2017 年2月1日 堀田 真理 経済学(ミクロ)① (木3) 定期試験 解答と結果について 定期試験(1月26日実施)の解答 (1)A (2)A (3)D (4)D (5)C (6)D (7)C (8)A (9)A (10)A (11)D (12)D (13)E (14)E (15)B (16)C (17)D (18)D (19)B (20)C (各5点 計 100 点満点) 試験結果の詳細は以下のグラフに示した通りである。 平均点は 57.01 点であり、平均点からすれば良い出来とは言えなかった。点 数の山は2つに分かれており、90 点以上の高得点者も多い一方で、40点∼6 0点あたりにも分布が断続的に集中している。40 点に満たない人も30%近く 存在していた。 今回は電卓以外の持ち込み条件を「不可」としたことで、授業に出席して理 解して試験に臨んだ人と、そのまま何となく試験を「受けただけ」の人との間 で、このような差異が生じたのではないだろうか。出題可能性のある問題につ いては、練習問題でも解説し、しかも最後 2 回の授業でも強調していたことを 考えると、ほぼ規定の点数通りで合格ラインを決めることも検討はしてみたも のの、グラフの分布から明らかなように、規定していた通常の合格ラインでは ほとんどの人が不合格となってしまうため、合格基準を 40 点まで下げた。ただ し、全体的にこれに伴い、若干の評価基準を下げているところもあるが、上位 者については、ほぼ規定通りのラインとしている。なお、今回の試験結果に際 しては、今後、レポートなどの救済措置は予定していない。 このコースが、あらかじめ初回の講義以来、「資格取得としての対策」を視野 に入れた授業であることを強調してきた。微分の計算や、限界代替率に関わる 偏微分など、初めてミクロを学ぶに際しては、難しい問題もあったと思われる が、後述のように、こうした計算問題について、むしろ全体的に良くできてい 1 た。公務員試験、中小企業診断士試験、証券アナリスト試験をはじめとする、 資格試験においては、微分や偏微分の計算は必須であり、これらの計算が出来 ないと、点数にならない場合も多いので、今後、そうした資格試験を目標とし ている人は、その点を考慮のうえで、対策を考えて欲しいと思う。 一方で、計算問題を重視した人が多かったのか、むしろ正しい文章に関する選 択問題(特に 2 章の無差別曲線)に関する出来が全体的に悪かった。練習問題 の中に、これらに関する公務員試験や証券アナリスト試験問題を取り入れて、 授業内での解説もしていたはずであったが、用語や概念の難しさが、多少の問 題の組み合わせを変えて出題したことで、混乱してしまった傾向があったので はないかとも思われる。 そうした具体的な計算問題はともかく、資格取得を考慮しない人にとっても、 今回の授業では「需要と供給」という経済学の基本的な部分を中心に説明をお こなってきたつもりである。また、2章における「消費者行動」については、 今回は試験範囲から除いたものの、スルツキー分解に関する内容など、本質的 な理解の上では重要な論点もあり、授業内でも触れたように、「無差別曲線」の 理論は、マーケティングや金融などの分野においても、その基本的な概念は必 要となる部分でもあった。 来年度の春学期からは「応用ミクロ経済学」が履修可能となる。こちらも、今 回のコースの続編として「資格取得」を視野に入れたものとなるため、問題演 習などが多くなるが、内容的には、企業行動、不完全競争(独占・寡占)、ゲー ム理論など、通常のミクロ経済学の後半部分にあたるところであり、合わせて 学習することで、はじめてミクロ経済学のほぼ全分野を学ぶことになる。また これらの分野になって、現実問題との関連性が見えてくるところも多く存在す るかもしれない。ある程度、練習問題を取り入れることも理解度を高めるため には重要な点でもあると思われるので、関心があれば検討してみて欲しいと思 う。 以下、正答率の低かった問題について、多少のコメントを記しておく。 (2)均衡の安定性に関する問題である。授業内でのコメントを聞いていた人 は、(図1)のような通常の需要曲線と供給曲線の組み合わせの場合には、ワル ラス的にもマーシャル的にも安定的であることは明らかであり、すぐに正答が 分かったのではないだろうか。 (15)他の選択肢から見ても、消去法により正答に辿りつくことは可能。 ただし、選択肢のBは、練習問題の中にも含まれていた選択肢。接線の傾きは 限界代替率であり、それは、「個人の限界効用の比」と等しくなる。 2 (16)良くみられる「特殊な無差別曲線」に関する問題。練習問題にも若干 は見られたが、むしろ授業内のレジュメにおいて時間をかけて説明したところ でもある。選択肢Eは「完全代替財」が正しい。 (17)問題訂正部分でもあったことが、多少の正答率を下げた可能性もある が、選択肢Dが正しいことは、通常の最適化理論を前提とすれば明らか。 (試験結果) 受験者数 112 名 最高点 100 点 未受験 16 名 最低点 5点 履修者合計 128 名 平均点 57.01 点 (成績優秀者) (※ 個人情報の関係上、学科と学籍番号のみの記載とする) 100 点 会計ファイナンス 1 年 1330160123 経営 1 年 95 点 1310160099 会計ファイナンス 1 年 1330160248 経営 1 年 1310160012 経営 1 年 1310160051 経営 1 年 1310160116 経営 1 年 1310160166 経営 1 年 1310160298 経営4年 1310130297 3 受験者数 112名 未受験 16名 履修者数 128名 1 0 3 4 8 11 7 7 3 6 6 6 8 5 4 8 8 8 7 2 累積 % 0.89% 0.89% 3.57% 7.14% 14.29% 24.11% 30.36% 36.61% 39.29% 44.64% 50.00% 55.36% 62.50% 66.96% 70.54% 77.68% 84.82% 91.96% 98.21% 100.00% 評価 E E E D D C/D C/D C C C C B B B A A A S S S 最高点 最低点 平均点 経済学(ミクロ1) 12 120.00% 10 100.00% 8 80.00% 6 60.00% 4 40.00% 2 20.00% 0 0.00% 頻度 9 19 29 39 49 59 69 79 89 99 頻度 人数 データ区間 9 14 19 24 29 34 39 44 49 54 59 64 69 74 79 84 89 94 99 100 点数 累積 % 100点 5点 57.01点 以上
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