「ほまれの極 み」

ベタがけ
■「ほまれの極み」適期表
ベタがけ
暖
ベタがけ
明けからは圃場で貯蔵するイメージで
育 を 進 め て お き、 球 頭 部 を 結 束 し て 年
に収穫適期に近い7~8分結球まで生
さ れ て い ま す。 こ の 作 型 は、 年 内 ま で
求 め ら れ る 特 性 の 低 温 結 球 性、 耐 寒 性、
地 が 栽 培 の 適 地 と な り ま す。 加 え て、
気 温 が 0 ℃ を 下 回 ら な い) 暖 地 ~ 中 間
以上)、強い霜が何度も降りない(最低
月 が 比 較 的 暖 か く (月 平 均 気 温 が 4 ℃
ほ
す。 そ の た め に 中 晩 生 品 種 で は、 中 生
晩 抽 性、 早 生 性 な ど の 特 性 を 併 せ も つ
「ほ ま れ の 極 み」 は 黄 芯 で あ り、 根 こ
み」 で す。
タイプの品種でも結球が進んでいるこ
ぶ 病 ・ べ と 病 の 複 合 耐 病 性 を 有 し、 産
い ま す。
え る だ け で は な く、 自 家 菜 園 で の 不 結
球による栽培失敗を避けるにはうって
つ け の 品 種 で す。
ま せ ん。 そ こ で、 低 温 で も 結 球 性 に す
❶秋の遅まき・遅植えが可能
品種特性
ぐ れ、 秋 の 遅 ま き ・ 遅 植 え が 可 能 な 品
2月下旬~3月上旬の早春に新鮮球
種 の 開 発 を 進 め て き ま し た。
秋雨前線による長雨や台風被害にあっ
生育旺盛で低温結球性にすぐれるの
で、 秋 の 遅 ま き ・ 遅 植 え が 可 能 で す。
結 球 を 招 く こ と と な り、 作 型 が 成 立 し
ま き す る と、 低 温 結 球 性 が 不 足 し て 不
こ れ ら の 対 策 と し て、 越 年 時 を も っ
と若いステージで迎えられるように遅
ちゅう だい
と で 凍 ・ 寒 害 を 受 け、 球 内抽 苔 も 進 み、
地の端境期ねらいやまき直し需要に応
穫 し よ う と す る と、 耐 寒 性 が 強 い
日
種 よ り も 耐 寒 性、 晩 抽 性 を 高 め て い ま
域 を 選 択 す る こ と が 重 要 で す。 1 ~ 2
を 収 穫 す る に は、 ま ず 栽 培 に 適 す る 地
地
ベタがけ
中
間
地
じゅん いち
ば
ハクサイとしての品質が低下してしま
90
ば ん ちゅう
わ
千葉 潤 一
ち
低温結球性・晩抽性にすぐれ、遅まき・遅植えが可能な早春どり早生種 !
き
タキイ長野研究農場
品 種 が、 今 回 新 発 表 す る 「ほ ま れ の 極
90
し た。 と こ ろ が、 2 月 後 半 ~ 3 月 に 収
中間・暖地で1~2月冬どり作型と
い え ば、 日 タ イ プ の 中 晩 生 種 が 栽 培
「ほまれの極み」
新 発 表
ハクサイ
9
2016 タキイ最前線 秋種特集号 栽培のポイント
てからのまき直し・植え直しにも最適
で す。
❷耐寒性・晩抽性にすぐれる
早生種
9月下旬~ 月上旬(暖地)の適期
まき栽培で、越年時を結球初期で迎え
ることにより耐寒性を発揮し、また、
晩抽性にすぐれることで、冬どり品種
作型の設定
早春どり栽培では栽培適地での作
付けが重要であるとともに、播種定
1~2月は比較的乾燥しがちであ
るため、追肥は潅水を兼ねて液肥で
いハクサイを出荷することが、市場
だわるよりは、適期収穫で品質の高
ともあります。設定した収穫期にこ
施すと効果が上がります。
の信頼を勝ち取ることにもつながり
ます。
適期の収穫
植時期の設定も重要になります。中
作型の特殊性から、収穫適期を過
ぎた場合には形状の乱れや生理障害
間地において9月下旬、暖地におい
収穫期を迎える時期は、春の訪れ
て 月上旬が播種の適期となります。 とともに気温が上昇してくる時期と
基本の施肥設計 元肥 1 / 2 、追肥 1 / 2 とし、生育期間を通じて肥効を持続させる
発生など品質低下が顕著となりやす
畝幅:60∼70㎝、条数:1、株間:45∼50
なります。年によっては暖冬傾向と
播種基準
が寒傷みや芯伸びで品質低下しやすい
8月下旬∼9月下旬
(中間地)
10月上旬
(暖地)
いので注意しましょう。
播種適期
なって、収穫期が大きく前進するこ
1∼2月の平均気温が4℃以上になる地域での遅まき、
関東以西の中間∼暖地でのやや遅まき
ベタがけ資材の活用
播種可能地域
早春に新鮮球が収穫できます。
秋 冬どりハクサイのリレ ー 出 荷 作 型( 暖 地 )
❸品質良好な豊産種
ハクサイ「ほまれ の 極 み 」栽 培 特 性メモ
2月下旬~3月上旬に新鮮球を収
穫するためには、目安として越年時
10月上旬
を結球初期で迎えるような栽培管理
早生
収穫球は尻張り・胴張りにすぐれた、
やや短めの砲弾形。寒傷みが少ない濃
ほまれの極み
が必要です。
9月上旬
緑球は濃黄色の球内色と相まって品質
中晩生
良好です。
きらぼし90
近年の天候不順で年内の気温推移
は不安定ですが、ベタがけ資材によ
9月上旬
る被覆の活用で年内の生育調整がで
中早生 8月下旬∼9月上旬
きます。また、年明けも被覆を継続
晴黄75
低温期に肥大した結球葉は肉厚で食
味、加工歩どまりともにすぐれます。
8月中下旬
❹根こぶ・べと病複合耐病性
極早生
すれば結球・肥大を順調に進めるこ
晴黄60
とが可能です。
中生
施肥設計と肥培管理
早春どり作型では栽培期間のほと
んどが低温期となるものの、本種は
生育が旺盛であるため、生育初期か
らの過度な肥効はゴマ症や芯割れな
どの生理障害を招く原因となります。
根こぶ病、べと病に耐病性
耐病性
施肥量は冬どりハクサイと同等とし、
元肥5割、追肥5割で生育期間を通
10 2016 タキイ最前線 秋種特集号
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じて肥効を持続させます。
きらぼし85
3月
2月
1月
12月
播種期
11月
熟期
収穫期
品種
根こぶ病耐病性とべと病耐病性を有
しており、安心して作付けできます。
↑2月26日愛媛県にて撮影した
「ほまれの極み」
。
低温期でも結球性にすぐれる。
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