観音寺報 - 千葉県我孫子市 曹洞宗 観音寺ホームページ jiminzan.com

平成27年度観音寺護持会会計報告
施食会号・平成28年8月17日発行
観音寺報
収入の部
項
目
金
前年度繰越金
額
備
2,488,975
日秀区より助成金
25,000
会費
718,000
預金利子当
437
計
考
我孫子市日秀90 慈愍山観音寺
住職 安本正道
04-7188-2244
http://jiminzan.com/
前年度からの繰越金
助成金
檀信徒からの護持会費
利息
教
教区
区護
護持
持会
会総
総会
会が
が開
開催
催さ
され
れま
まし
した
た
JA 貯金
「護持」とは「しっかり守って保つこと」を意
3,232,412
味します。菩提寺を守っていくのが寺院護持会で、
戦後の農地解放によって経済的基盤を失った寺院
支出の部
項
目
金
額
備
を救済するため曹洞宗宗⾨で結制が促進され普及
考
宗費賦課金
320,558
宗務庁、宗務所への宗費宗務費、護持会費等
してきたとされています。寺院護持会のほかに、
火災保険掛金
340,042
本堂火災保険
「教区護持会」
「宗務所護持会」「宗⾨護持会」が
営繕修理
181,440
庫裏畳替
あります。
計
842,040
千葉県内の曹洞宗寺院は16の地区に分けら
れ、そのうち、野⽥市・柏市・我孫⼦市の3市で
収入済額計
支出済額計
護持会・宗務費について
3,232,412
842,040
護持会宗務費でいただいた費用は、曹洞宗宗門および
観音寺の護持と宗風の宣揚に資するものです。「寺院の
建築物、施設の営繕」「寺院賦課金の支弁」「法要・行事
の資金の支弁」「寺族の福祉保護・子弟の育英」「檀信徒
研修会への参加補助」など、住職の宗教活動を側面から
強力にバックアップするものです。現在はもとより、未
来の子々孫々に至るまで檀信徒各家のご先祖と観音寺を
守るため、ご協力いただいております。
構成される地区を第2教区といっています。
この地域の曹洞宗寺院を守り⼦々孫々へと伝承
してきくため、協⼒し合っていく組織が教区護持
会です。
この教区護持会の総会及び⼈権学習会が、去る
5⽉28⽇(⼟)に観⾳寺で催されました。毎年
収支差引額
2,390,372
輪番で開催されているので15年ぶりの開催でし
差し引き額は次年度
へ繰越
2,390,372
た。
め尽くされました。
開催にあたり、まず仏祖諷経として、ご本尊様に
全員で般若⼼経を読誦し、議事では年間の⾏事予算
等が審議可決、さらには差別問題を取り上げだ DVD
教材をもとに⼈権の学習を合わせておこないまし
た。
差別のない社会を全員で念じつつ散会となりまし
た。
他人の過失を見るなかれ
他人のしたことと
しなか たことを見るな
ただ 自分のしたことと
しなか たことだけを見よ
▼前号でもお知らせのとおり、本堂の老朽化が進み悲鳴を上げています。そろそろ再建準備。
「法句経」
す。
言い争いに終止符を打つためには、
とはいえ、無事一定期間の修行生活がこなせるだろうか、やはり親心も隠しえないところで
相手の欠点を見ないこと。
の修行が行われている・・・。そこに弟子が仲間入りをさせていただく。師匠と弟子の関係
相手の欠点の中には、自分の欠点が
自分の上山時の思い出がよみがえってきます。今も福井の深山では変わらず雲水たちの日々
写っていると思うこと。
▼来年春に上山予定で、準備として持ち物(布団や衣類等)を揃えながらチェックしていると、
今日こそ自分のしたことと、
月の一か月間東京別院にお世話になっています。
ネルケ無方老師の著書より
はあるものの、身のこなしや威儀の整え方などの勉強のため、7月中旬に4日間の参禅、8
ドイツ人禅僧
▼弟子、大本山永平寺及び永平寺東京別院に参禅体験。来年春には永平寺に修行に上山予定で
しなかったことを省みよう。
【後記】
狭い本堂は50名を超える各住職と役員さんで埋
と
く
は
ふ き ょ う
け っ せ い
特派布教を拝聴
「いのち」を生かしあう社会の実現を願う
同事
会、本年は柏市の長榮寺さまで開催
されました。住職が参加しお話を拝
海の水を辞せざるは
どうじ のおさとしに学ぶ
修証義 に
同 事なり このゆえによく水あつまりて
海となるなり と説かれています
いかなる水も 拒 まない海の姿が 同
事 です
一 人ひとりの悲しみや苦しみを受け
止めあい 支えあう同悲・同苦の生き方
であり すべての人や物の間に垣根を作
らない和合の行き方です
日 々 他を思いやり共に生きる菩 薩
「曹洞宗管長のおことば」より
の請願を実践してまいりまし う
毎年恒例で行われている特派布教
結制法要を修行します
平成28年11月4日(金)
曹洞宗の僧侶がお寺の住職となるためには、幾つかの
決められた過程(修行)を行なうことが必要です。
第一には得度(とくど)。師匠である住職に僧名をもらい、
聴してまいりましたので、その感動
その弟子になります。
のお話の内容をお伝えします。
その後、修行僧の集団の中で首座(しゅそ)をつとめます。
布教師さまは宮崎県からお見えに
いわば修行僧のなかのリーダーとなるわけです。首座は修
なった澤 英俊 老師。布教師様ご自
行期間のはじめに、他の雲水たちと禅問答を繰り広げる「法
身が柔道家であるため、その巨漢体
戦式(ほっせんしき)」といわれる儀式を行ないます。これ
型(150 ㌔と仰っていました)にふれ、
が第一の出世である立職(りっしょく)です。
「普段は140㌔代なのに千葉県に
これが済むと、師匠から嗣法(しほう)という儀式を受
来て美味しい物を沢山頂き、150
け、受け継がれてきた曹洞宗の真の教えを受け継ぎます。
㌔になってしまいました」と笑いを誘っていました。
次は瑞世(ずいせ)、本山である永平寺(えいへいじ)と總持寺(そうじじ)に拝登し、一夜住職
ご法話にはいって、ご自身の地元の話題をとりあげられました。
をつとめるという儀式、第2の出世転衣(てんえ)です。
大きな体を左右に振り、ゆっくりと話し始められました。「皆さん、3.11東日本大震災の一年前
瑞世を終えると、それまでの墨染めのお袈裟から、色つきのお袈裟をつける資格を得、和尚と呼ばれ
に何があったか、覚えていらっしゃいますか」と静かに聴衆に問いかける・・・。皆は「はて?」と
るようになります。
いう顔をしているところに、「2010 年 3 月頃発生し、2010 年 7 月 4 日の終息確認まで、宮崎県で発生
第3の出世は、建法幢(けんぽうどう)といい結制修行を行ないます。
した牛、豚、水牛の口蹄疫の流行です。」と、約 29 万頭を殺処分した話題を話されました。
多くの修行僧を指導して、仏法の旗じるしを建て結制修行を行なうと、大和尚の位に進み、はじめ
布教師様がお檀家さんの年忌法要に出向いたところ、殺処分された家畜の供養を依頼されました。
最初は人間の供養と家畜の供養とを同じくすることに戸惑いを感じたそうです。しかしその殺処分の
状況、現実を目の当たりにしたとき大変なショックをうけられたそうです。
て緋色(朱色)の衣を着用できるようになります。
結制とは、結集の〈結〉と制度の〈制〉とを熟語にしてできたもので、もともとは、お釈迦さまが
定められた制度や制約に従い大勢の修行僧が一ヶ所に結集(けつじゅう)することを指していました。
殺処分には劇薬を注射するそうですが、通常は大きな牡牛でも注射一本でバタリと倒れ即死するら
ちなみに新しい住職がお寺に入る儀式を晋山式(しんさんしき)といい、多くは本堂新築や建物の
しいのですが、一頭の牝牛が死を察してか、潤んだ目をしている。一本注射する、倒れるが呻きなが
落慶、住職の新任などと併せて行われることが一般的のようですが、来年弟子が本山の永平寺に修行
ら立ち上がる。更に追加で注射する。また倒れるが、
に上山する予定であること、現住職は平成元年に晋山式は既に済ませていることから、急遽、結制の
足を痙攣させながら立ち上がる・・・。大きく見開
法要を行わせていただくこととしました。
いた目の先にはつい数日前生まれた子牛の姿が・・・。
本来であれば、檀信徒の皆様にお声掛けし多数ご参列いただ
子牛を守ろうと必死に生きようとする母牛の姿にふ
くべきところですが、皆様にご負担をかけてしまうこと、現状
れ、畜産関係者と同じ気持ちになれていない自分を
の本堂と境内のみで行うことで収容人数に限りがあることな
感じ恥じたこと、心を重ね合うことの大切さを感じ
どの理由から、お寺様方も近隣のみ、来賓も寺役員のみで挙行
られたことを話されました。
させていただくこととしました。
柔らかい心を持ち、お互い受け入れあうこと、
相手の立場に心を重ね合うことの大切さが「同事」
行に通ずるとし管長さまのお言葉に結ばれました。
法要の内容はあらためてご報告させていただきます。どうぞ
ともに願い、ともに寄り添い、ともに歩みましょう
よろしくお願いいたします。