別紙様式1 平成27年度学術研究推進経費 共同研究推進経費 研究成果

別紙様式1
平成27年度学術研究推進経費 共同研究推進経費
プロジェクトの名称
報告者氏名・所属・職名
プロジェクト担当者
(氏名・所属・職)
研究成果概要報 告 書
器楽演奏を中心とした日本伝統音楽の授業開発
渡辺 景子 ・ 附属札幌中学校 ・教諭
寺田 貴雄 ・ 札幌校 ・ 教授
石出 和也 ・ 札幌校 ・ 准教授
小林美貴子 ・ 札幌校 ・ 講師
研究内容及び成果の概要
現行の学習指導要領で求められている、我が国や郷土の伝統音楽の指導の充実を図るため、また、その具体
的指導事項として、和楽器について表現活動を通して伝統音楽のよさを一層味わうことができるようにするこ
とを達成するための研究である。しかし、我が国の音楽文化に関する学習は未だ鑑賞が中心であり、歌唱や器
楽などの学習についても、鑑賞のための体験としての位置づけでしかなく表現活動を通してよさを味わうよう
な学習には至っていない。本プロジェクトは、「A表現」領域の中でも(2)器楽に重点をおき、和楽器の表現
活動を通して我が国の伝統音楽のよさを感じ取れるような授業開発を目指すものである。また、「B鑑賞」領
域と関連させ、音楽をその背景となる文化・歴史と関連づけながら我が国の音楽文化への理解を深めていくこ
ととした。
具体的には、第2学年「邦楽囃子に親しもう」の授業開発を行った。邦楽囃子の中でも打ちもの(小鼓・大
鼓・太鼓)を扱い、既習の箏曲「さくらさくら」を教材として合奏を試みた。音色や奏法への興味から、日本
の音楽ならではの重なりや間のよさへと、箏だけの演奏とは異なる日本伝統音楽のよさに気付かせることがで
きた。
授業開発において重視した点は、教師とゲストティーチャーの授業における関わりである。具体的には、ゲ
ストティーチャーの演奏を鑑賞したことを演奏の指標としたり、ゲストティーチャーとともに合奏したりする
ことを取り入れながら授業を構成した。その結果、生徒の学習意欲が高まり、邦楽囃子特有の所作や音色、間
について自分なりの考えをもつことができるようになった。最初は「ゲストティーチャーが教えてくれたこと
」という知識だったものが、断続的な関わりと生徒同士の意見交流により、「邦楽囃子を体験して感じたこと
、学んだこと、大切にしたいこと」という実感へと変わっていく様子が見られた。器楽と鑑賞の学習事項の関
連という点では、歌舞伎「勧進帳」を取り上げ、自らの演奏体験と比較しながら鑑賞する、囃子と長唄・囃子
と舞との関わりを考えながら鑑賞するなど、器楽の学習事項を応用しながら鑑賞することができた。
当該研究で残された課題と今後の展望
他の題材との関連を図り、年間指導計画へどのように位置づけるかが課題である。また、教材である楽器や
ゲストティーチャーの関わりを含め、多くの学校で実践が可能な形に整理する必要がある。
成果の公表の状況
・平成27年度
・平成27年度
北海道教育大学附属札幌中学校 教育研究大会 公開授業・研究討議
国立教育政策研究所 教育課程研究センター 関係指定事業研究協議会
教育現場で活用可能な分野等
中学校音楽科授業において、日本伝統音楽の学習、器楽と鑑賞の関連を図った学習として、応用が可能である。
配布又はダウン ・冊子体:北海道教育大学附属札幌中学校(2015)『「学びの主体者」となる生徒の育成-
ロード可能な資
「問い」を活かす授業の探究-(最終年次)研究紀要』第61集.
料
・附属札幌中学校ホームページ(http://www.hue-fsj.ed.jp/)にて研究成果を公開予定
問い合わせ先
代表者: 渡辺 景子 (附属札幌中学校)
電 話: 011-778-0481
FAX : 011-778-0483
mail : [email protected]