7/19 1 講義全体の流れ – 0. 講義の説明 – 1. 簡単な無線通信の例 • 変調方式、復調方式、全体処理 • 最適な受信方法を理解する(基礎知識:最尤判定法、確率密度関数) – 2. マルチパスフェージング • 3つのステップでマルチパスフェージングを理解する – ステップ1:自由空間・受信機固定 – ステップ2:自由空間・受信機移動 – ステップ3:反射波あり・受信機移動 – 3. 通信路のモデル化 • 3つのステップでディジタル無線通信用の通信路モデル化を行う – – – – パスバンド・連続時間信号モデル ベースバンド・連続時間信号モデル(基礎知識:フーリエ変換) 復習:サンプリング定理 ベースバンド・離散時間信号モデル – 4. 通信方式の復習+評価 • 変調方式、復調方式、全体処理 + ベースバンド・離散信号モデル • SNR(Signal to Noise power Ratio)、BER(Bit Error Rate) • BERによる評価 under AWGN + Fading – 5. フェージング環境での無線通信とフェージング対策ダイバーシチ技術 • 時間ダイバーシチ • アンテナダイバーシチ受信法 • 周波数ダイバーシチ 2 試験について • 学生証を必ず持ってくること. • 持ち込みは 手書きメモ・A4 両面のみ – – – – 右上に、手書きで学籍番号・名前を書いておく 鉛筆・シャープペンシル書きのみ ボールペン等消しゴムで消せないのは不可 コピー・印刷資料は不可 • 参考資料(教科書など)は不可. • 自信が無い場合は、事前(テスト開始前)に聞い て下さい。 3 質問: スライドの T は何か?! h [h0 , h1 , , hN 1 ]T ベクトルの転置 h0 h 1 hN 1 4 質問:最大比合成・選択ダイバーシチ の差は? 累積分布関数 最大比合成 異なる経路数(N) 最大比合成 vs 選択 経路数により誤り 率の傾きが変わる. 経路数が同じだが、 ダイバーシチゲイン の取り方が異なる. SNR [dB] SNR [dB] この違いは、あとで計算で確認する. 5 質問 最大比合成が最適な理由 最大比合成 → 瞬時のSNRが最大化される. 受信信号は右の通り与えられる. y hx1 w y0 h0 w0 y h x1 w 1 1 1 合成問題は以下の通り与えられる. 今、任意の重み係数を a, b とおくと、合成後の信号は以下の通り与えられる. y0 y a b y1 このとき、NRを最大とする a, b はどのような重みか? 問題を簡単にするため、全て実数として考える.(位相は全て揃っているということ.) 6 受信信号 合成後信号 y hx1 w y0 y a b y1 (ah0 bh1 ) x1 aw0 bw1 y0 h0 w0 y h x1 w 1 1 1 雑音: wi N (0, n2 ) 瞬時のSNR: 信号電力= (ah0 瞬時のSNR= 平均0, 分散が n 2 bh1 ) 2 雑音電力= E[(aw0 bw1 ) 2 ] (ah0 bh1 ) 2 E[(aw0 bw1 ) 2 ] aとbが a:b=α:β として、拘束条件を設ける. a 2 2 b 2 2 7 ガウス雑音の性質 wi N (0, n2 ) a倍すると、分散はa2倍される. awi N (0, a 2 n2 ) 平均0, 分散が n2 異なるガウス雑音を足すと、分散は和となる. w0 w1 N (0, 02 12 ) w0 N (0, 02 ), w1 N (0, 12 ) 合成後信号 y0 y a b y1 (ah0 bh1 ) x1 aw0 bw1 N (0, n2 ) 瞬時のSNR= a 2 2 b 2 2 正規化により、雑音電力に変化が起きない. (ah0 bh1 ) 2 (ah0 bh1 ) 2 2 E[(aw0 bw1 ) ] n2 8 最大比合成の重みは、 合成後信号 y0 y a b y1 (ah0 bh1 ) x1 aw0 bw1 h0 a h0 h1 2 2 b h1 h0 h1 2 ここを最大化させる a, b は最大比合成の重みであるか?! h0 a b h1 これは、ベクトルの内積.よって、最も大きくなるのは同じ方向で 最大比合成の重みが最も大きい. これは、単位ベクトル h0 a h1 b 9 2 空間ダイバーシチ 送受信信号 受信 送信信号 x1 h0 送信 h1 例: h2 受信信号 例: 2経路 y hx1 w h [h0 h1 hN 1 ]T h0 x1 h1 x1 判定用信号 h* h* y || h || x1 w || h || || h || 複素共役転置 ノルム || h || | h0 |2 | h1 |2 | hN |2 10 空間ダイバーシチ 受信処理 *: 複素共役転置 判定用信号 受信信号 h* h* y || h || x1 w || h || || h || y hx1 w ノルム || h || | h0 |2 | h1 |2 | hN |2 判定用信号 h* h* y || h || x1 w || h || || h || h0 x1 h1 x1 | h0 |2 x1 | h0 | | h1 | 2 2 + | h1 |2 x1 | h0 |2 | h1 |2 -最大比合成による受信 → SNR最大化 - 位相・振幅の制御 11 瞬時SNR 判定用信号 雑音電力の平均は特段変わらずσ2 h* h* y || h || x1 w || h || || h || h h h 2 0 2 1 x 2 N 1 1 h0 * w0 h1 * w1 hN 1 * wN 1 h02 h12 hN2 1 信号電力が増えつつ、安定化 ダイバーシチ 瞬時SNR || h || 2 E[| x1 |2 ] 2 || h || 2 平均SNR ダイバーシチ無し 瞬時SNR | h |2 E[| x1 |2 ] 2 | h |2 平均SNR 12 BER その1 判定用信号 瞬時SNR BER h* h* y || h || x1 w || h || || h || 瞬時SNR || h || 2 E[| x1 |2 ] 2 || h || 2 平均SNR E Q 2u平均SNR Q 2u平均SNR p(u )du pe E Q 2瞬時SNR N 1 u | hn |2 n 0 前のスライドではこれをxとおい ているので注意して下さい. 13 BER pe BER その2 Q 2u平均SNR p(u )dx N 1 N 1 u | hn | | Re[ hn ] |2 | Im[hn ] |2 2 n 0 hn CN (0,1) n 0 平均0, 分散1の複素ガウス乱数 Re[ hn ], Im[hn ] N (0,1 / 2) 平均0, 分散1/2の複素ガウス乱数 uは、自由度2Nのカイ二乗分布に従うことから: 1 p(u ) u N 1 exp( u ) ( N 1)! 14 BER pe BER その3 Q 2u平均SNR p(u )du N 1 N 1 u | hn | | Re[ hn ] |2 | Im[hn ] |2 2 n 0 n 0 1 p(u ) u N 1 exp( u ) ( N 1)! を代入 Γ=平均SNR pe Q 2u p(u )du n N 1 n 1 2 N 1 1 1 N n N 2 2 ( 4 ) n 0 N N 1 1 平均SNRのN乗の逆数 15 複数経路で同時にSNR<0dBの確率 1つの経路で瞬時のSNR<0dB (SNR<1)となる確率 u 瞬時SNR, u | h |2 1/ 1 Pr(u 1) Pr(u 1 / ) exp( u )du 0 2つの経路で瞬時のSNR<0dB (SNR<1)となる確率 1 Pr(u 1) 2 2 N個の経路で瞬時のSNR<0dB (SNR<1)となる確率 BERの改善の オーダーが変化 平均SNRのN乗 の逆数へ 1 Pr(u 1) N N 16 今までの NがL 17 ダイバーシチ • 送信信号を異なるフェージングの影響|h|の影 響を受ける複数経路に通す. • 受信側では、それらを効果的に融合する. – 最大比合成 – 他には:選択ダイバーシチ、等利得合成 • これにより誤り率の傾きを大幅に下げること が可能 18 7/19 終わり 19
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