応用ミクロ経済学試験結果と解答について

 2016 年 8 月 2 日
堀田 真理
応用ミクロ経済学
定期試験 解答と結果について
定期試験(7月 28日実施)の解答 (1問5点、計100点満点)
(1)D (2)B (3)B (4)C (5)C
(6)D (7)C (8)E (9)B (10)C
(11)D (12)(A) (13)E (14)D (15)D
(16)B (17)C (18)C (19)C (20)D
※
なお、すでに Toyonet-ACE を通じて周知のように、
(12)は問題に誤りがあっ
たため、全員正答として5点加算した。上記の解答Aは、当初、問題作成時に予
定していた解答である。
まずは、上記のように、試験終了直前になって問題訂正が判明したため、
5点加算という対応をとることになったが、受験者の皆さんにご迷惑をおかけ
したことをお詫びしたい。
試験結果の詳細はグラフに示した通りである。
平均点は 49.26 点(5点加算後の算定)であり、予想以上に低い結果となっ
た。高得点者が少なく、一方で極端に低い点数の割合も少なかったが、全体と
して点数が低く、平均点付近に集中していた。したがって、合格ラインについ
ては、当初の規定よりも大幅に引き下げ、40 点以上とし、その他の評価基準に
ついても引き下げた。平均点は低かったものの、授業内での演習問題や、補講
(5 月 5 日分)実施の内容に関わる部分など、本来、「出来るはず」と思われる
問題も存在していたことを考慮すると、これら 2 回分の提出に関する検討の対
象者は 30 点台のみとする。5 月 5 日分の補講については、Toyonet-ACE の閲覧
歴と提出状況について相互にチェックしたが、「閲覧歴なしでレポートは提出
している」、あるいは「閲覧歴はあってもレポートの提出はされていない」、な
ど、正確な状況が把握できない人も多く存在していた。また、設問(13)は、
授業内でおこなった演習問題(独占部分)とほぼ同様の問題を出題したが、
1
全体的な出来はそれほど良いとは言えない状況だった。
なお、今回の試験結果に際して、レポートなどの救済措置は予定していない。
出題した問題としては、配布した練習問題や授業内で説明した範囲内の内容
である。すでに、授業内では、授業の出席者への配慮からも、だいたいの出題
内容を周知しており、時間的な部分での対応が可能であれば、点数としてはあ
る程度、獲得できるのではないかと予想していたが、残念ながら平均点からも
明らかなように、良い結果には結びつかなかった。
全体的に、「ゲーム理論」に関する問題(16∼20)および、設問2,4,9
に関しては、良く出来ていた。一方で、正答率が低かった問題は、設問1.3.
5、6、8、10である。いずれも、操業停止点や損益分岐点の導出に関する
計算問題であり、同様の問題は練習問題や授業内での解説にもあったと思われ
るが、出来ていない人が多かった。特に設問1に関しては正答率が低かった。
簡単に解説を加えておくと、総費用=w×L=2Lとなるが、「費用関数」は、
「生産量Qとの関係」であるため、まずは生産関数を用いてLを、Qを用いた
Q2
と
2
変形できることから、総費用、すなわち総費用関数TCは2L= Q 2 となり、よ
形式に変形する必要がある。この問題の場合には、両辺を2乗して、L=
って選択肢Dが正しいことになる。
なお、今回、問題訂正が判明した設問12については、いくつかの修正の方
法が考えられるが、当初、問題作成時に意図していたのは、選択肢Aに関して、
「限界収入曲線は需要曲線の下方に位置する」であり、両者の関係を問う問題
のはずであったが、「上方」と記載してしまったため、「正答が見つからない」
という結果になってしまった。
他の問題に関しては、ここでは解説をしないが、再度、練習問題等を通じて
復習しておいてほしい。
この授業を履修した理由は、様々であろうが、昨年度の基礎ミクロ(資格取
得コース1)に引き続いて、公務員試験や中小企業診断士、証券アナリスト試
験など、資格対策クラスとしての位置づけにあることは、講義シラバスや初回
講義の際にも触れたはずである。公務員試験をはじめとして、資格試験におい
ては、微分の計算は必須であり、これらの計算が出来ないと、点数にならない
場合も多い。したがって、少なくとも微分の計算ができることは履修の際の目
安としていたが、微分が出来ない履修者も多かった。そうしたコースの目標上、
具体的な計算問題を中心とせざるを得なかった点は、やむを得ないのかもしれ
ないが、本当のところは、資格取得を考慮しない人にとっても、今回の授業を
2
通じて、基礎ミクロとともに、ミクロ経済学のほぼ全体像が理解できるように
配慮したつもりである。とりわけ「ゲーム理論」のテーマは、最近になって各
種試験においても焦点があてられている分野でもあり、経営学部の人にとって
は、興味深い分野であると思われる。また、今回の授業で扱うことのできた内
容は、一部分に過ぎないが、昨年度の基礎ミクロ(消費者理論)と合わせて、
重要な部分については説明をしたつもりである。扱わなかった内容についても、
各自での対処は可能であると思われるので、今回の授業が資格試験を目指す人
達にとっても、今後、何らかの指針となるのであれば幸いである。
(試験結果)
受験者数 402 人 最高点 100 点
未受験 22 人 最低点 10 点
履修総数 424 人
平均点 49.26 点
(成績優秀者) (※ 個人情報の関係上、学科と学籍番号のみの記載とする)
会計ファイナンス学科4年 1330130065 100 点
経営学科 4 年 1310130200 95 点
経営学科 4 年 1310130297 95 点
マーケティング学科 2 年 1320150110 95 点
マーケティング学科 2 年 1320150175 95 点
3
最高点
最低点
平均点
0
1
10
14
19
24
42
32
51
45
41
32
30
20
16
7
4
8
4
1
100点
10点
49.26点
累積 % 評価
.00%
.25%
E
2.74%
E
6.23%
D
10.97%
D
16.96% C/D
27.43% C/D
35.41%
C
48.13%
C
59.35%
B
69.58%
B
77.56%
B
85.04%
A
90.02%
A
94.01%
A
95.76%
S
96.76%
S
98.75%
S
99.75%
S
100.00%
S
応用ミクロ経済学
60
120.00%
50
100.00%
40
80.00%
30
60.00%
20
40.00%
10
20.00%
0
.00%
9
19
29
39
49
59
69
79
89
99
人数
人数
点数区間
9
14
19
24
29
34
39
44
49
54
59
64
69
74
79
84
89
94
99
100
頻度
累積 %
点数区間
※上記の点数分布および平均点は、問題訂正にかかわる5点加算後のもの
たとえば合格ラインの40点は、点数区間44点に相当する
受験者数 402名
未受験
22名
履修者数 424名
以上