「教育基本法」と「新・教育基本法私案」

資 料 1 現行「教育基本法」と「 新・教育基本法私案」との相違点
旧( 現 行 教 育 基 本 法 )
新
・
教
育
基
本
法
私
案
1]前文
憲法の趣旨に基づき、普遍的原理を表記。
基本法に「普遍性」
「国民性」
「時代性」の視点を織り込んでいる。
「普遍性」の一つとして道義・道徳の項を明示し、「国民性」を形
成するものとして、国際感覚を高めることと共に、民族の歴史・伝
統や、国を愛する心の伝承を明記した。
「時代性」については、来
るべき社会を高度な知識社会、価値観の多様な社会、グローバル化
が進んだ社会と位置づけ、それに適応する教育を目指している。
2] 教育の目的
普遍的価値に基づき人格の完成を目指す。
国の歴史・伝統・文化の正しい継承をベースに、潜在的に有する道
徳的・知的能力を発揮させ、立派な日本人の育成を目的としている。
3] 教 育 目 的 の 実 現
教育目的を実現するために家庭の位置づけを明確にした。
4] 学 校 選 択 の 自 由
教育の供給者側への経済的支援が中心となっており、学 バウチャーを教育の需要者(親権者・子女)に支給することにより、
校選択の余地は少ない。
学校選択の自由を拡大し、学校間の教育競争を促進する発想に立っ
ている。
5] 教育の義務
9年間としている。
6] 学 校 教 育
[ 学校設立]
国又は地方公共団体と法律に定める法人のみが設立でき 一定の要件を満たし、かつ教育内容を公開することによって、誰も
る。
が自由に学校を設立することができる。
年限にこだわらない。しかし、一定水準の目標達成を親権者と子女
の双方に努力目標として課している。
[ 教員の養成と身分]
教職課程の履修が条件、また身分保障が過度である。
各学校の資格認定を受けられることになり、これにより、意欲と適
性のある教員の採用が各学校ごとに可能となる。
[ 社会奉仕活動]
触れていない。
学校教育の一環として位置づけている。
7] 社 会 教 育 と 生 涯 学 習
社会教育として位置づけている。
生涯学習の立場から支援策を広げている。
8] 宗 教 教 育
国及び地方公共団体が設置する学校は、宗教教育そのも 特定の宗派のための宗教教育と宗派的活動を禁じているが、宗教一
のを禁じている。
般の教育については禁じていない。
9] 教 育 行 政
教育権を誰が有し、誰に信託されているか不明。
教育権が親権者と子女にあることを明確にし、校長に信託されるこ
とを明記。また、教育行政の主体が、地域にあることも明示してい
る。なお、新・教育基本法は時代の要請に即しているかどうかを、
15年ごとに再点検することを掲げている。