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The Japanese Clinical Orthopaedic Association
第 29 回日本臨床整形外科学会学術集会
2016 年 7 月17 日(日)∼ 18 日(月・祝)
ランチョンセミナー 12
日時
場所
ロイトン札幌
1 階 キャッスル
座 長
小野 直司 先生
小野整形外科クリニック 院長
■認定単位 : 日本整形外科学会 専門医資格継続単位(N)1 単位
■必須分野 : [12] 膝・足関節・足疾患
演 者
三谷 茂
先生
川崎医科大学 骨・関節整形外科 教授
本セミナーへの入場は、整理券をお持ちの方ならびに単位申込をされた方を
優先とさせていただきますので、あらかじめご了承ください
共催:第 29 回日本臨床整形外科学会学術集会/あゆみ製薬株式会社
Abstract
川崎医科大学 骨・関節整形外科 教授
三谷 茂
本邦の変形性股関節症(股関節症)は、寛骨臼形成不全に起因する二次性が多く、
病期の進行に伴い症状が出現する。外来での保存療法は病期の進行予防および症
状の緩和が目的となる。これは薬物を用いない治療と薬物療法に大別される。
A. 薬物を用いない治療
生活指導(患者教育)
:股関節症の理解と日常生活動作の指導が重要となる。股関
節への負担を減らすように指導する。可動域の維持を目的に周囲筋のストレッチや
jiggling(貧乏ゆすり体操)を指導する。これらについて、治療継続の必要性につい
て説明する。
運動療法:一般的に前・初期股関節症においては筋力強化を目的とした運動処方
を行う。股関節を安定させ関節を保護する周囲筋や姿勢維持に重要な腹筋を中心
に行う。進行期・末期股関節症においては筋力維持、関節可動域維持を目的とした
運動処方を行う。疼痛を伴う運動は避けることが重要であり、殿筋群以外の筋が中
心となる場合が多い。
B. 薬物療法
アセトアミノフェン、NSAIDs:疼痛緩和と日常生活動作の改善が得られるため、症
状緩和を目的としての使用は推奨できる。アセトアミノフェンは COX 阻害が弱く有
害事象は少ないため、欧米においては第一選択となっている。NSAIDs は効果は強
いが、COX 阻害作用による胃腸障害などの有害事象が報告されている。いずれも
関節破壊阻害効果はなく、対症療法にすぎない。長期間の漫然とした使用は避ける
べきで、他の保存療法併用による減量や中止、もしくは観血的療法への移行も考慮
する必要がある。
グルコサミン、コンドロイチン:軟骨基質を構成するプロテオグリカンに含まれるも
ので、従来から広くサプリメントとして使用されてきた。長期的な有効性や病期の進
行予防効果については不明である。
2016 年に変形性股関節症診療ガイドラインが改訂されたので、新ガイドラインに
沿って保存療法について解説を行う。