平成 28 年 7 月 14 日発行 兵庫県感染症発生動向調査週報(速報) 平成 28 年第 27 週(7 月 4 日~7 月 10 日) 兵庫県感染症情報センタ-(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) Hyogo Infectious Diseases Weekly Report 全国の情報は国立感染症研究所感染症疫学センタ-ホ-ムペ-ジにてご覧ください。 http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html 定点把握感染症(指定された医療機関から報告を求める感染症です) ヘルパンギーナ 手足口病 定点あたり患者数は今週 4.27 人(先週 3.03 人)と 定点あたり患者数は今週 0.64 人(先週 0.31 人)と 増加が継続しています。地域的には、西宮市と加東 増加し始めました。地域的には、福崎保健所管内で 保健所管内で警報レベル開始基準値(定点あたり患 警報レベル開始基準値(定点あたり患者数 5 人)以 者数 6 人)以上となっています。 上となっています。 今年、県内の定点医療機関から報告されたヘルパ 今年、県内の定点医療機関から報告された手足口 ンギーナの患者数は 1,433 人となり、その年齢分布 病の患者数は 312 人となり、その年齢分布は、1 歳 は、1 歳 31%、2 歳 23%、3 歳 14%の順で、0~5 歳 33%、2 歳 17%、4 歳 12%の順で、0~5 歳が全体の が全体の 93%を占めています。 86%を占めています。 ヘルパンギーナは夏型の感染症で、流行し始める 手足口病の感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口 と乳幼児の間で急速に患者数が増加する傾向があり 感染などです。保育園や幼稚園などの乳幼児施設に ます。特異的な予防方法はありませんが、患者との おける感染予防では手洗いの励行と排泄物の適正処 濃厚接触を避けること、手洗いの励行、おしめ等の 理が基本となります。 洗濯物の日光消毒などがあげられます。 手足口病の定点あたり患者発生状況(県内) ヘルパンギーナの定点あたり患者発生状況(県内) 12 8 平成24年 平成24年 平成25年 6 10 平成25年 平成26年 平成26年 8 平成27年 平成28年 人 4 平成27年 平成28年 人 6 4 2 2 0 0 1 4 1 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 週 定点あたり患者数の上位 10 位の疾病 疾病名 定点あたり患者数 今週 増減 疾病名 先週 定点あたり患者数 今週 増減 先週 1位 感染性胃腸炎 5.67 6.67 -1.00 6位 手足口病 0.64 0.31 +0.33 2位 ヘルパンギ-ナ 4.27 3.03 +1.24 7位 突発性発しん 0.53 0.53 ±0.00 3位 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 2.00 2.04 -0.04 8位 流行性角結膜炎 0.40 0.46 -0.06 4位 流行性耳下腺炎 1.18 1.16 +0.02 9位 水痘 0.37 0.31 +0.06 5位 マイコプラズマ肺炎 0.73 0.36 +0.37 10 位 咽頭結膜熱 0.34 0.61 -0.27 検査情報(兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センター) 感染性胃腸炎患者 4名のうち、2名(5歳, 5/23 便採取、1歳, 5/26 便採取)からノロウイルスGⅡ.3、1名 (1 歳, 5/20 便採取)からA群ロタウイルスG2、1名(10歳, 6/3 便採取)からサポウイルスGⅡを検出しました。 気管支炎患者 1名(1歳, 6/3 鼻腔ぬぐい液採取)から、ヒトメタニューモウイルスを検出しました。 平成 28 年 7 月 14 日発行 全数把握感染症(すべての医療機関から報告を求める感染症です) 腸管出血性大腸菌感染症 今週 11 名の報告があり、今年の累積患者数は 28 名となりました。O 血清群別では、O157 が 26 名か ら、O121 と O26 が各 1 名から検出されました。 年齢階級別では、10 歳未満 39%、30 歳代 18%、60 歳代 14%の順で多くなっています。 夏期の流行期に入っています。肉・レバーなどの 食品はよく加熱し、生食は控える、箸を使い分ける、 普段から手洗いを励行するなどの感染予防が大切で す。溶血性尿毒症症候群(HUS)等の重篤な合併症 を発症しやすい小児・高齢者は特に注意が必要です。 1 類感染症 2 類感染症 3 類感染症 4 類感染症 5 類感染症 平成 28 年 26 週までに診断 されたものの 報告遅れ 腸管出血性大腸菌感染症の週別患者数(県内) 16 14 平成24年 平成25年 12 平成26年 10 平成27年 平成28年 人 8 6 4 2 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 報告はありません。 結核 12名(尼崎市 3 名、姫路市 1 名、伊丹保健所管内 1 名、明石保健所管内 2 名、加古 川保健所管内 2 名、龍野保健所管内 1 名、赤穂保健所管内 1 名、洲本保健所管内 1 名) 腸管出血性大腸菌感染症 11名(有症者 9 名、うち HUS 0 名)(①神戸市;O157 VT2; 男性 10 歳、②神戸市;O157 VT1VT2;女性 8 歳、③神戸市;O157 VT2;男性 6 歳、④神戸市; O157 VT2;女性 30 歳代、⑤神戸市;O157 VT1VT2;男性 3 歳、⑥神戸市;O157 VT2;男性 7 歳、⑦神戸市;O157 VT1VT2;女性 20 歳代、⑧尼崎市;O121 VT1VT2;男性 10 歳代、⑨姫 路市;O157 VT1VT2;女性 30 歳代、⑩宝塚保健所管内;O157 VT1VT2;女性 70 歳代、⑪加 東保健所管内;O157 VT 型不明;男性 7 歳)(累積報告数 28 名;有症者 23 名、うち HUS 0 名) レジオネラ症 1名(神戸市;肺炎型;男性 40 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:空き缶 回収作業時) アメーバ赤痢 1名(神戸市;腸管外アメーバ症;男性 70 歳代;感染地域:兵庫県;感染経 路:同性間性的接触) カ ルバペネ ム耐性腸 内細菌 科 細菌感 染症 1 名 (西宮市;女性 60 歳代; Klebsiella pneumoniae;感染地域:兵庫県;感染経路:他院での保菌の可能性) 急性脳炎 2名(①神戸市;病原体不明;男性 5 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:不明、 ②神戸市;病原体不明;男性 0 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:接触感染) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1名(洲本保健所管内;女性 60 歳代;感染地域:兵庫県; 感染経路:不明) 侵襲性肺炎球菌感染症 1名(明石保健所管内;女性 60 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路: 不明) 梅毒 3名(①尼崎市;早期顕症梅毒Ⅱ期;女性 10 歳代;感染地域:兵庫県;感染経路:異 性間性的接触、②尼崎市;先天梅毒;女性 0 歳;感染地域:兵庫県;感染経路:母子感染、 ③龍野保健所管内;早期顕症梅毒Ⅰ期;男性 70 歳代;感染地域:台湾;感染経路:性的接触) 結核 5名 劇症型溶血性レンサ球菌感染症 1名 後天性免疫不全症候群 2名 梅毒 1名 平成 28 年 7 月 14 日発行 目で見る動向(県内) 3.5 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 3 2.5 人 流行性耳下腺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 2.5 2 平成22年 平成24年 平成26年 平成28年 2 平成23年 平成25年 平成27年 1.5 人 1 1.5 1 0.5 0.5 0 0 1 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 1.5 3.5 人 人 2 平成24年 平成24年 平成24年 平成25年 平成25年 平成26年 平成26年 2.51 平成27年 平成27年 平成28年 平成28年 2 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 マイコプラズマ肺炎の定点あたり患者発生状況(県内) 咽頭結膜熱の定点あたり患者発生状況(県内) A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の 定点あたり患者発生状況(県内) 3 4 平成25年 1.5 平成26年 平成27年 平成28年 人 1 1.5 0.5 0.5 1 0.5 0 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 1 4 7 10 13 16 19 22 25 週 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 朝来保健所管内で、定点あたり患者数が警報レベル 開始基準値である 3 人となっています。 急性脳炎の累積患者数(県内) 30 25 20 梅毒の累積患者数(県内) 90 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 80 70 60 人 15 人 50 40 10 30 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 20 5 10 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 0 1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 週 この週報は兵庫県立健康生活科学研究所:健康科学研究センタ-ホ-ムペ-ジ http://www.hyogo-iphes.jp/ にも掲載しています。 また、http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html から国立感染症研究所感染症疫学センタ-の週報(IDWR)がダウンロ-ドできます。
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