株式会社 2015.09.20 全就連 社会保険ワンポイント情報 8号 今月のテーマ 月額変更届について 社会保険に加入している事業所の従業員の 普段の給与に多少の変動があっても毎月の 社会保険料額は変更しません。それは、毎月、 変動する給与を基に保険料を算出し、 保険料 額を変更するのは大変だからです。したがっ て」、社会保険ではあらかじめ定めた枠の中に ある金額の報酬は同じ等級として「標準報酬 月額表」を決めています。 この「報酬」に、昇格とか昇進等固定的賃金 に変動があり、その結果大幅に標準報酬月額 に変動があったときは、一定の条件を満たした 場合について「標準報酬月額」を変更しなけれ ばなりません。 月額変更届の提出が必要となる人 ◆固定的賃金の変動または賃金体系の変 更があったとき 固定的賃金とは基本給とか職能給、家族手 当など毎月決まった金額の ことで残業代と か歩合給とか毎月変動する給与は含まれま せん。賃金体系の変更とは日給が月給に、 月給が歩合給になったとか、手当ての額が 変動、あるいは新設されたなどをいいます。 ◆変動月以降引続く3ヶ月間のどの月も報 酬の支払対象日数が17日以上あるとき。 月給制の場合は、給与計算の基礎が暦日 で、日曜日や有給休暇も含まれるため、 出 勤した日数に関係なくその支払対象期間の 暦の日数が、支払基礎日数となります。 日給制の場合は、出勤日数が、支払基礎 日数となります。有給休暇も、もちろん含み ます。 ◆3ヶ月間に受けた報酬の平均額をもとに 等級表から算出した標準報酬(仮)が、現在 の標準報酬とくらべて2等級以上の差を生じ たとき (変動が昇給のときは、2等級以上上がり、 降給のときは2等級以上下がったとき。) 4月昇給が5月に実施される等の遡及の場 合は、実際に昇給される5月が3ヶ月平均の 開始月です。その場合4月分の遡及額(残業 遡及なども含め)は除いて計算します。 対象とならない場合 1.固定的賃金は上がったが、残業手当など の非固定的賃金が減ったため、変動後の引 き続いた3か月分の報酬の平均額による標準 報酬月額が従前より下がり、2等級以上の差 が生じた場合。 2.固定的賃金は下がったが、非固定的賃 金が増えたため、変動後の引き続いた3か月 分の報酬の平均 額による標準報酬月額が従 前より上がり、2等級以上の差が生じた場合。 標準報酬の改定される時期 昇給または降給等によって月額変更に該当す れば、変動月の4ヶ月目から標準報酬が改定 されます。たとえば、4月に昇給で随時改定に 該当すると7月から標準報酬が改定されます。 これを「7月月変」と呼び、給与からの天引きは 1ヶ月遅れますから、実際に変更の効果が給 与に反映するのは給与改定後5ヶ月後の8月 からになります。
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