IMFの世界経済見通し(2016年 7月)

2016年7月21日
(No.2,514)
〈マーケットレポートNo.4,917〉
IMFの世界経済見通し(2016年7月)
不透明感が残るものの、新興国が成長を下支え
17年にかけ緩やかに成長加速
IMFの世界経済見通し(2016年7月)
(単位:%)
先進国・地域が下方修正
■国際通貨基金(IMF)は7月19日、最新の世界
経済見通しを発表しました。2016年の成長率は
世界全体で前年比+3.1%と、前回の予測から
0.1ポイント下方修正されました。英国の欧州連合
(EU)離脱により、経済、政治、制度を巡る不透
明感が増大するため、先進国・地域の見通しが下
方修正されたことが要因です。
■続く17年の 成長率は + 3.4%と前回予測 から
0.1ポイントの下方修正ですが、来年にかけて緩や
かに成長が加速する見通しは維持されました。
2016年
2017年
成長率 修正幅 成長率 修正幅
世界全体
3.1
▲ 0.1
3.4
▲ 0.1
1.8
▲ 0.1
1.8
▲ 0.2
日本
0.3
▲ 0.2
0.1
0.2
米国
2.2
▲ 0.2
2.5
0.0
ユーロ圏
1.6
0.1
1.4
▲ 0.2
1.6
0.1
1.2
▲ 0.4
1.7
▲ 0.2
1.3
▲ 0.9
4.1
0.0
4.6
0.0
先進国・地域
ドイツ
英国
新興国・地域
新興国が成長を下支え
中国
6.6
0.1
6.2
0.0
17年にブラジルはプラス成長へ
ASEAN
4.8
0.0
5.1
0.0
インド
7.4
▲ 0.1
7.4
▲ 0.1
ブラジル
▲ 3.3
0.5
0.5
0.5
ロシア
▲ 1.2
0.6
1.0
0.2
0.1
▲ 0.5
1.0
▲ 0.2
■新興国・地域は成長が加速し、世界経済を下支え
する見通しです。景気支援を前面に出している中
国や原油価格の上昇がプラスに寄与すると思われ
るロシアが上方修正されました。
■今回、ブラジルの経済見通しが大幅に改善しました。
ブラジルの成長率は、16年が0.5ポイント上方修正
の▲3.3%に、17年も0.5ポイントの上方修正で
+0.5%のプラス成長となる見通しです。IMFは
16年1-3月期に消費者マインドと企業景況感が底
を打ったと判断しました。
南アフリカ
原油価格の変化率
▲ 15.5
16.4
(注1) 上記のASEANはタイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、
ベトナムの5カ国。
(注2) インドは年度。
(注3) 修正幅は2016年4月の見通しからの変化幅。
(注4) 原油価格の変化率はブレント、ドバイ、ウエスト・テキサス・
インターメディエート(WTI)の平均価格の前年比。
(出所) IMFのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
構造改革による経済力の強化推進が必要
■今回の経済見通しでは、英国のEU離脱という投票
結果が、経済や政治面での不確実性に繋がってい
るとして、結果的に下振れるリスクを指摘しています。
他のリスクとしては、①欧州の銀行システムの混乱、
②経済の余剰能力と弱いインフレ、③各国・地域
内での政治的分裂、などが挙げられました。各国で
事情は異なるものの、構造改革によって経済力の
強化を推進することが必要と指摘しました。
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