郷土の文化財 平成28年度鹿児島県指定文化財 文化財課 平成28年度県指定文化財 平成28年4月19日に,県指定文化財として4件 を指定し,1件の追加指定しましたので紹介しま す。これで本県の指定文化財は合計290件となりま した。 有形文化財(彫刻) 2件 「大蔵寺の木造阿弥陀如来立像」 (だいぞうじのもくぞうあみだにょらいりゅうぞう) 本像は,一木造 り,像高62.5㎝の 木造阿弥陀如来像 です。 大蔵寺(曽於市 末吉町二之方)に まつられており, 寺記によれば,嘉 吉2(1442)年に, 僧了願が京都にお いて本願寺七世存 如より「大蔵寺」 寺号を授かり,帰 郷する際に本像を 持ち帰ったと伝え られています。中 世の素朴な作風を 示しています。 大蔵寺の木造阿弥陀如来立像 「虎丸の木造薬師如来立像」 (とらまるのもくぞうやくしにょらいりゅうぞう) 本像は,一木造り,像 高 6 8.9㎝ の 木 造 薬 師 如 来 像です。曽於市末吉町虎 丸地区の祠にまつられて いたとされ,現在は曽於 市の歴史資料館に保管さ れています。本像の作柄 をみると,面部は素朴で 大振りな面立ちで,細か い抑揚を省いた表現であ り,こうした表現が特徴 的である室町時代後期 (16世紀前半)ころの制 作と考えられており,貴 重な文化財です。 虎丸の木造薬師如来立像 有形文化財(考古資料) 「天神段遺跡出土品」 (てんじんだんいせきしゅつどひん) 天 神 段 遺 跡 は, 曽 於 郡 大 崎 町 野方 に あ り , そ こ から 出 土 す る 品 々 は, 種 類 が 豊 富 で ,県 内 の 中 世 墓 の 出土 遺 物 の 中 で も 屈指 の 情 報 量 と 質 を誇 っ て い ま す 。 中で も 青 磁 や 白 磁 など の 中 国 産 陶 磁 器や 化 粧 道 具 の 鏡 や紡 織 関 連 遺 物 , 鉄製 武 器 等 が 出 土 する こ と は , こ れ らを 入 手 で き る 権 力を 持 つ 支 配 者 層 の墓 で あ る こ と を 示唆 しているものと考 えられています。 天然記念物 1件 天神段遺跡出土品 1件 「スレッドレーススコリア」 スレッドレーススコリア(鹿児島県立博物館所 蔵・展示,横幅約2m)は,大正三年(1914)の桜 島噴火の際に,山口鎌次氏によって発見されまし た。分析の結果,花崗閃緑岩(かこうせんりょく がん)を母岩と し,噴火で放出 された際に減圧 発泡したことで 形成されたと考 えられています。 日本産のスレ ッドレーススコ リアを博物館で 展示しているの は,現在のとこ スレッドレーススコリア ろ鹿児島県立博 物館だけです。 有形民俗文化財-追加指定 「山宮系神舞の仮面及び衣装」 (やまみやけいかんまいのかめんおよびいしょう) 平成21年に指定したものに,今 回仮面12面を追加指定しました。 山宮系神舞の仮面
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