3-1 (1) 一成分からなる系の化学ポテンシャルにつ いて = ( ) である。

3-1
(1)
(1)
𝑑𝐺 = −𝑆𝑑𝑇 + 𝑉𝑑𝑝 + 𝜇𝑑𝑛
一成分からなる系の化学ポテンシャルにつ
で
いて
𝑑𝐹 = 𝑑𝐺 − 𝑉𝑑𝑝 − 𝑃𝑑𝑉
から一つ目
𝜕𝐺
𝜇=( )
𝜕𝑛 𝑇,𝑃
𝑑𝑈 = 𝑑𝐺 − 𝑉𝑑𝑝 − 𝑃𝑑𝑉 + 𝑇𝑑𝑆 + 𝑆𝑑𝑇
である。
から2つ目
𝜕𝐹
𝜕𝑈
𝜕𝐻
𝜇=( ) =( ) =( )
𝜕𝑛 𝑇,𝑉
𝜕𝑛 𝑆,𝑉
𝜕𝑛 𝑆,𝑃
= −𝑇 (
𝜕𝑆
)
𝜕𝑛 𝑈,𝑉
𝑑𝐻 = 𝑑𝐺 + 𝑇𝑑𝑆 + 𝑆𝑑𝑇
から3つ目
𝑑𝑈 = 𝑇𝑑𝑆 − 𝑃𝑑𝑉 + 𝜇𝑑𝑛
で U,V 固定すれば 4 つ目。
を示せ。
(2)理想気体について、G と F の具体形を書
き表せ。
(2)(3)
1mol の F は
(3) (2)を用いて、
𝜕𝐺
𝜕𝐹
( ) =( )
𝜕𝑛 𝑇,𝑃
𝜕𝑛 𝑇,𝑉
𝐹(𝑇, 𝑉) = 𝐶𝑣 𝑇 − 𝑅𝑇 log
𝑉
𝑇
− 𝑅𝑇𝑐 log ∗
∗
𝑉
𝑇
n mol の F は
を示せ。
𝐹(𝑇, 𝑉, 𝑛) = 𝑛𝐶𝑣 𝑇 − 𝑛𝑅𝑇 log
𝑉
𝑇
− 𝑛𝑅𝑇𝑐 log ∗
∗
𝑛𝑉
𝑇
n で微分
𝜕𝐹
𝑉
𝑇
( ) = 𝐶𝑣 𝑇 − 𝑅𝑇 log ∗ + 𝑅𝑇 − 𝑅𝑇𝑐 log ∗
𝜕𝑛 𝑇,𝑉
𝑛𝑉
𝑇
一方、1mol の G は
𝐺(𝑇, 𝑃) = 𝐶𝑣 𝑇 + 𝑃𝑉 − 𝑅𝑇 log
𝑉
𝑇
− 𝑅𝑇𝑐 log ∗
∗
𝑉
𝑇
= 𝐶𝑣 𝑇 + 𝑅𝑇 − 𝑅𝑇 log
𝑃∗ 𝑇
𝑇
− 𝑅𝑇𝑐 log ∗
∗
𝑃𝑇
𝑇
1mol であれば互いに等しい。ここで P*V*=RT*
n mol のとき、G(T,P,n)=nG(T,P)で、
P=nRT/V を G の式に入れれば同じになる。
実際
𝑃∗ 𝑇
𝑉 𝑃∗ 𝑇
𝑉𝑃∗
𝑉
=
=
=
∗
∗
∗
𝑃𝑇
𝑛𝑅𝑇 𝑇
𝑛𝑅𝑇
𝑛𝑉 ∗
3-2
(1)
(1)1 気圧の等圧条件で最初 20℃の水 1mol
水の状態で Cp=18*4.2=75.6 Joule /mol/K
を 100W の電力で加熱する。横軸を t、縦軸
なので、100W であれば、75.6*80/100=60.48=60 秒で
を温度とするグラフを描き、特徴的な点の
100℃に達する。
時刻、温度を示せ。
(必要な定数は調べるこ
2000 Joule/g =36000 Joule/mol が蒸発熱、とすると、
と。
)
360 秒ですべて蒸発。その間は 100℃に保たれる。
(2)20℃の等温条件で水にかかる気圧を 1
普通水蒸気はどこかにいってしまうが、それは蓄えてあって
気圧から減らしていく。最初はすべて水で、 100W をかけつづけるのであれば、Cp=7/2R=30 Joule/mol く
水 1mol があったとする。毎秒 1cm3 の速度
らいか?毎秒、3℃ずつ温度が上昇する。Cp も一定ではないだ
で体積が増えるとする。横軸を t、縦軸を圧
ろう。
(高温では振動モードも効くので)
力として、特徴的な点の時刻、圧力を示せ。
(2)圧縮がもどる瞬間に、水のまま膨張することはありそう。
一瞬で終わるので、平衡は保たれそうにないか?
圧縮率から計算可能だが、それは無視して、いきなり蒸気圧に
達して、二相平衡になるとする。20℃の蒸気圧は、23.32 hPa =
0.02 気圧。
1mol 273K の水蒸気は 22.4L なので、温度分は無視して、およ
そ 1000L になる。したがって 1000,000 秒まで 0.02 気圧がたも
たれ、その後は水蒸気だけになって PV=RT でPが減少してい
く。
3-3
(1)
(1)
G のうち混合の効果の部分は
2種類の理想気体の混合気体について、そ
𝐺 ′ = 𝑅𝑇 𝑛1 log
れぞれの成分の化学ポテンシャルμ1 とμ2
をもとめよ。
(2)(1)の結果が Gibbs-Duhem の式
𝑛1 𝑑𝜇1 + 𝑛2 𝑑𝜇2 = 0
𝑛1
𝑛2
+ 𝑅𝑇 𝑛2 log
𝑛1 + 𝑛2
𝑛1 + 𝑛2
n1 は4か所あるのに注意して微分
dG′
𝑛1
1
1
1
= log
+ 𝑛1 ( ) − 𝑛1 (
) − 𝑛2 ((
))
dn1
𝑛1 + 𝑛2
𝑛1
𝑛1 + 𝑛2
𝑛1 + 𝑛2
を満たすことを示せ。
= log
𝑛1
𝑛1 + 𝑛2
なので、
μ1 = 𝐶𝑉1 𝑇 + 𝑅𝑇 log
𝑛1
𝑛1 + 𝑛2
(2)
𝑛1 𝑑𝜇1 𝑛2 𝑑𝜇2
+
=0
𝑑𝑛1
𝑑𝑛1
を示せばいい。
ほとんど(1)の計算と同じ。
3-4
(1)
(1)ピストンと重りで気体をとじこめて単
𝑑𝑃
𝑃
=−
𝑑𝑉
𝑉
振動させる。等温の場合の周期を求めよ。
(2) ピストンと重りで気体をとじこめて単
𝑃 𝑑𝑉
𝑃
𝐹 = 𝑆𝑑𝑃 = − 𝑆 2
= − 𝑆 2𝑑𝑥
𝑉
𝑆
𝑉
振動させる。断熱の場合の周期を求めよ。
(3)バネを天井からぶら下げて、重りをつけ
て単振動させる。バネはコイル状でなく、
なので
1本の針金が伸び縮みしており、振幅は十
𝑀
𝑉𝑀
𝑇 = 2𝜋√ = 2𝜋√ 2
𝑘
𝑃𝑆
分小さく張力σは常に正とする。
針金の膨張率
1 𝜕𝐿
𝛽= ( )
𝐿 𝜕𝑇 𝜎
が正であるとき、等温条件の周期と断熱条
の単振動。
(2)
𝑃𝑉 𝛾 = 𝑘
件の周期はどちらが大きいか。
だから
𝑑𝑃
𝑃
= −𝛾𝑘𝑉 −𝛾−1 = −𝛾
𝑑𝑉
𝑉
バネ定数はγ倍
𝑀
𝑉𝑀
𝑇′ = 2𝜋√ = 2𝜋√
𝑘′
𝛾𝑃𝑆 2
(3)
添え字の変換。σは張力。
𝜕𝐿
𝜕𝐿
𝜕𝐿
𝜕𝑇
( ) = ( ) +( ) ( )
𝜕𝜎 𝑆
𝜕𝜎 𝑇
𝜕𝑇 𝜎 𝜕𝜎 𝑆
ここで、文中仮定より、
𝜕𝐿
( ) >0
𝜕𝑇 𝜎
(ゴムでは逆になる。)
原島 p78 参照。
今
𝑇𝑑𝑆 = 𝑑𝑈 − 𝜎𝑑𝐿
から G の式を作ると、
𝑑𝐺 = −𝐿𝑑𝜎 − 𝑆𝑑𝑇
なので、
𝜕𝐺
𝜕𝐺
𝐿 = −( ) ,𝑆 = −( )
𝜕𝜎 𝑇
𝜕𝑇 𝜎
から、Maxwell の関係式は、
𝜕𝑆
𝜕𝐿
( ) =( )
𝜕𝜎 𝑇
𝜕𝑇 𝜎
ここで、
𝜕𝑆
𝜕𝑆
𝑇𝑑𝑆 = 𝑇 ( ) 𝑑𝑇 + 𝑇 ( ) 𝑑𝜎
𝜕𝑇 𝜎
𝜕𝜎 𝑇
であるので、
𝜕𝐿
𝑇𝑑𝑆 = 𝐶𝜎 𝑑𝑇 + 𝑇 ( ) 𝑑𝜎
𝜕𝑇 𝜎
断熱であれば、張力を増すと温度が下がる。もしくは
(
𝜕𝑇
) <0
𝜕𝜎 𝑆
したがって、
(
𝜕𝐿
𝜕𝐿
) <( )
𝜕𝜎 𝑆
𝜕𝜎 𝑇
バネ定数はこの逆数で、断熱の方が固い。