韓国の発行体格付A+/AA-[安定的]を維持

NEWS RELEASE
2016年07月25日
【格付維持】
大韓民国
外貨建発行体格付: A+ [格付の方向性:安定的]
自国通貨建発行体格付: AA- [格付の方向性:安定的]
格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
【格付理由】
経済は伸び悩みながらも緩やかな回復を続けている。内需の弱さも手伝い、物価は低位で推移してい
る。財政運営は手堅く、政府債務は依然として低水準にとどまる。経常収支は黒字を続け、ストック面
では対外純債権国になった。こうした状況を踏まえ、外貨建及び自国通貨建発行体格付を維持、格付の
方向性も安定的とした。もっとも、高齢化や家計債務など従来の課題に加え、今後は中国経済の変容も
逆風となる。国内経済の生産性を中長期的に高めていくことが課題だ。
2000年代以降、経済成長の輸出依存が強まっている。最大の輸出相手国である中国の経済減速、消費
主導型経済への移行という変化から受ける影響が構造的なものになっていく可能性がある。財政・金融
政策による支えもあり2014年、2015年は内需が主導したが、規制改革や競争促進などを通じて生産性を
向上させ、内需の自律的な成長を促すことが必要だ。ただ、2016年4月の総選挙で与党が大敗を喫し、政
策運営環境の不透明感は高まっている。労働市場や金融市場など、政府が掲げている改革が停滞しない
か懸念している。
急速な高齢化予測を前提に、国民年金を中心とする社会保障基金を除いた財政収支を重視する。2015
年に引き続き、2016年も補正予算による景気刺激を企図しているが、中長期的には2019年にかけて当該
財政赤字を国内総生産(GDP)比1.0%未満に抑える見通し。財政は基本的に堅実運営で、今後も基本姿
勢は大きくは変わらないだろう。財政規律は維持されよう。政府公表の債務残高(中央政府・地方政府
合算、現金ベース)は、中期的にGDP比40%程度に落ち着かせる方針。公企業の債務の水準は低くはな
く、今後も動向に留意する。
2011年以降、経常収支の黒字に厚みが増し、国際投資ポジションにも変化が表れている。従来、韓国
は対外負債残高が対外資産残高を上回る純債務国だった。2010年頃から直接投資が、2013年頃からは銀
行貸付を中心とする「その他投資」が、それぞれネットで黒字(資産超過)となり、2014年後半から国
際投資ポジション全体でネットの黒字国となった。より成熟した経済への移行の過程という側面もあろ
う。外貨準備以外の対外資産にも厚みが増し、資金調達と運用のバランスという点ではかつてに比べ改
善してきている。
北朝鮮を巡る情勢は依然として不透明。国際社会とのあつれきを糧とするかのような北朝鮮政府の姿
勢には絶えず不安定感が付きまとう。北朝鮮の体制崩壊で南北統一が一気に進むといった事態になった
場合、巨額の財政負担の発生などが想定される。顕在化する可能性は依然として低いとみているが、R&I
ではそうした潜在的リスクの存在を、格付に一定程度織り込んでいる。
【格付対象】
発行者:大韓民国
名称
格付
格付の方向性
外貨建発行体格付
A+(維持)
安定的
自国通貨建発行体格付
AA-(維持)
安定的
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
株式
会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
ⓒRating and Investment Information, Inc.
NEWS RELEASE
信用格付に関わる事項
信用格付業者
登録番号
株式会社格付投資情報センター
金融庁長官(格付)第6号
直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。
主任格付アナリスト
関口 健爾
信用格付の付与について
代表して責任を有する者
細田 弘
信用格付を付与した日
2016年07月19日
主要な格付方法
ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16]
上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して
います。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html
評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html
格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。
http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html
格付関係者
大韓民国
注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。
利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料
品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ
れている資料であること。
情報提供者 -
信用格付の前提、意義及び限界
R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定
通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等
の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見
を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の
表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に
ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い
かなる保証もしていません。
R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの
情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に
は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格
付を保留したり、取り下げたりすることがあります。
利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が
高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり
ます。
信用格付に関わる留意事項
当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。
格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。
■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected]
■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438
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会社
格付投資情報センター
〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp
信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ
ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に
際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ
き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。
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