完全フリーの人気CAD KiCadで回路図を作る

第 2 特集 ラズベリー・パイ用アナログ・シールド 製作チャレンジ
第2章
12 ビット× 8 チャネルの A−D コンバータと
ラズベリー・パイを SPI 接続
完全フリーの人気 CAD
KiCad で回路図を作る
1
其の二
志田 晟
2
Akira Shida
3
KiCad操作の範囲
回路図エディタ(EESchema)
あり
ライブラリ・
エディタの管
理がポイント
フット
プリント
作成
コンポーネント:回路部品
フットプリント:部品の基板上のデータ(パッド/穴)
ライブラリ・
エディタの管
理がポイント
基板発注
ガーバ・チェック
ガーバ・データ作成
基板作図作業
ネットリスト作成
部品選定もここ
で行っておく
なし
フットプリント割り付け
あり
コンポー
ネント
作成
未登録フットプリント
アノテーション・ERC
回路図作業
未登録コンポーネント
元回路図︵手描き︶作成
回路・基板仕様を決める
なし
App
基板エディタ(Pcbnew)
ガーバ・
ビューア
で確認す
る
アノテーション:部品への番号付け
ERC:電気的なルール・チェック
図 4 回路図作成からガーバ・データ作成,発注までの流れ
(基板設計ツール KiCad バージョン 4 を使用)
やみくもに基板 CAD を動かし始めても,なかなか
基板データはできあがりません.
どのような機能の回路を作るのかという構想・内容
を明確にし,作業全体の流れを把握して必要なデータ
を準備してから取り掛かると,基板設計の作業が効率
が上がります.
KiCad( 主にバージョン 4)を想定した,基板の設計
から発注までのおおよその流れを図 4 に示します.
STEP1:基板の仕様をまとめる
センサ・モジュールから出力されるアナログ信号を
ディジタル・データに変換する,センサ・モジュール
は 4 個以上つなげられるようにする,など回路の機能
をまとめ,仕様を決めます.回路の条件などをリスト
アップします.
● A−D コンバータは入手しやすい MCP3208
PiAD ボードの主要な機能は,ラズベリー・パイと
アナログ信号をインターフェースすることです.
複数のアナログ入力源に対応したいので,8 チャネル
入力で分解能 12 ビットの A−D コンバータ MCP3208
2016 年 7 月号
を選びました.秋月電子通商などで販売されていて入
手しやすく,ラズベリー・パイと組み合わせた実例が
多いという理由で選択しました.
● ラズベリー・パイとの接続方法
PiAD ボードの機能を図 2 に示します.
ラズベリー・パイの GPIO ピン・ヘッダに直接とり
つけることができます.ピン・ヘッダから 40 ピンの
フラット・ケーブルで配線を引き出し,その先に取り
付けることもできます.
PiAD ボードをラズベリー・パイに直接取り付ける
と,GPIO が す べ て ふ さ が り ま す. さ ら に 外 部 へ
GPIO 信号が取り出せるよう,GPIO ピン・ヘッダと
同じ配置のヘッダを基板上に配置しました.
● センサ・モジュールを直結できる入力端子
A−D コンバータへアナログ信号を入力するために,
ピン・ヘッダを基板の端に並べることにしました.ピ
ン・ヘッダに,外部のセンサからの線を繋いで使いま
す.
外部センサは,電源を必要とするので,信号だけで
なく電源と GND もピン・ヘッダに出してあります.
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