4.事業創出活動 4 事業創出活動 ❏産業振興分野 「びわ湖 環 境 ビジネスメッセ 2015」への滋 賀 大 学 出 展 概 要 今回は、地域貢献を使命のひとつとする本学が、平成 25 年「びわ湖環境ビジネスメッセ 2013」以来取り 組んでいる「農を考える」シリーズの集大成として、「おうみを輝かせる持続的アグリビジネスとは何か?」 という問いのもとに、これまで取り上げた「環境保全と水田経営」、「農産物市場グローバル化の中での地産 地消・自産自消運動」、「こだわりの食農育振興とネットワーク推進」などの諸課題をあらためて捉え直そう と企画した。 ブース設計にあたっては、本学実行委員会を中心に、両学部や各センターからの協力を受け、部局横断的 な展示となった。会場での本学ブース位置は、平成 24 年以来、会場の周縁にある産学官連携ゾーンではない 場所を選んできたが、今回は一昨年・昨年と同様「食と環境ビジネス」ゾーン内とした。 狙いは、本学キャンパスに芽が出始めた、あらたな農業への思いや試みを、いずれは地域の大きな流れと するため、そのシステム化を探るところにあった。すなわち、本学内に農業技術は乏しくとも、多くの人々 や組織のつながりを創造的に媒介し、連携網形成の一助となることは、大学であればこそ可能であろう、そ の具体的な試みのひとつと考えての取り組みであった。 また、農業ビジネス研究会を核に集まった学生たちには、社会の仕組みやモノづくり、プロモーション等 の世界を少しでも実感することを念頭に、インターンシップ研修に近い体験をするよう配慮した。2枚のパ ネルの制作過程で学生たちは、限られた時間内に、訂正を重ね、着実に目標に近づくことができた。 本年度の展示参画学生への支援の特徴は以下の通りである。 1. メッセ 2014 までの学生研究「自産自消」 ・ 「耕作放棄地の有効活用」 ・ 「こだわり農業の推進」などの 実績を引き継ぎ、それらの上に実践活動を続けた成果を〝可視化〟させる。(同研究会として、「ひ こね梨サイダー」、 「ひころん」を市内和菓子業者等の協力のもと販売開始。また、 「魚のゆりかご水 田米」を協力農家とともに収穫し販売。) 2.プレゼンテーション能力の向上をはかるため、各人各様の説明を工夫させる。 3.自分たちの力でやり遂げたという達成感、満足感を共有させる。 4.正解の無い課題に挑戦、解決する方途を探る姿勢を身に着けさせる。 これらに応え、学生たちはそれぞれに、来訪者を迎え、自らパネルにした研究内容につき、追加資料を手 渡して説明するとともに、意見に耳を傾け、自らの研究の深化に役立てた。 また、展示以外には、本学のマスコットとして知られる「カモンちゃん」の出演(経済学部谷口研究室の 協力による)、環境学習支援士会によるクイズ出題(全展示パネルを見て回答する方式による環境意識啓発) 、 経済学部谷口研究による「自家用農産物循環システム」のデモンストレーション、教育学部森研究室による 教育学部農場産サツマイモの食べ比べ批評会、教育学部久保研究室によるふなずしクッキーの試食会、教育 学部の知見を示す冊子『滋賀県の伝統食を活用した食事バランスガイド』の配布も行い、来訪者も共に楽し みながら学ぶ機会となった。 なお、キャンパスからのバス運行により、ゼミ単位で 100 人余りの学生が会場に来訪、別途来訪中の高校 生や他学学生も多数訪れ、本学ブースは活況を呈した。 4.事業創出活動 当メッセへの本学出展については、平成 24 年度より、大学挙げての行事として、学内実行委員会策定の基 本案をもとに、両学部、社会連携センター、環境総合研究センター、学術国際課の教職員はもとより、学生 有志の参加にも配慮しつつ、本学の活動や知見の一端を示すべく努めてきた。 ふり返れば、学長裁量経費の適切な配分を受けたことにも支えられ、「地域の知の拠点としての滋賀大学」 をアピールするという企画側の意図は、予想以上に達成されたと言える。小職も一昨年・昨年に続き学生研 究の指導やイベントの企画運営を手伝うことで、自らの知見を整理するとともに、本学が掲げた課題への興 味を、さらに深めることとなった。ここであらためて、関係各位に謝意を表したい。 この展示終了後、農業ビジネス研究会の 4 回生からは、 「最高の思い出ができた」 「滋賀大でしか体験でき ないことだった」 「滋賀大生で良かった」 、他のメンバーからも、「最高に感動的なイベントであった」 「難問 にチャレンジし、逃げないことに大きな喜びと自信を感じた」といった言葉が聞かれた。また、他のいくつ かの大学からは、自学ブースと比べ、 「滋賀大ブースだけ沢山の人が集まっている」 「学生主体の企画・運営 というのは素晴らしい」 「若さと熱気が溢れている」といった意見が多数寄せられたことも、付言しておきた い。 【びわ湖環境ビジネスメッセ 2015 の様子】 (文責 特任教授 若林 忠彦)
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