夜間降雨時の高視認性と 除雪耐久性を備えた道路標示 株式会社 信州大学 共同研究社 近藤鬨一郎 中島良益 三枝照佳 滝田賢治 工学部 物質学科 教授 三島彰司 教授 樽田誠一 機械システム工学科 准教授 松岡浩仁 1 発明の背景 車道中央線 道路表面にペイント 降雨により水膜形成 従来技術 硝子ビーズ混入 台形突起形成 夜間降雨時の 視認性低下 外力・経年変化に よりビーズ脱落 耐久性低い 除雪車のブレード により突起破壊2 本発明による道路標示の構造 人工芝 路面 微粒子 3 視認性実験例 自動車を用いた視認性確認実験.およ そ30mの距離からロービームで照射し, 運転席近傍から撮影した. 左から ビーズ入り 通常塗装 本発明 通常塗装のラインはほとんど見 えない.本発明はビーズタイプ より若干劣るものの,視認性は 良い CCDカメラで撮影し,RGBそれぞれ の値の2乗和の平方根で評価 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 0 100 200 300 400 500 600 4 視認性実験例 自動車を用いた視認性確認実験.およ そ30mの距離からロービームで照射し, 運転席近傍から撮影した. 左から ビーズ入り 通常塗装 本発明 水を掛けて水膜を形成した. 水膜により全体が明るく光るが, 本発明の白線は反射が抑えら れることにより,逆に認識しや すくなっている 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 0 100 200 300 400 500 600 5 従来技術とその問題点 従来技術 ガラスビーズを混入 9 塗装面表面に張り付いているだけなのですぐに取 れてしまう 9 雨量が多いときは水没してしまう 台形突起を形成 9 除雪作業時に除雪機のブレードが引っかかるため, はがれてしまう 6 新技術の特徴・従来技術との 比較 人工芝の一本一本はランダムな反射面を持つので, 見る角度に依らず高い視認性を有する V 小さな突起の集合体である3次元構造にすることで, 降雨によって表面が水膜で覆われることを防ぐ V 突起群は柔軟性のある材質で作られるため,除雪 機のブレードによって破壊されることがない V 本技術の適用により,従来数ヶ月といわれる視認性 の持続期間を数倍まで広げられることが期待される V 7 想定される用途 道路の車道中央線等の道路標示に用いることで, 特に降雨時夜間の交通安全性の向上に寄与できる. V 盲人用の点字ブロックとして用いると,従来の突起 ではないので,歩行時に引っかかるという危険性が なくなる. V 駐車場等の区画線に利用すれば,劣化に伴う描き 換え等への経費を節減できる. V 8 想定される業界 V 想定されるユーザー 道路工事業者 道路管理者 白線施工業者 V 想定される市場規模 市場調査はまだであるが,降雪地域の道路 および駐車場等が対象となるので,市場規 模は極めて大きいと考える。 9 実用化に向けた課題 現在,視認性や摩擦係数についての実験的検討を 継続して行っている.視認性が従来技術より優れて いることに加え,摩擦係数はほぼ同水準であること が確認されつつある. V 今後,耐久性についての実験データを取得し,材質 や構造に関する新たな知見を得る. V 10 企業への期待 V 未解決の高コストについては、量産の技 術により克服できると考えている。 V 廃プラスチックや廃木材の本技術への 応用技術を持つ、企業との共同研究を 希望。 V また、高性能道路標示材料を開発中の 企業、道路標示施工分野への展開を考 えている企業には、本技術の導入が有 効と思われる。 11 本技術に関する知的財産 権 V V V V 発明の名称 出願番号 出願人 発明者 :道路面表示材 :特願2006-340690 :(株)共同研究社,信州大学 :近藤鬨一郎 中島良益 滝沢賢治 三枝照佳(以上 共同研究社) 三島章司 樽田誠一 松岡浩仁(以上 信州大学) 12 お問い合わせ先 信州大学地域共同研究センター TEL 026-269 - 5620 FAX 026-269 - 5630 e-mail office@crc.shinshu-u.ac.jp (株)信州TLO TEL 0268-25 – 5181 FAX 0268-25 – 5188 e-mail [email protected] 13
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