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第一回 輪講
~需要予測について~
60803700
大井 憲人
需要予測が行われている市場
• 製造業
• 流通業
• 医療
• 公共物
• エネルギー
Etc..
需要予測の必要性
• 精度の高い需要予測は企業の発注・販売計画を
助ける。
• 納期短縮・欠品削減
⇒顧客満足度向上
• 在庫削減
⇒キャッシュフロー最大化
需要とは
• ある商品に対して需要があるということは、消
費者がその商品を購入したいと思い、かつ確実
に購入することが出来ることを意味する。
• 需要が顕在化するためには・・・
消費者が購入したいと思うこと。
消費者の制約を満たすこと。(お金、所持する
環境など)
需要の分類
顕在需要
購入が
•決まった
•済み
現実条件
潜在需要
創出需要
企業の努力により
欲望と条件を
満たす
購入の欲望
ゼロ需要
需要の特性
• 相関性
現在の需要が過去の需要や他の品物の需要に比
例して増減する性質
• 不確実性
需要が多くの要因の影響をうけるときに、需要
の変動を確実に把握することができない性質
• 連続性
多くの場合需要が1回限りではなく、継続的に
発生する性質。
需要の変動
• 需要の変動は需要が確実か不確実か、平均が安
定しているか変動しているかによる。よって、
四つに分類することが出来る。
a.確実安定需要
b.確実変動需要
c.不確実安定需要
d.不確実変動需要
需要予測
• 需要予測の方法にはいくつかの方法がある。
• 時系列分析(傾向変動、循環変動、季節変動、
不規則変動の合成)
移動平均法
指数平滑法
ARIMAモデル
• 回帰分析
• ニューラルネットワーク
需要予測
• 分析対象が市場投入初期の新製品の場合
時系列分析・回帰分析
⇒短い時系列データしか習得できないため困難。
類似製品のデータから規則性を推定し、新製品
の需要予測に用いられているが予測精度が低い
という問題がある。
需要予測
ニューラルネットワーク
⇒過去のデータを学習させることにより自動的に
非線形的な関係を求めるもので、データ量に左
右される。また初期値によって局所解に陥りや
すかったり、トレンドや季節変動において過学
習してしまったりといった欠点がある。
需要予測
• 新製品の場合
Bassモデル(購買行動に作用する外力と内力の
2つを用いる方法。)
ゴンペルツ曲線
ロジスティック回帰
ファジィ理論・遺伝的アルゴリズム(GA)を用
いたニューラルネットワーク
Bassモデルの紹介
Frank. M. Bass, (1969)
"A New Product Growth Model for Consumer
Durables," Management Science, 15
Bassモデル
• F.M.Bassによって提案された新製品、特に耐久
消費財の拡散過程を模擬するモデルをBassモデ
ルという。
• Bassは「時点tまでの未購入者が耐久消費財を
期間(t,t+Δt)に購入する確率h(t)Δtは、他人に
惑わされない購入意欲(innovation効果)と既
購入者xtが増えてくると乗り遅れまいとする気
持ち(imitation効果)との和で表現される」と
考えた。
Bassモデル
• 普及購買に与える影響は2つあると仮定される
innovation効果
外的影響 マスコミ、広告など
imitation効果
内的影響 すでに購買した消費者によってもた
らされる口コミなど
Bassモデル
m : 総需要
F (t ) : 時点tまでに購入している人 の
累積確率分布
F (t )  
t

f (t )dt  xt / m
Bassモデル
tまでの未購入の条件付 確率密度関数を
b
h(t )  f (t ) /1  F (t )  a  xt ....(1)
m
lim t  xt  m....(2)
a は innnovation効果
dxt
m  f (t ) 
....(3)
dt
b·xt/m は imitation効果
を表す
Bassモデル
式 (1)は式 ( 2), (3)を使うと
dxt / dt
b
 a  xt ....( 4)
m  xt
m
あるいは
dxt
 ( m  xt )( p  qxt )....(5)
dt
b
p  a, q 
m
と表現できる。
Bassモデル
以上の式を解くと
m1  c0 exp  (a  b)t
xt 
b
c0 exp  (a  b)t 1
a
ただし、 x0 : 時点0での購入者数
b
c0  (m  x0 ) /( m  x0 )
a
である。 ( x0  0, すなわち c0  1を
標準モデル
とすることもある。
)
Bassモデル
式 (5)で p  0のとき
dxt
 xt (mq  qxt )
dt
となり、 Bass モデルはロジスティッ
含んでいると言える。
クモデルを
ロジスティック曲線も製品の成長を表す
曲線である。
また市場規模を求めることができ、
中長期生産量決定の参考とすることが
出来る。
Bassモデル
f (t )または dxt / dtは
1
a
t 
log
;b  a
ab
bc0

で最大となり、その時
xt   m(b  a) / 2b
である。
の xt は
Bassモデルの特徴
• Innovation,Imitation効果のパラメータの値を変
化させることにより、多様な普及パターンに対
応が可能
• 適用事例
耐久消費財、排出量予測、科学技術など
Bassモデルの購買率の時間変化
• p=0.01(innovation効果)<q=0.1(imitation効果)
f(t)
0.035
0.03
0.025
t*=20.9325
0.02
0.015
f(t)
0.01
0.005
0
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70
市場導入後の経過時間
Bassモデルの累積購買率の時間変化
• p(innovation効果)<q(imitation効果)
F(t)
1.2
1
0.8
0.6
F(t)
0.4
0.2
市場導入後の経過時間
99
96
93
90
87
84
81
78
75
72
69
66
63
60
57
51
54
48
45
42
39
36
33
30
27
21
24
18
15
12
9
6
3
0
0
Bassモデルの購買率の時間変化
• p=0.1(innovation効果)>q=0.01(imitation効果)
f(t)
0.035
0.03
0.025
0.02
0.015
f(t)
0.01
0.005
0
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70
市場導入後の経過時間
Bassモデルの累積購買率の時間変化
• p(innovation効果)>q(imitation効果)
F(t)
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
F(t)
0.4
0.3
0.2
0.1
0
3
6
9
12
15
18
21
24
27
30
33
36
39
42
45
48
51
54
57
60
63
66
69
72
75
78
81
84
87
90
93
96
99
0
市場導入後の経過時間
次回予定
• 実際の新製品では、Bassモデルを利用しても高
精度の予測値が得られない場合が多い。その理
由として、Bassモデルの内力が示す口コミ効果
が、製品サイクルの中で一様に作用しているこ
とが考えられる。
• Bassモデルの購買率f(t)の時間変化は、最適解を
境に対称となる。この対称性は口コミ効果が新
製品内で一様に作用することを意味する。
次回予定
• しかし実際には、ライフサイクル全体で口コミ
効果が一様に作用する場合は少なく、導入期や
成長期の方が衰退期よりも口コミ効果は大きく
なると考えられる。
• 現在読んでいる論文をもとに、Bassモデルを用
いた他の普及モデルを学ぶ予定。
参考文献
• 生産マネジメント
/ 曹徳弼
• 不均一な内力作用を持つ新製品需要予測モデル
/日立東日本ソリューションズ 研究開発部
手塚 大