2017 年 2 月 1 日 堀田 真理 コーポレートファイナンス論(金4) 定期試験

 2017 年 2 月 1 日
堀田 真理
コーポレートファイナンス論(金4)
定期試験 解答と結果について
定期試験(1月 27 日実施)の解答
(1)B (2)C (3)D (4)D (5)E
(6)B (7)A (8)C (9)C (10)C
(11)A (12)C (13)B (14)C (15)B
(16)D (17)D (18)E (19)B (20)B
(各5点 計100点満点)
試験結果の詳細は以下のグラフに示した通りである。
平均点は 51.09 点であり、予想以上に高得点者が少ない結果となった。分布
図から見られるように、このような極端な分布となったのは初めてである。一
方で、極端に点数の低い人数も少なく、結果として高得点者が少なかったこと
が全体の平均値を下げたということになるのではないだろうか。合格ラインの
基準値はもう少し高くても良いように思える結果でもあったが、平均点を考慮
して合格ラインを決める、と試験内でも伝えていたことから、40 点まで合格基
準を下げた。授業内で行なった3回の出席確認については、この合格ラインに
近い場合に限り考慮する。また上位者については評価の基準を下げた。
なお、不合格者に関して、今後レポートなどによる救済措置は予定していな
い。
今回の結果に関し、問題数の多さが少なからず影響を与えていたことは考え
られるが、計算問題については、練習問題とほぼ同じ問題を多く出題しており、
3章に関する問題については、比較的正答率は高かった。むしろ、正答率が低
かったのは、5章の配当政策を中心とした文章による択一問題のほうであった。
全体の出題内容としては、授業内で説明した範囲の内容であるが、全体として
の正答率は低く、高得点者の増加に繋がらなかった点は残念である。
「コーポレートファイナンス(企業金融)」は資格試験に限れば、中小企業診断
士や、証券アナリスト試験、さらには公認会計士などにおいても問われること
1
が多い分野である。練習問題の作成にあたっては、こうした資格試験への対応
も考慮に入れた。今年度はMM理論についても、最終回の授業においては、今
回の試験問題とも関連させながら、実際の問題としての出題形式についても触
れた。
授業内で紹介した新聞記事関連の資料からも明らかなように、とりわけ配当
政策や MM 理論の部分に関しては、伝統的な理論を背景にしつつも、現実には、
その時の経済状況に応じて、個々の企業に求められる意思決定も、それぞれ異
なってくるものである。この授業を通じて伝えたかったメッセージは多々あっ
たが、企業金融の全体像を現実の問題と結びつけながら、今後の各自の関心に
活かしていく1つの機会となることを期待したい。
比較的正答率の低かった問題は、以下の通りである。
(6) 3 章の練習問題において、こうしたタイプの加重平均資本コストの求め
方については強調して説明していた問題。FCF=60、前問題から企業価値
は500と求めているので、FCF/WACC=500にあてはめれば、すぐに
求めることができたはず。
(10)リアルオプションの基本的な問題。出題については、試験前にも予告
済みであったが、授業内のみでの説明であり、練習問題になかったこともあり、
出来は良くなかった。無リスク金利4%を用いて、100×1.04=180P+80
(1−p)より、リスク中立確率は、24%。立ち上げコストは変化しないため、
拡大NPVは、180 億−104 億=76 億より、76 億×0.24÷(1+0.04)=17.53
億となり、選択肢Cが正しいことが確認できる。
ただし、この問題は、ここまで計算しなくても、消去法により、この選択肢
を正答として導くことは、それほど難しいわけではなかったことにも気づいて
欲しかった。選択肢Dの「経営上のオプション価値」は選択肢Cの「拡大NP
V」よりも必ず大きくなるためである。
(11)選択肢Dとする誤答が目立った。IRR法は、正味現在価値=0とな
る割引率を求めて、加重平均資本コストとの比較で投資決定をする方法であり、
割引率は加重平均コストとは一致しない。正答は選択肢Aであったが、
「どのよ
うな場合でも」という問題上の表現がかえって混乱を招き、分かりにくかった
との指摘もあった。
(16)∼(20)に関しては、全体的に正答率が低かったが、授業内では強
調して解説済みの問題。レジュメの中には必ず記載部分があるはずなので、各
自で確認してみてほしい。なお(20)は最終授業で触れた問題である。選択
肢Dにおいて、授業時とは逆に、倒産コストにともない、負債コストが上昇す
2
る問題に変えたところが多少の応用論点であった。
(成績優秀者) (※ 個人情報の関係上、学科と学籍番号のみの記載とする)
95 点 会計ファイナンス2年 1330150183
会計ファイナンス2年 1330150198
会計ファイナンス2年 1330150240
80 点 会計ファインナンス 4 年 経営 2 年 経営 3 年 経営 2 年 1330130048
1310150228
1310140100
1310130297
(試験結果)
受験者数:129 名
未受験 :19 名
履修者合計:148 名
最高点:95 点
最低点:10 点
平均点:51.09 点
3
受験者数 129名
未受験
19名
履修者数 148名
0
1
1
4
8
9
8
11
11
12
17
14
8
10
8
4
0
0
3
0
累積 %
0.00%
0.78%
1.55%
4.65%
10.85%
17.83%
24.03%
32.56%
41.09%
50.39%
63.57%
74.42%
80.62%
88.37%
94.57%
97.67%
97.67%
97.67%
100.00%
100.00%
評価
E
E
E
D
D
C/D
C/D
C
C
C
B
B
A
A
A
S
コーポレートファイナンス
論
18
120.00%
16
100.00%
14
12
80.00%
10
60.00%
8
6
40.00%
4
20.00%
2
0
0.00%
9
19
29
39
49
59
69
79
89
99
頻度
人数
データ区間
9
14
19
24
29
34
39
44
49
54
59
64
69
74
79
84
89
94
99
100
S
点数
最高点
最低点
平均点
95点
10点
51.09点
以上
頻度
累積 %