2016年7月14日 (No.2,507) 〈マーケットレポートNo.4,905〉 金価格の動向 Brexit(英国のEU離脱)選択後も底堅い推移 Brexitで金価格は一段高 安全資産として金が選好される ■金価格は11、12年のピークの後、下落基調で推 移してきましたが、今年に入り上昇に転じています。 7月13日の現物の価格は、年初来で約26.5%の 上昇となっています。 ■米国の利上げ期待の後退を受けて、ドル安が進行 したことと、英国のEU(欧州連合)からの離脱選 択により金融市場が不安定となったため、金の安全 資産としての見直し機運が高まったためと思われま す 。 英国 の 国民 投票 後の 24 日 には 、 1日 で 約 4.7%の上昇となりました。 円ベースの金価格は横ばい ドルベースの上昇を円高が相殺 ■ただし、円ベースの金価格は、概ねボックス圏での推 移となっており、年初からの上昇率は約10%にとど まっています。ドルベースでの金価格の上昇を、円高 の進行が相殺しているためです。これは、外国為替 市場で、円が金と同様に安全資産として選好され ているためです。 (ドル/トロイオンス) 【金価格とドル円レート】 2,000 (円/ドル) 70 80 1,600 90 1,200 100 ドル安 110 800 120 ドル高 400 金価格(左軸) ドル円レート(右軸、逆目盛) 08/1 12/1 0 06/1 10/1 14/1 130 140 16/1 (年/月) (注)データは2006年1月~2016年7月(月次)。 2016年7月は13日のデータ。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 (千円/トロイオンス) 180 【円ベースの金価格】 160 140 120 100 80 60 40 06/1 08/1 10/1 12/1 14/1 16/1 (年/月) (注)データは2006年1月~2016年7月(月次)。 2016年7月は13日 のデータ。金価格を月末の為替レートにて円価格に換算。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成 米国の金融政策が当面の金価格のカギ ■英国のEU離脱選択直後の金融市場の混乱は、 比較的短期間で収束しましたが、金価格は依然底 堅く推移しています。今後の英国やEUに対する懸 念が完全には払しょくできないうえ、世界的な低金 利の環境下、ETFによる金への投資需要が増加し ていることが背景にあると思われます。また、金の新 規鉱山開発が乏しく、価格上昇にもかかわらず生 産量が増えていないという需給面のひっ迫も一因と 考えられます。 ■今後の金価格は、米国の長期金利や米ドルの動き、 すなわち米国の金融政策や地政学的リスクなどの 影響を受けると思われます。金価格の動向は、金 融市場に対する投資家の心理状態を推し量る参 考になります。いわば、「市場心理のバロメーター」と 考えられ、金価格の動向が注目されます。 2016年7月11日 米国の雇用統計(2016年6月) 雇用は増加の勢いを回復 2016年6月24日 英国の国民投票 国民投票は「Brexit」 ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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