想定外に弱い第 2 四半期 GDP 成長率: 消えた 9 月利上げの可能性

ウィークリーコメント: ジェレミーJ.シーゲル教授
Weekly Commentary by Professor Jeremy J. Siegel
想定外に弱い第 2 四半期 GDP 成長率:
消えた 9 月利上げの可能性
2016 年 7 月 29 日(金)10:10 PM EST
9 月利上げの可能性は消えた。また、まだかなり先の話だが 12 月の実施も難しいかもしれない。本日発表された、失
望を誘う第 2 四半期 GDP データは、筆者がここ 2 年間繰り返し取り上げてきたテーマを浮き彫りにした。すなわち、
GDP がほとんど増加していない状況下で、どうやって月間 20 万人あるいはそれ以上雇用を増やすことができるのだろう
か。より的確に言えば、世界金融危機が起こるまで 60 年以上にわたって年間 2.2%のペースで伸びてきた生産性が、
なぜ長期的にマイナス圏で推移しているのだろうか。数週間前、エコノミストは第 2 四半期成長率を約 2.5%と見込
み、5 月の非常に弱い雇用統計が労働時間の大幅減少を示唆した時点では、生産性の伸びはプラス領域に回復する
と考えられていた。もはや、そうではない。6 月の好調な雇用統計と実質 GDP 成長率が 1%台で推移していることか
ら、生産性の伸びは、次の四半期もマイナス圏にとどまると推測される。
現在、この点が最大のマクロ経済面での課題である。経済成長が低迷しているのは行き過ぎた規制のためだろうか?
我々はデジタル経済を過小評価しているのだろうか?低調な GDP の主因は投資分野なのだから、研究開発費
(R&D)を投資項目に加えれば問題は解決するのだろうか?答えは分からない。しかし、政策の方向性をよりよく把握
するためには、難しいとはいえ答えを見出す必要がある。
FOMC 会合の結果は予想通り。11 月の大統領選後の利上げの準備体制を視野に入れたものだった。そもそも、9 月
の実施が考慮されていたとは非常に疑わしい。そうでなければ、声明文はもっとタカ派的なものになっていたであろう。筆者
は FRB が 9 月までに、経済は「正常な」金利政策の再開に十分な成長を遂げていると発表するとみていたが、今朝発
表の第 2 四半期 GDP データを見るとこの点は疑わしい。経済が適切に機能するために FRB が最低必要と考える
GDP2%台の実現に向けて、下期に平均 3%超の成長率を達成するのはまず無理であろう。たしかに、本日発表され
た予想外に低調な GDP データの項目を見ると、在庫の取り崩しがデータを 1 ポイント強押し下げるなど、今後の成長加
速に寄与する要素がある。ただし今回、有力なエコノミストの大半は依然として今四半期の成長率は 2-2.5%にとどま
ると予測しており、これは年間成長率 2%を達成するにはほど遠い水準である。
ジェレミー・シーゲル教授は WisdomTree Investment, Inc ならびに WisdomTree Asset Management, Inc の上級投資戦略アドバイザーを務め
ています。本資料はシーゲル教授の現時点でのリサーチおよび見解を掲載したもので、変更の可能性があります。本資料は特定の取引戦略の採用、またいか
なる投資商品の勧誘あるいは売買を推奨するものではありません。本資料で提供した情報を利用するにあたっては、あらゆるリスクを考慮してください。特に明
記されていないかぎり、解釈や調査結果は必ずしもウィズタムツリーあるいはその関連会社の見解を示すものではありません。
過去のパフォーマンスは、将来の結果を示唆するものではありません。指数に直接投資することはできません。
WisdomTree(www.wisdomtree.com)には本レポートの原文、WisdomTree ETF に関するさらに詳細な情報等が掲載されておりますので、必要に
応じてご参照下さい。本書と原文(英文)との間に相違がある場合には、原文(英文)の内容が優先しますので、正確な情報が必要な場合は原文をご
参照下さい。
ウィークリーコメント: ジェレミーJ.シーゲル教授
Weekly Commentary by Professor Jeremy J. Siegel
株式市場は足踏み状態にある。多くの企業の第 2 四半期収益は下方修正値を上回ったが、今後の会社計画は精彩
を欠く内容である。実際、低い低水準の VIX 指数も、株式とっては短期的には好ましくない状況であり、狭いレンジ内で
推移している市場は過去最高値に近づいている。よほど良好なニュースが出てこないかぎり、株価が 5%程度調整しても
意外ではない。
ジェレミー・シーゲル教授は WisdomTree Investment, Inc ならびに WisdomTree Asset Management, Inc の上級投資戦略アドバイザーを務め
ています。本資料はシーゲル教授の現時点でのリサーチおよび見解を掲載したもので、変更の可能性があります。本資料は特定の取引戦略の採用、またいか
なる投資商品の勧誘あるいは売買を推奨するものではありません。本資料で提供した情報を利用するにあたっては、あらゆるリスクを考慮してください。特に明
記されていないかぎり、解釈や調査結果は必ずしもウィズタムツリーあるいはその関連会社の見解を示すものではありません。
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