スライド:7月12日

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講義全体の流れ
– 0. 講義の説明
– 1. 簡単な無線通信の例
• 変調方式、復調方式、全体処理
• 最適な受信方法を理解する(基礎知識:最尤判定法、確率密度関数)
– 2. マルチパスフェージング
• 3つのステップでマルチパスフェージングを理解する
– ステップ1:自由空間・受信機固定
– ステップ2:自由空間・受信機移動
– ステップ3:反射波あり・受信機移動
– 3. 通信路のモデル化
• 3つのステップでディジタル無線通信用の通信路モデル化を行う
–
–
–
–
パスバンド・連続時間信号モデル
ベースバンド・連続時間信号モデル(基礎知識:フーリエ変換)
復習:サンプリング定理
ベースバンド・離散時間信号モデル
– 4. 通信方式の復習+評価
• 変調方式、復調方式、全体処理 + ベースバンド・離散信号モデル
• SNR(Signal to Noise power Ratio)、BER(Bit Error Rate)
• BERによる評価 under AWGN + Fading
– 5. フェージング環境での無線通信とフェージング対策ダイバーシチ技術
• 時間ダイバーシチ
• アンテナダイバーシチ受信法
• 周波数ダイバーシチ
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質問
• フェージングの位相のキャンセルの方法はど
うやってやるのか?
• 関連質問:
位相の分布はどうなっているのか?!
回答:一般的に0~2πでの一様分布
x1
送信信号例
h0 x1
フェージングによる位相の変動
受信信号例
4
位相のキャンセル方法
チャネルの変動がほぼ一定の時間
パイロット信号: yP
情報信号: y
時間
パイロット信号:チャネルの変動を推定するための既知信号
チャネル変動の推定
送信信号
xP
受信信号
雑音成分を無視
yP  hxP  w  hxP
hˆ  y / xP  h  w / xP  Aˆ exp( jˆ)
チャネル変動の推定
位相のキャンセル
xˆ  y / hˆ  y exp(  jˆ)
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質問2:複数経路を用意するダイバーシチにおいて、どの経路の
信号が正しく、どの経路の信号が間違っているかを判定する方
法は?
例えば、経路のSNRで判断するのか?
例えば、3つ以上の経路を用意して最も多いものを選択?
回答:複数経路を通って来た信号をどのように取り扱うか(どのように送信信号を判定
すると最もBERが下げられるか?)、複数経路にどのように信号を送信するか?
これが上記の質問の本質.
シンプルな方法:選択ダイバーシチ
最適な方法:最大合成 → 今日の説明
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質問3:アンテナダイバーシチについて、
- 送信 1, 受信側に3本,
- 送信側に2本,受信側に2本の場合で、通信の精度に差はあ
るのか?
回答:用意できる経路数が鍵
送信2 × 受信2本 の方が、送信1 ×受信3より経路数が多い
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時間ダイバーシチ 送受信信号
送信信号
x1
|h|
例:
時間
受信信号
例:
2経路
y  hx1  w
h  [h0  h1    hN 1 ]T
h0 x1
h1 x1
判定用信号
h*
h*
y || h || x1 
w
|| h ||
|| h ||
複素共役転置
ノルム
|| h || | h0 |2  | h1 |2   | hN |2
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時間ダイバーシチ 受信処理
*: 複素共役転置
判定用信号
受信信号
h*
h*
y || h || x1 
w
|| h ||
|| h ||
y  hx1  w
ノルム
|| h || | h0 |2  | h1 |2   | hN |2
判定用信号
h*
h*
y || h || x1 
w
|| h ||
|| h ||
h0 x1
h1 x1
| h0 |2 x1
| h0 |  | h1 |
2
2
+
| h1 |2 x1
| h0 |2  | h1 |2
-最大比合成による受信 → SNR最大化
- 位相・振幅の制御
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瞬時SNR
判定用信号
雑音電力の平均は特段変わらずσ2
h*
h*
y || h || x1 
w
|| h ||
|| h ||
 h  h  h
2
0
2
1
x 
2
N 1 1
h0 * w0  h1 * w1   hN 1 * wN 1
h02  h12   hN2 1
信号電力が増えつつ、安定化
ダイバーシチ
瞬時SNR 
|| h || 2 E[| x1 |2 ]
2
|| h || 2 平均SNR
ダイバーシチ無し
瞬時SNR 
| h |2 E[| x1 |2 ]
2
| h |2 平均SNR
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BER その1
判定用信号
瞬時SNR
BER
h*
h*
y || h || x1 
w
|| h ||
|| h ||
瞬時SNR 
|| h || 2 E[| x1 |2 ]
2
|| h || 2 平均SNR


 E Q  2u平均SNR 
  Q  2u平均SNR p(u )du
pe  E Q 2瞬時SNR
N 1
 u   | hn |2
n 0
前のスライドではこれをxとおい
ているので注意して下さい.
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BER
pe
BER その2
  Q 2u平均SNR p(u )dx
N 1
N 1
 u   | hn |   | Re[ hn ] |2  | Im[hn ] |2
2
n 0
hn  CN (0,1)
n 0
平均0, 分散1の複素ガウス乱数
Re[ hn ], Im[hn ]  N (0,1 / 2)
平均0, 分散1/2の複素ガウス乱数
uは、自由度2Nのカイ二乗分布に従うことから:
1
p(u ) 
u N 1 exp( u )
( N  1)!
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BER
pe
BER その3
  Q 2u平均SNR p(u )du
N 1
N 1
 u   | hn |   | Re[ hn ] |2  | Im[hn ] |2
2
n 0
n 0
1
p(u ) 
u N 1 exp( u )
( N  1)!

を代入
Γ=平均SNR

pe   Q 2u p(u )du
n
N

1

n

 1     2 N  1 1
1  



  
  
N
n
N
2
2
(
4

)

 n 0 
 


N N 1


1 
平均SNRのN乗の逆数
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複数経路で同時にSNR<0dBの確率
1つの経路で瞬時のSNR<0dB (SNR<1)となる確率
u  瞬時SNR, u | h |2
1/ 
1
Pr(u  1)  Pr(u  1 / )  exp( u )du 

0
2つの経路で瞬時のSNR<0dB (SNR<1)となる確率
1
Pr(u  1)  2

2
N個の経路で瞬時のSNR<0dB (SNR<1)となる確率
BERの改善の
オーダーが変化
平均SNRのN乗
の逆数へ
1
Pr(u  1)  N

N
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今までの
NがL
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時間ダイバーシチ
• 送信信号を異なるフェージングの影響|h|の影
響を受ける複数経路に通す.
• 受信側では、それらを効果的に融合する.
– 最大比合成
– 他には:選択ダイバーシチ、等利得合成
• これにより誤り率の傾きを大幅に下げること
が可能
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終わり
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