ヘリコプタ衛星通信(3)

小島
研究室
Transmitter
1. 従来方式と問題点
Information
data
Convolutional
encoder
P/S
P/S
BPSK
modulator
ヘリコプター衛星通信では,ブレードによる信号の周
期的遮断が問題となります.従来は,送信側において畳
Periodic
blockage
込み符号化,時間ダイバーシチ処理により遮断耐性を持
Channel
AWGN
たせ,受信側にて信号を等利得合成していました(図1).
一般にダイバーシチ合成では,等利得合成より最大比
合成の方がビット誤り率 (BER) 特性は良好ですが,そ
Coherent
detector
S/P
Viterbi
decoder
S/P
Demodulated
data
Receiver
の実現には遮断情報の推定が必要となります.しかし,
図1
搬送波対雑音電力比が低いため,受信信号から遮断推定
従来方式の送受信構成
を行うことは困難となります.
小島研究室では,擬似BERを用いて遮断推定を行い,
最大比合成を可能にする方式を提案しました.
①再符号化
Coherent
detector
S/P
Viterbi
decoder
S/P
②擬似BER計算
Hard
decision
2. 提案方式
Pseudo BER
calculator
Threshold
Convolutional
encoder
Blockage
estimator
提案方式の構成を図2に示します.
次の手順で遮断推定を行い,最大比合成を実現します.
P/S
P/S
Viterbi
decoder
S/P
S/P
③最大比合成
① 再符号化
図2
提案方式の受信機構成
受信信号を復号し,送信時と同様の方法で再度符号
化することで,擬似的に送信信号を複製します.
10
0
② 擬似BER計算
受信信号と①での再符号化信号を比較し,擬似BERを
③ 最大比合成
②での遮断情報により受信信号を重みづけすること
Pseudo BER
Pseudo BER
計算,閾値を用いて遮断の有無を判定します.
約0.5に収束
10-1
BPSKの理論値に漸近
𝑃 =
10
により,最大比合成を実現します.
-2
1
erfc
𝐸
4𝑁0
In blockage
Out of blockage
Theoretical BER (AWGN)
10
3. シミュレーション結果と考察
-3
0
図3
2
4
6
8
10
擬似BER特性
(遮断率32.1%)
Eb/N0 [dB]
提案方式にて擬似BERを計算すると,遮断中では約0.5
に収束し,遮断外ではBPSKの理論値に漸近します(図3).
が推定可能であることがわかります.
擬似BERの値が0.25以上となる部分を遮断であると推
定し,閾値を0.25としてBER特性を取得しました(図4).
Bit Error Rate
この擬似BERの特性の違いを用いることで,遮断の有無
Threshold value
= 0. 5
提案方式では従来と比べ特性が約2.3dB改善し,遮断位
置が既知の理想的な最大比合成での特性に近づいていま
2.3dB
す.この結果から,擬似BERを用いた遮断推定は正確で
あり,BER特性を大幅に改善することが確認できました.
図4
BER特性 (遮断率32.1%)
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