南米原産の植物「竜舌蘭」は、何十年に一度花を咲か せると言われています。今年、近所にある一株の枝が突 然5m位伸びて開花の準備段階になりました。これから 楽しみな季節を迎えます。開花後は子孫を残し枯れます。 第4回 地域の学びの場:公民館~その3 種類と現状 公民館と言っても様々な形態があります。まず公立公民館があります。管理 は各市町村の教育委員会です。ですから、公民館に勤める館長さんや主事さん の報酬や年間の事業費、建物の維持管理費などは市町村がまかなっています。 公民館よりも規模が小さい分館と呼ばれるものもあります。職員の身分につい てですが、石見地域では館長や主事は非常勤が多いと言えます。 また、自治公民館があります。これは、建設には市町村の補助を受けながら も基本的には自治会の皆さんがお金を出し合い自治的に管理されています。役 割も自治会内で住民が集まり決めます。自治公民館では、自分たちでお金を得 るための事業や商売もするなど特色ある活動をされている所が多くあります。 余談ですが、私のふるさとで「公民館」と言えば自治会内にある集会所を指し ます。常会と呼ばれる毎月の寄り合いで全世帯の代表者が集まります。この「公 民館」では、自治会内で欠かせない寺社の総代、会計担当や各種行事の分担や 冠婚葬祭時のお世話役などの役員決めなどを行います。そして、自治会内の問 題や営農の分担などの話し合いもあります。昔ながらの地縁に根ざしたコミュ ニティーと言えます。 このように公民館にはいくつかの種類があります。そして、少しずつその性 格も地域の公民館ごとに違うのが現実です。けれども、みんなが自治会費など を拠出して互いに助け合う共助の精神があるのが共通点ではないでしょうか。 しかし、最近では公民館からコミュニティーセンターなどへ衣替えしていく 市町村が増えてきています。この大きなきっかけとなった出来事は、地方分権 です。指定管理者制度が公の施設にも適用されることになりました。公民館も 例外ではありません。コミュニティーセンターは、公民館と違い社会教育法に は当てはまりません。そのため管理するのは、市町村の教育委員会の手を離れ て市町村の他の部署に移ります。そして、管理を含めて施設の細かなきまりは 市町村の条例や規則で定められます。最終的には、地元の組織に管理を委託し てお金だけを差し出す形をとります。職員も地元組織が委託料によって雇用し ます。こうなると、公民館がもつ住民の教育活動という性格が弱まって集会機 能という面が色濃くなるのではないかという心配もあるかもしれません。 最近、くにびき学園西部校で学園生(入学資格満60歳以上の方)の皆さん にお話をする機会がありました。講義の中で、学園生の方から次のような質問 がありました。 「住民にとっては公民館がいいのでしょうか、それともコミュニ ティセンターがいいのでしょうか?」みなさんは、どう思われますか。私は、 超少子高齢型の人口減少社会の中で地域に存在する様々な課題を解決しようと 考えておられる住民の皆さんと一緒に取り組む施設であれば、公民館であるか どうかを問わずに住民から支持されると思います。けれども、教養講座やサー クル活動中心の公民館では、おそらく姿を消す運命にあるように感じます。
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