宿題 No.4 - 解答例 ( )

統計学 - 2016 年度前期
担当:蛭川雅之
宿題 No.4 - 解答例
2016 年 7 月 27 日
※正答は赤字、解説は(もしあれば)青字で印字してあります。
問1 ~ 問8
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。また、必要に応じて適当な数表を利用せよ。
米国イリノイ州警察は高速道路のある区間を走行する車両が速度を出しすぎて
いると疑っている。そこで、ある日の午後、この区間を走行する車両の中から
無作為に7台を抽出し、レーダーガン(=日本でいうスピードガン)で速度を
測定した。その結果は、
79, 73, 68, 77, 81, 71, 69(単位:マイル/時)
であった。この区間を走行する車両の速度は正規分布に従うと仮定し、車両の
速度の母平均および母分散に関する95%信頼区間をそれぞれ求めたい。車両7
台の速度の平均は( 問1 )、分散は( 問2 )であるから、母平均に関する95%
信頼区間は( 問3 )~( 問4 )、母分散に関する95%信頼区間は( 問5 )~
( 問6 )である。仮に警察がこの区間を走行する車両全体の速度の標準偏差を
5マイル/時であると経験的に知っているとすると、速度の母平均に関する95%
信頼区間は( 問7 )~( 問8 )となる。
問1:a. 73
b. 74 c. 75
d. 76
問2:a. 20
b. 21
d. 23
c. 22
標本平均および標本分散は以下の通りである。
79  73  68  77  81  71  69
 74 .
7
2
2
2
2
5 2   1   6   3 2  7 2   3   5 
 22 .
s2 
7
X 
問3:a. 69.3
b. 69.5
c. 69.7
d. 69.8
問4:a. 78.2
b. 78.3 c. 78.5
d. 78.7
母平均を  と表記すると、上の結果から
T7 
n  1 X   

s
7  174   
22

6
74   
22
1
が得られる。 T7 は自由度 7  1   6 のt分布に従うため、t分布表を利用し
て95%予言的中区間
2.447  T7  2.447
1
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を得る。これに(1)を代入すると、
6
74     2.447
22
 2.447 
となり、  について解くと、次のような母平均に関する95%信頼区間
(単位:マイル/時)が得られる。
74  2.447
問5:a. 8.8
問6:a. 57.0
b. 9.6
22
22
   74  2.447
 69.314    78.686.
6
6
c. 10.7
b. 70.7
c. 91.1
d. 12.0
d. 124.5
母分散を  2 と表記すると、
W7 
ns 2

2

7  22

2

154
2
が得られる。一方、 W 7 は自由度 7  1   6 のカイ二乗分布に従うため、
カイ二乗分布表を利用して95%予言的中区間
1.23734  W 7  14.4494
を得る。従って、
1.23734 
154
2
 14.4494
となり、これを  2 について解くと、次のような母分散に関する95%信頼
区間が得られる。
154
154
2 
 10.658   2  124.461.
14.4494
1.23734
問7:a. 69.3 b. 69.8 c. 70.3
d. 70.8
問8:a. 77.2 b. 77.7 c. 78.2 d. 78.7
条件より、標本平均 X は平均  、標準偏差 5 / 7 の正規分布に従うことが
わかる。標準化した統計量 X  / 5 / 7 が標準正規分布に従うことを利


用して、95%予言的中区間
1.96 
を得る。 X  74 であるから、
2
X 
 1.96
 5 
 
 7 
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1.96 
74  
 1.96
 5 
 
 7 
となり、これを  について解くと、次のような母平均に関する95% 信頼
区間(単位:マイル/時)が得られる。
 5 
 5 
74  1.96
    74  1.96
  70.296    77.704.  7
 7
問9 ~ 問11
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。また、必要に応じて適当な数表を利用せよ。
あるコンビニエンスストアが販売する幕の内弁当のカロリーは650kcalと表示さ
れている。ある日、無作為に選ばれた店舗で購入した幕の内弁当25折のカロリ
ーを計測したところ、その標本平均は646.5kcalで、標本分散は120であった。こ
の弁当のカロリーが正規分布に従っていると仮定すると、カロリーの母平均に
関する95%信頼区間( 問9 )~( 問10 )が得られる。表示カロリーはこの信
頼区間に( 問11 )と判断される。
問9:a. 641.9 b. 642.0 c. 642.1 d. 642.2
問10:a. 650.8 b. 650.9 c. 651.0 d. 651.1
カロリーの分布の母平均を  とし、  に関する95%信頼区間を求めればよ
い。母分散が未知であるため、統計量 Tn   T25 を計算する。標本平均
X  646.5 、標本分散 s 2  120 であるから
T25 
n  1 X   
25  1646.5    646.5  


s
120
5
を得る。一方、 T25 は自由度 25  1   24 のt分布に従うため、t分布表を利
用して95%予言的中区間
 2.064  T25  2.064
を得る。従って、
 2.064 
646.5  
 2.064
5
となり、これを  について解くと、次のようなカロリーの平均に関する
95%信頼区間が得られる。
646.5  2.064 5    646.5  2.064 5  641.9kcal    651.1kcal.
問11:a. 含まれないため妥当でない b. 含まれないため妥当である
3
c. 含まれ
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るため妥当でない
d. 含まれるため妥当である
650kcalはこの信頼区間に含まれるため、表示カロリーは妥当と判断でき
る。
問12 ~ 問15
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。また、必要に応じて適当な数表を利用せよ。
ある地方自治体の首長の支持率を調査する目的で無作為に有権者100人を選び
出しアンケート調査を行ったところ、46人が首長を支持するという結果であっ
た。このとき、首長の支持率に関する95%信頼区間を求めたい。標本平均(=
首長を支持する有権者の標本全体に対する割合)は( 問12 )、標本分散は
( 問13 )であるから、支持率に関する95%信頼区間は( 問14 )~( 問15 )
である。
問12:a. 0.45 b. 0.46
c. 0.47 d. 0.48
ノートNo.13例題2の表記に従うと、標本平均(=首長を支持する有権者
の標本に対する割合)は
pˆ 
支持者数   46  0.46
標本数  100
である。
問13:a. 0.2475 b. 0.2484 c. 0.2491 d. 0.2496
標本分散は
s 2  pˆ 1  pˆ   0.46 0.54  0.2484
である。
問14:a. 36.2% b. 37.2%
c. 38.2%
d. 39.2%
問15:a. 52.8%
c. 54.8%
d. 55.8%
b. 53.8%
上の結果から、
*

Z 100
pˆ  p

s
n
pˆ  p

pˆ 1  pˆ 
n
0.46  p
0.460.54
10
*
の分布は正規分布で近似できることから、以下のような
が得られ、 Z100
95%予言的中区間を得る。
 1.96 
0.46  p
 1.96
0.460.54
10
4
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これをpについて解くことにより、以下の信頼区間を得る。
0.46  1.96
0.460.54
10
 p  0.46  1.96
0.460.54
10
 0.362  p  0.558.
問16 ~ 問22
以下の空欄に該当する数値を選べ。もし正答が見つからない場合は、正答に最
も近い数値を選択せよ。また、必要に応じて適当な数表を利用せよ。
ある大学の経済学部同窓会幹事に就任したあなたは、今年度の同窓会総会を開
催するため、あるホテルの宴会場A(定員320名)、B(定員400名)、C(定員
450名)のうちいずれかを会場として予約する予定である。昨年度は招待状を
発送した400名のうち240名が実際に総会へ出席し、今年度は600名に招待状を
発送する予定である。今年度の招待者の動向が昨年度並みであると仮定すると、
今年度の標本平均(=参加者割合)は( 問16 )、標本分散は( 問17 )と考え
て差し支えない。今年度の総会出席率に関する 95% 信頼区間は( 問18 )~
( 問19 )となり、総会参加者は( 問20 )~( 問21 )の範囲であると予想さ
れる。宴会場の利用料金が定員比例である場合、( 問22 )。
問16:a. 0.55
b. 0.60
c. 0.65 d. 0.70
問17:a. 0.2100 b. 0.2275
c. 0.2400
d. 0.2475
標本平均(=参加者割合)および標本分散はそれぞれ
pˆ 
昨年度の参加者数   240  0.6
昨年度の招待人数  400
s 2  pˆ 1  pˆ   0.6 0.4  0.24
と求められる。
問18:a. 56.1% b. 56.3%
c. 56.5%
問19:a. 63.5%
c. 63.9% d. 64.1%
b. 63.7%
d. 56.7%
上の結果から
*

Z 600
pˆ  p

s
n
pˆ  p

pˆ 1  pˆ 
n
0.6  p
0.60.4
600
*
が得られ、 Z 600
の分布は正規分布で近似できることから、以下のような
95%予言的中区間を得る。
0.6  p
 1.96
0.60.4
600
 1.96 
5
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これをpについて解くことにより、以下の信頼区間を得る。
0.6  1.96
0.60.4  p  0.6  1.96 0.60.4  0.561  p  0.639 .
600
600
問20:a. 217 b. 277 c. 337
d. 397
問21:a. 235 b. 309 c. 383
d. 457
問22:a. 宴会場Aを予約すればよい b. 宴会場Bを予約すればよい
を予約すればよい d. Cより大きい宴会場を探すべきである
c. 宴会場C
さきほど求めた信頼区間を利用すると、今年度の同窓会参加者は
600  0.561  337名 から 600  0.639  383名 の範囲で実現すると予想さ
れる。従って、参加者は320名を超えるものの400名に達することはなさ
そうであるため、宴会場Bを予約するのが妥当と考えられる。
6