「お金の流れで環境を変える」太陽光発電システム
等の導入により二酸化炭素の削減を促すため「金
融」の面からお客様をサポート、加えて「ニゴロブ
ナ」放流事業へ資金を拠出し、琵琶湖の環境と生態
系を保全し、CSRを追求しようとの取り組み。
取り組み・活動の内容 およびアピールポイント
「カーボンニュートラルローン 未来よし」は平成19年4月に琵琶湖の環境と生態系の保全によ
り、CSRを追求しようという新たな取り組みとして取り扱いを開始した商品です。
お客さまが当行の環境関連融資商品である①「エコ・クリーン資金」②「琵琶湖原則支援資金
(PLB資金)」③「エコ&耐震住宅ローン」④「セレクトリフォームローン(エコ&耐震)」を活用して
「太陽光発電システム」等を導入し、それによる地球温暖化ガス(CO 2)327tの削減量(1世帯当
り1,148kg/CO2)に見合う金額を「EU排出権取引価格」(二酸化炭素排出権購入に必要な金額・
3,792円/t)を参考に当行が試算し、琵琶湖の固有種「ニゴロブナ」放流費用として120万円を拠
出したものです。なお、お客さまのご負担は一切なく、商品ごとに実施している優遇金利(0.2%~
1.2%)から、さらに金利を0.1%優遇するこの商品は、二酸化炭素削減のために太陽光発電シス
テムの導入を検討されているお客さまへ金融の面からサポート、導入の後押しをする商品となっ
ています。
ひと目でわかる放流効果~「ふなずし」の振興も次の段落へ放流される3万匹の「ニゴロブナ」は、
内耳の「耳石」に特殊な色素で染色し、識別できることから、一定期間後にサンプリング(捕
獲)して繁殖状況などが確認できます。また、「ニゴロブナ」の増殖により「ふなずし」など湖国の
食文化(スローフード)を守り、振興しようとの願いも込めております。
第2次長期経営計画で「CO2 排出量6%削減」を掲げ、地球環境保全に取り組んでおります。(3ヵ
年計画04/4月~07/3月)<2000年度比9.94%削減(CO 2/822t)いたしました>
具体的取組内容(CO2/t)
①省エネ活動588t②植樹活動125t③本業を通じたCO 2 削減69t④自社車輛の環境対応車へ
の切替39t
取り組み活動の特色
地域特性
琵琶湖の固有種「ニゴロブナ」は今年の8月に、野生生物の絶滅危惧種としてレッドリストに登録
されています。「ニゴロブナ」の放流・増殖の資金を拠出することにより、琵琶湖の生態系を保全
するとともに、「ふなずし」などの湖国の食文化(スローフード)を守り、地産地消と食育につなが
る、滋賀県ならではLOHASな取り組みを展開しています。
独自性
当行独自の滋賀県版・排出権取引により、環境保全のシンボル・琵琶湖の生態系を保全。
カーボンニュートラルの考え方で、お客さまの太陽光発電システム導入等による二酸化炭素削
減量を金額換算。お客さまには、優遇金利からさらに金利を優遇、お客さまのご負担なしに、当
行が資金を拠出。
各主体の連携
お客さまが太陽光発電システム等を導入したことによる二酸化炭素削減量を「EU排出権取引
価格」を参考に、「ニゴロブナ・ホンモロコ増殖事業」を展開する財団法人滋賀県水産振興協会
に当行が資金を拠出。三者が一体となり、地球環境保全と、“未来からの預かりもの”である琵
琶湖の環境保全に貢献することができる。近江商人の経営哲学「三方よし」(売り手よし 買い
手よし 世間よし)に「環境よし(未来よし)」の「四方よし」をイメージした商品。
事業継続性
環境問題への意識が日に日に高まっており、今後も太陽光発電システムなどの省エネルギー
器具へのシフトは確実に展開されていくと考えられます。新たにシステムを導入するにはお金
がかかります。銀行が本業である金融面からサポートするということは、お客さまにとってもメ
リットの高いことであり、事業の継続性も高いと思われます。
事業発展性
現在は、カーボンニュートラルローンの対象となる商品が、太陽光発電システム等による二酸
化炭素削減効果があるものに限定されていますが、今後は、同じように二酸化炭素を削減でき
るものへの融資など、商品の対象を広げていくことは可能と思われます。また今後、日本におい
ても排出権取引が生活に身近なものとなれば、現在の金利インセンティブから、排出権をお客
さまに提供する形に事業を発展させることも可能と思われます。
CO 2 削減効果
平成18年度の対象となる商品は、合計104件のご利用があり、CO 2 排出削減量で約327tの削
減効果がありました。日々、関心が高まっている地球温暖化防止への取り組みですが、金融機
関ならではの取り組みとして太陽光発電システム導入等に優遇金利を実施することで、導入を
検討されているお客さまへ大きな後押しができるのではないかと思います。また、利用されるお
客さまが増加するとともに、二酸化炭素の削減量の増加も期待できます。
「カーボンニュートラルローン 未来よし」取り組みの流れ
お客さま
①太陽光発電
システムの導入
②通常のエコ金利
優遇に加え、さらに
0.1%優遇
滋賀銀行
②カーボン
ニュートラル
ローンの利用
③削減されたCO2
327tを排出権と
して、当行独自の
算出方法で算出し
擬似的に購入
⑧放流効果の公表
食文化の保存・啓発
滋賀県水産振興協会
④放流資金
120万円
を拠出
⑦放流効果
「ふなずし」
⑤ニゴロブナを
3万匹放流
⑥放流効果の調査
「ふなずし」の原料
として利用
嘉田知事に目録を贈呈する髙田頭取(平成19年6月)