院内がん登録システム論の理解のために(最低限、知っておかねばならないこと) 1. 院内がん登録とは 施設間で、がん診療の状況を比較するために行う。 そのためには、標準化された(定められた)方法で、実施する必要がある。 2. がん登録の業務 今後、国立がん研究センターが示す「院内がん登録運用マニュアル」に実際の業務手順が 記載されるので、それに従って、行うことが望ましい。 現状で知っておく必要があるのは、以下の業務の流れ。 1) 登録候補見つけ出し(Casefinding:ケースファインディング) 2) 情報の抽出・登録 3) 品質管理 4) 情報の付加 (生存状況情報などを追記、「診断根拠」は状況に応じて変更) 5) 集計・解析 データの活用が最終目的 * 以上の一連の院内がん登録の業務は、がん登録実務者が行うことが望ましい。 3.院内がん登録のソフトウェア 手順に従って、スムーズに行えるソフトウェアが必要 登録候補見つけ出し → 情報の登録 → 品質管理 → 情報の追加 → 集計 施設によって、一部の手順の変更が必要(システムに頼らず、検討すること) 4.院内がん登録の開始にあたって 1) 院内がん登録規程の策定を含めた体制整備を行う 責任部署を明確にすることが必要 登録情報の分析を行う組織(委員会やワーキンググループなど)を設置すること 2) 運用手順の検討 利用できる情報を洗い出す(患者の病名登録、病理検査をした患者などのリスト) 作業をどういう流れを行うか 3) 仮運用マニュアルの作成と試験運用 → 本稼働へ 検討した手順に従って、仮に運用マニュアルを作成 上記に従って、試験運用を 1 か月程度 → 問題点を洗い出して、実施へ 4) 品質管理と集計 院内がん登録全国集計の集計方法と同じように集計する。 集計結果を含めて、品質管理を行う。 5) 集計結果の分析検討 医師などを含めて、分析を行う組織で検討していく。
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