フィリピン:高い成長目標にて石炭需要量増加へ 2016 年 7 月 28 日掲載 7 月 22 日付けの地元報道によると、新石炭火力発電所が、今後 4 年間の間に稼働開始するため、国の石 炭需要は 2020 年まで毎年百万トン単位で増加する。 石炭会議所会頭は、新発電所の稼働開始により、2020 年まで年間 100 万トン増を計画するとし、新発電 所は非常に効率的かつ環境に優しいが、より高品位の輸入石炭が必要だとした。 エネルギー省(DOE)は、新政権は 2016 年 6~7%、2017 年 6.5~7.5%、2022 年まで 7~8%の経済成長 率を狙っており、エネルギー需要増で電力の必要性が求められていると発表した。DOE データでは、2015 年の石炭輸入量は、インドネシアから 17,407,089 トン、残りはベトナム、ロシア、豪州であった。 Meralco 発電会社(MGen)( Manila 電気会社 Meralco の民営会社)は、Quezon 市 Mauban にて、San Buenaventura Power 社の下、出力 455 MW の新石炭火力発電所を共同開発。更に、Quezon 市 Atimonan にて、Atimonan One Energy 社の下、出力 600 MW×2 の新石炭火力発電所を開発中。 2015 年の石炭消費量は 22 百万トン、火力発電で 79.77%、セメント産業で 15.22%、残りはその他産業に て消費。国内炭は、主に Semirara 炭鉱にて生産され、8.1 百万トン。 フィリピン産業連盟(FPI)によれば、風力エネルギーのコストは 7.4 フィリピンペソ(PHP)/kWh、石炭エネ ルギーは 4.2079 フィリピンペソ/kWh、太陽光エネルギーは 8.69 フィリピンペソ/kWh であり、石炭はフィリピンに とって手頃な電源であるとし、再生可能エネルギーの増加は、フィリピンにおいて既に高い電気料金をさ らに高めるだけであるとした。また FPI 会長は、フィリピンは炭素排出量の観点で、その他の国々に比べ て総量および一人当たり量の両分野で非常に貢献しており、また再生可能エネルギーの普及率は比較的高 いと付け加えた。 (石炭開発部 辻 誠) おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確 な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとら れた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の 図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願 い申し上げます。
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