問いのアトリエ 中岡晃也(タイワビト主宰)

■ワークショップ 5■ 問いのアトリエ キーワード:自分の問い、問いの協働生成、問いの進化、表現活動としての問いづくり 中岡晃也(タイワビト主宰) 本ワークショップは、参加者一人一人が、自分の問いをつくり、見せ、そして、その問いが、
よ り 自 分 自 身 が 問 い た い 問 い に な る よ う に と も に 進 化 さ せ て い く ワ ー ク シ ョ ッ プ で す 。 本ワークショップは一般的な哲学カフェに見られるような「一つの問いについて、哲学対話を
す る 」と い う 活 動 で は な く 、参 加 者 一 人 一 人 が 自 分 自 身 の 問 い を 立 て る /つ く る こ と を ね ら い と
し て い ま す 。タ イ ワ ビ ト( 中 岡 主 宰 の 団 体 )の 一 つ の 活 動 と し て 、2016 年 5 月 か ら 月 に 2 回 ほ
ど の ペ ー ス で ( 毎 月 、 新 月 と 満 月 の 夜 に ) 開 催 し て お り ま す 。 対話のための問いをつくるというのも楽しい作業ではありますが、本気で自分自身の問いをつ
くるとなると、その楽しさに加えて、日常では滅多に行われない類の省察や検討が必要となり
ま す 。 また、どんな問いが正しいか、どんな問いはまちがっているかとか、深い問いだとか浅い問い
だとか、一般的だとかそうでない、などの価値判断は断固として退けられます。重要なのは、
自分自身の問いたい気持ち、問いたいことが、どれだけ一つの問いに表現されているかどうか
です。自分の問いをつくるという行為は創造と洗練の作業です。わたしは暫定的に、自分の問
い づ く り を 「 精 神 の 彫 刻 」 と 表 し た り し て い ま す 。 自 分 の 問 い を 立 て て み た い 、自 分 の 考 え を 整 理 し た い 、心 の も や も や を ス ッ キ リ さ せ た い な ど 、
さ ま ざ ま な 背 景 を 持 っ た 参 加 者 を 歓 迎 し ま す 。 ひとりひとりの問いに集中することに多くの時間を費やすので、参加人数は限られますが、参
加 者 に 影 響 が な い カ タ チ で 人 数 が 許 す 限 り の 見 学 者 は 歓 迎 し ま す 。 みなさまとともに問いをつくっていけること、そして、その活動から考えられることを話し合
え る こ と を 楽 し み に し て い ま す 。 (なかおか・こうや) 1989 年 北海道生まれ。2009 年より「対話」に関心を持ち、研究と実践を開始する。300 を超えるさま
ざまなテーマのワークショップへの参加経験と実施経験から、社会問題の源泉を「非対話的な身体性」
と捉え、その糸口として「問い」に着目した活動(問いの教室、問いのアトリエ、問いのセッションな
ど)を 2015 年から本格化している。