科目5福祉・医療・介護サービス利用における実務と留意点

市民後見人基本実務研修
科目5 福祉・医療・介護サービス
利用における実務と留意点
2016.2.28(日)
一般社団法人 三重県社会福祉士会
社会福祉士 井谷 礼
この科目でお伝えすること
 成年被後見人・被保佐人・被補助人が福祉・医療・介護
サービスを利用される際に知っておきたい実務と留意点を
お伝えします。
 介護保険制度
 障害者総合支援法
 医療保険制度
介護保険制度
運営主体(保険者)
市町村(事業計画策定)
事業者の指定
都道府県
(地域密着型サービスに限り市町村)
加入する人(被保険者)
第1号被保険者(65歳以上)
第2号被保険者(40歳~64歳)
年金から天引、または個別納付
医療保険料に上乗せ
サービスを利用できる人
第1号被保険者で、要介護認定の申請で介護や支援が必要と認定された人
第2号被保険者で、特定疾病により介護や支援が必要と認定された人
1.がん【がん末期】 2.関節リウマチ 3.筋萎縮性側索硬化症 4.後縦靱帯骨化症 5.骨折を
伴う骨粗鬆症 6.初老期における認知症 7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及び
パーキンソン病 8.脊髄小脳変性症 9.脊柱管狭窄症 10.早老症 11. 多系統萎縮症 12.
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 13.脳血管疾患 14.閉塞性動脈硬
化症 15.慢性閉塞性肺疾患 16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
要介護度と区分支給限度額(在宅サービス費)
区 分
支給限度
(点)
1か月に利用できる
金額の上限
(目安)
上限まで利用した
場合の自己負担額
(目安)
要支援1
5,003単位
50,030円
5,003円
要支援2
10,473単位
104,730円
10,473円
要介護1
16,692単位
166,920円
16,692円
要介護2
19,616単位
196,160円
19,616円
要介護3
26,931単位
269,310円
26,931円
要介護4
30,806単位
308,060円
30,806円
要介護5
36,065単位
360,650円
36,065円
加算の種類:
特別地域加算、「中山間地域等に所在する小規模事業所」に対する加算、
「通常の事業の実施地域」を越えて「中山間地域等」に居住する者にサービス
提供した事業所の加算
介護保険制度
「サービスの利用」
ケアプランに基づいて、サービス提供事業者
や介護保険施設と契約を結び、サービスを利
用する。
サービスにかかる費用の1割は自己負担。
ただし、区分支給限度額を超えた部分は、全
額自己負担となる。
介護保険制度
支給限度額管理の対象とならないサービス
福祉用具購入費(10万円/年)
住宅改修費(20万円)
居宅療養管理指導
特定施設入居者生活介護
認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)
施設サービス
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護保険制度
「ケアプラン作成」
介護保険のサービスは、
作成されたケアプランにより実施される。
ケアプランは、介護や支援の必要性に応じてケアマネ
ジャー(介護支援専門員)がサービスを組み合わせて作
成する。これを「ケアマネジメント」「居宅介護支援」という。
要介護1~5はケアマネジャー
要支援1~2は地域包括支援センター(市町村)がケアプ
ランを作成。
(自分で作成してもよい→自己作成、セルフケアプラン)
注:ケアプランの作成費用は自己負担なし
介護保険制度
●ケアマネジャーの職種
医師・歯科医師・薬剤師・看護師・保健師・理学療法士
・作業療法士・言語聴覚士・歯科衛生士・義肢装具士
・栄養士・社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士
・相談援助業務従事者・ヘルパー2級資格者・・などで
経験5年以上、無資格ヘルパー・寮母など介護現場の
従事者で経験10年以上 ・・・で受験資格を得る
●ケアマネはどこに居る?
ケアマネの職種により
・地域包括支援センター
専門知識に違いがある
・居宅介護支援事業所
(介護事業所等に併設、独立型)
・介護保険施設
迷ったら、地域包括支援センターに相談!
介護保険制度
居宅とは、自宅と、介護施設以外の居住系施設(老人ホーム)を指す。
●在宅=居宅 ●居宅介護支援=ケアマネジメント
●訪問=家に来てくれる ●通所=施設に通う
●短期入所=ショートステイ
●通所生活介護=デイサービス
●通所リハビリ=デイケア=医療系デイ
●介護老人福祉施設=特別養護老人ホーム(特養)
●介護老人保健施設=老健
●介護療養型医療施設=療養型(H29年度末廃止)
●訪問介護=ホームヘルプ
●共同生活介護=グループホーム
●地域密着型~=市町村指定の少人数型~
●小規模多機能型~
=月定額でデイサービス・訪問介護・ショートステイのできる少人数型~
●特定施設=老人ホームの中で人員・施設・運営基準等を満たした施設
●療養通所介護≠通所リハビリ
(難病やがん末期等、医療と介護の両方が必要な中重度要介護者等が対象の1日預かり)
認定結果により違ってくるサービス内容
高齢者
要介護認定
非該当(自立)
*スクリーニング
非
該
当
特定高齢者
要支援
1 または 2
要介護
1~5
地域包括支援センター
居宅介護支援事業所
(要支援・要介護状態と
なるおそれのある者)
地域包括支援センター
(市町村)による予防施策
地域支援事業(負担なし)
介護予防
一般高齢者
施策
介護予防
特定高齢者
施策
(市町村)によるプラン作成
(業者)によるプラン作成
予防給付(1割負担)
介護給付(1割負担)
(回数・時間が大きく限られる)
●訪問・通所・短期入所
●地域密着型サービス
●福祉用具・住宅改修他
●介護施設への入所
●訪問・通所・短期入所
●地域密着型サービス
●福祉用具・住宅改修他
*スクリーニングは要介護認定時だけでなく、健診や家族・主治医の連絡などでも行われます
要介護認定非該当の場合
介護保険制度
地域支援事業の対象に!
市町村(地域包括支援センター)が行う介護予防事業
元気な
高齢者
虚弱な
高齢者
要支援
1・2
要介護
1~5
介護予防
一般高齢者
施策
介護予防
特定高齢者
施策
予防給付
メニュー
介護給付
メニュー
包括支援センター
(市町村)による
地域支援事業
介護保険事業者に
よる介護サービス
(予防給付プランは包括支援センターが作成)
要介護1~5のサービス(介護給付)
介護保険制度
在宅サービス
介護施設
【訪問・通所・泊まり】
介護療養型医療施設(H29廃止)
介護老人保健施設(老健)
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
●訪問介護(ホームヘルプ)
●訪問入浴介護
●通所介護(デイサービス)
●短期入所生活介護(特養ショート)
●訪問看護
地域密着型サービス
●訪問リハビリ
【訪問系・通所・泊まり】
●居宅療養管理指導
●夜間対応型訪問介護
●通所リハビリ(デイケア・医療系デイ)
●短期入所療養介護(医療機関ショート)
認知症対応型通所介護(認知デイ)
小規模多機能型居宅介護
【居住施設専用】
【居住施設専用】
●特定施設入所者生活介護
その他
●福祉用具貸与 ●住宅改修
●特定福祉用具販売
認知症対応型共同生活介護
(グループホーム)
地域密着型特定施設入所者生活介護
【介護施設】
地域密着型介護老人福祉施設
要支援1~2のサービス(予防給付)
介護保険制度
在宅サービス
地域密着型サービス
【訪問・通所・泊まり】
【訪問系・通所・泊まり】
●介護予防訪問介護(ホームヘルプ)
●介護予防認知症対応型通所介護
●介護予防訪問入浴介護
●介護予防通所介護(デイサービス)
●介護予防小規模多機能型居宅介護
●介護予防通所リハビリ(デイケア)
●介護予防認知症対応型
●介護予防短期入所生活介護(Sステイ)
●介護予防訪問看護
●介護予防訪問リハビリ
●介護予防居宅療養管理指導
●介護予防短期入所療養介護(Sステイ)
【居住施設専用】
●介護予防特定施設入所者生活介護
その他
●介護予防福祉用具貸与 ●住宅改修
●介護予防特定福祉用具販売
【居住施設専用】
共同生活介護 (グループホーム)
介護給付は原則出来高払い
予防給付は原則包括払い
予防給付はサービスは
内容・回数に大幅な
制限がある!
地域密着型サービスとは?
介護保険制度
都道府県指定の事業者だけでは地域のニーズに応えられず、
介護のために住みなれない地域へ転居することも・・・
市町村が地域ニーズに合わせて独自に指定・監督できる、小規模な6
つのサービス。原則としてその市町村に在住している人だけが利用できる
●小規模多機能型居宅介護(デイ・訪問・短期入所)
1つの施設で、デイサービスを基本に訪問・泊まりを定額払いで提供
●認知症対応型 通所介護 (認知デイ)
●認知症対応型 共同生活介護 (グループホーム)
●夜間対応型 訪問介護 (夜間巡回介護(トイレや徘徊不安)、通報への対応)
●地域密着型 特定施設入所者生活介護 (入所定員29人以下)
●地域密着型 介護老人福祉施設 (地域密着型特養:入所定員29人以下)
認知症患者は環境の変化に敏感! 認知症の方はなるべく地元
で!
介護保険制度
介護保険4大改正
①要支援1、2を介護保険給付の対象から
外す。
②特別養護老人ホームへの入所は
「要介護3」以上に限る。
③所得によって介護保険の負担割合を
2割に引き上げる。
④低所得者でも預貯金や不動産があれば
施設の居住費・食費を補助しない。
介護保険制度
要支援者の保険給付見直し
①要支援1,2のヘルパーとデイサー
ビスの給付を廃止し、市町村事業に
移行する。
②サービス内容や価格、利用者負担
は市町村の裁量で決める。
③ボランティアやNPOなども担い手に
してコスト削減を図る。
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
利用者の「希望によるサービス選択」は
介護保険制度
どうなる?
新しく事業の対象となる要支援者等について
「自らの能力を最大限活用しつつ、住民主体に
よる支援等の多様なサービスの利用を促す。」
「現行の介護予防訪問介護相当のサービス」
については、「認知機能の低下等により日常生
活に支障があるような症状や行動を伴うケース
等、訪問介護員による専門的なサービスが必
要と認められる場合に利用することが想定され
る」
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
特養は要介護3以上に限定
○ 特養については、中重度で、在宅での生活が困難
である要介護者を支える施設としての機能に重点化を
図るべき。そのためには、既入所者の継続入所にも配
慮しつつ、特別養護老人ホームへの入所を要介護3
以上に限定するべき
○ 今後、特養においては、看取りを行うことのできる
体制をより一層強化していくべき
○ あわせて、軽度の要介護者(要介護1及び2)を含
めた低所得高齢者の住まいを確保していく必要がある
2013年9月18日社保審介護保険部会資料より
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
介護保険制度
介護保険料を滞納したらどうなる?
<65歳以上の場合(第1号被保険者の場合)>
1年以上滞納
・通常は1割負担の介護サービス利用料の全額を自己負担しなければなら
ない。
・申請すれば、あとから9割部分は返還される。
1年6ヶ月以上滞納
・通常は1割負担の介護サービス利用料の全額を自己負担しなければなら
ない。
・申請すれば、あとから9割部分は返還される。
・差し止められた返還分から滞納している保険料が差し引かれる。
2年以上滞納
・介護サービス料の自己負担が1割から3割に引き上げられる。
・居住費の減額、食費の減額、高額介護サービスが受けられなくなる場合
もある。
<40歳~65歳未満の場合(第2号被保険者の場合)>
・全額利用者負担となる保険給付の制限を受けることがある。
介護保険制度
様々な減免制度があります。
高額介護サービス費支給制度
介護保険制度
様々な減免制度があります。
介護保険制度
様々な減免制度があります。
<社会福祉法人による「利用者負担軽減措置」>
生計が困難な低所得者の利用者の負担を4分の3に軽減する制度
・サービスを受けられる条件
住民税世帯非課税で、次の要件のすべてを満たす方のうち、収入や世
帯の状況、利用者負担等を総合的に考慮し、生計が困難と認められる方
年間収入が単身世帯で150万円(世帯員が1人増えるごとに50万円を加
算した額)以下。
預貯金等が単身世帯で350万円(世帯員が1人増えるごとに100万円を
加算した額)以下。
日常生活に供する資産以外に活用できる資産がない。
負担能力のある親族等に扶養されていない。
介護保険料を滞納していない。
旧措置入所者として実質的の軽減を受けている人は除く。
(ユニット型個室を除く)
介護保険制度
障害者総合支援法
<障害者総合支援法とは>
障害者自立支援法から、2012年(平成24年)6月に
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に
支援するための法律」(障害者総合支援法)として
新たに成立。2013年(平成25年)4月施行。
法律の基本的な構造は障害者自立支援法と同じ。
<障害者自立支援法とは>
障害者自立支援法は、2005年(平成17)10月成立、2006年(平成18年)4月施行。
従来の障害別ごとの法律に基づいていたサービスや公費負担が一元化され、
利用者が必要なサービスを共通の仕組みの中で利用できるようになった。
障害者総合支援法
■6つのポイント
①サービスの一元化
身体障害者福祉法、知的障害者福祉法など、障害ごとにまたがっていた点が見
直され、障害の種別にかかわらず、障害のある人の共通のしくみの中でサービス
が利用できるようになった。
②サービス事業体系の再編
障害者種別ごとだった33種類の施設、事業体型を6つの日中活動事業と居住支
援事業に再編され、自立支援給付などのサービス体系を構築。
③市町村がサービス提供
実施主体が都道府県と市町村に分かれていたものを市町村に一元化。
④サービス量・所得に応じた費用負担
応益負担(定率負担):利用者は、実際に利用したサービス量に応じて原則1割を
負担する定率負担とする。
(2010年)改正後→応能負担:家計の負担能力に応じたもので、給付費の月額は
福祉サービスの費用-負担上限月額となり、利用者負担は最大の場合で一割。
⑤就労支援強化
働くことを希望する障害者に対する就労支援を雇用政策と連携し強化。
⑥サービスの手続きの透明化・明確化
自治体ごと異なっていたサービス認定、支給決定の仕組みや基準にルールや審
査会を設け、透明化、明確化。
障害者総合支援法
障害者総合支援法
障害者総合支援法
<自立支援給付の体系>
(1)介護給付
(訪問系)
・居宅介護(ホームヘルプ)
居宅において入浴・排泄・食事等の介護や家事援助を行う。
・重度訪問介護
重度の肢体不自由者で、常時介護を必要とする障害者に対して、入浴・排泄・食事の
介護、外出時の移動支援などを総合的に行う。
・行動援護
重度の知的障害者や精神障害者で、自己判断能力が制限されている人が行動する
ときに、危険を回避するために必要な支援や外出時の移動中の介護を行う。
・重度障害者等包括支援
常時介護を必要とする障害者等に対し、介護の必要性がきわめて高い場合に、居宅
介護等複数のサービスを包括的に行う。
・児童デイサービス
障害児に対して、日常的な基本動作の指導、集団生活への適用訓練を行う。
・短期入所(ショートステイ)
自宅で介護する人が病気等で介護できない場合に、短い期間、夜間も含めて入所施
設で入浴、排泄、食事の介護を行う。
障害者総合支援法
<自立支援給付の体系>
(1)介護給付
(日中活動系)
・療養介護
医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、
医学的管理下の介護、日常生活上の世話等を提供する。
・生活介護
常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、
創作的活動又は生産活動の機会を提供する。
(居住系)
・施設入所支援
在宅で生活することが困難で、施設に入所している障害者に、夜間や休日、入浴・
排泄・食事の介護等を行う。
・共同生活介護(ケアホーム)
ケアホームにおけるサービス。夜間や休日、共同生活を営む住居において、共同生活
を営む上で、入浴・排泄・食事の介護等を提供する。
障害者総合支援法
(2)訓練等給付
(日中活動系)
・自立訓練(機能訓練)
機能訓練は、身体障害者のリハビリテーションや身体機能の維持・回復などを行う。
・自立訓練(生活訓練)
自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能又は生活能力の
向上のために必要な訓練を行う。
・就労移行支援
一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の
向上のために必要な訓練を行う。
・就労継続支援(A型)
一般企業等での就労が困難な人に、就労の機会や生産活動等の機会を提供すること
によって、その知識や能力の向上を図る訓練等を行う。(雇用契約あり)
・就労継続支援(B型)
雇用契約を結ぶ職場での就労が困難な人に、就労の機会や生産活動等の機会を
提供することによって、その知識や能力の向上を図る訓練等を行う。
(居住系)
・共同生活援助(グループホーム)
グループホームにおけるサービス。夜間や休日、共同生活を営む住居で相談や日常生
活上の援助を行う。
障害者総合支援法
<障害者自立支援法の改正>
障害者自立支援法は、費用負担などについて問題があり、新しい法律(障害者総合支援
法)までの対処法として、2010年(平成22年)10月に整備法が制定され、障害者自立支援
法が改正された。
■改正点
①障害者の範囲の見直し→発達障害も対象に含める
②地域における自立した生活のための支援の充実
→グループホーム・ケアホーム利用時の助成を創設。
→重度の視覚障害者の移動支援サービスの創設。
③利用者負担の見直し
→定率負担ではなく、応能負担を原則にする。
→サービスと補装具の利用者負担を合算して負担を軽減する。
④相談支援の充実
→市町村に相談支援センターの設置。
→支給決定プロセスの見直し、利用計画作成の対象者の大幅拡大。
⑤障害者支援強化
→施設の一元化、通所サービスの実施主体を都道府県から市町村へ移行。
児童福祉法にもとづき地域の支援を充実。
→放課後等デイサービス・保育所等訪問支援を創設。
→在園機関の延長措置の見直し。
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その①【介護給付・訓練等給付】
■介護給付を希望する場合
1.相談、申請(市区町村)
2.面接調査(106項目のアセスメント)
3.一次判定(市区町村)
4.二次判定(審査会)
5.障害支援区分の認定
6.勘案事項調査(地域生活、就労、日中活動、介護者、居住など)
7.サービスの利用意向の聴取
8.審査会の意見聴取
9.支給決定
10.利用の開始
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その①【介護給付・訓練等給付】
■訓練等給付を希望する場合
1.相談、申請(市区町村)
2.面接調査(106項目のアセスメント)
3.一次判定(市区町村)
4.勘案事項調査(地域生活、就労、日中活動、介護者、居住など)
5.サービスの利用意向の聴取
6.暫定支給決定
7.個別支援計画
8.審査会の意見聴取
9.支給決定
10.利用の開始
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その①【介護給付・訓練等給付】
<認定調査>
申請を受けた市区町村は、最初に認定調査を行います。この認定調査は、市区町村の
認定調査員が障害者本人、または障害児の保護者などに面接して行う。
・アセスメント調査
障害者の心身の状況、医療、麻痺など移動、動作、身辺、行動、コミュニケーション、生活
の状況把握をするための調査(106項目)
●概況調査
・認定を受けている各種の障害等級等
・現在受けているサービスの状況
・地域生活関連(外出頻度、社会活動参加)
・就労関連(就労状況、経験)
・介護関連(介護者の有無)
・居住関連(生活の場所)
・その他
●その他の特記事項
アセスメント調査で把握しきれない本人の状況に関する調査
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その①【介護給付・訓練等給付】
<障害支援区分の認定>
認定調査後、コンピュータによる一次判定が行われ、市町村審査会によって、一次判定
の結果と医師の意見書をもとに二次判定が行われる。なお訓練等給付の場合は、認定調
査後、勘案事項の調査、サービス利用意向の聴取を経て暫定支給を行う。
<サービス等利用計画案の作成・支給決定>
市区町村は、利用者に指定特定相談支援事業者が作成するサービス等利用計画案の
提出を求める。
そして、市区町村は提出されたサービス等利用計画案と利用者の地域生活、就労、居住
状況などの勘案事項を踏まえて支給を決定する。支給が決定した利用者には障害福祉
サービス受給者書が交付される。
<利用の開始>
利用者は、利用したい指定事業者や指定施設を選んで申し込みを行い、申し込みを受け
た指定事業者・施設は、サービス等利用計画案をもとに個別支援計画を立てる。
利用者は指定事業者・施設とサービス利用の計画を結び、利用を開始する。
障害者総合支援法
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その②【自立支援医療】
■申請手続き
申請書を指定の申請先に提出する。
(申請先)更生医療、精神通院医療の対象となる人は、市町村(精神通院医療対象者は市
町村を経由して都道府県・政令指定都市の精神福祉センター)、育成医療の対象となる人
は都道府県・政令指定都市・中核市。
疾病の状況や課税状況によって利用者減免措置が用意されているため、申請書の他に
医師の診断書や世帯、所得が確認できる書類が必要な場合もある。
■支給認定
給付対象と認定されたら、認定を受けた利用者が指定自立支援医療機関(病院・診療所・
薬局など)から、自分が利用する医療機関を選ぶ。
医療機関を後で変更する場合は、申請を行い変更のための認定が必要になる。
■受給者証の交付
利用者には受給者証が交付される。受給者証の有効期限は1年。しかし、一定所得以下
の人や重度かつ継続に該当する疾病がある場合は、再認定が行われる。
受給者証の交付後に、氏名・住所変更、資格喪失、加入する医療保険の変更があった場
合は、申請先に届出する必要がある。
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その②【自立支援医療】
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その③【補装具の利用】
■補装具の利用
補装具の利用には、利用者が費用をサービス提供事業者に一旦支払い、その後市町村
に請求を行って費用の払い戻しを受ける償還払いとサービス提供事業者が、利用者の代
わりに申請し給付を受ける代理受領の2つの方式がある。
■申請手続き
住所地の市町村に申請し、身体障害者更生相談所(身体障がい児は、指定育成医療機
関又は保健所の判定を受ける。)の判定を経て(判定を要しない品目もある)、市町村の決
定により補装具費の支給を受ける。
申請の手続きの際、低所得世帯の場合は、利用者負担額の減免申請を合わせて行うこ
とができる。
■補装具の給付品目
義肢、装具、座位保持装置、電動車いす、眼鏡、補聴器、車いす、盲人安全つえ、義眼、
歩行器、歩行補助つえ
障害者総合支援法
<サービス利用までの流れ>その③【補装具の利用】
障害者総合支援法
<その④【その他のサービス】>
■特定障害者特別給付
所得の低い人に支給決定有効期間内に指定障害者支援施設等(※)での食費、居住費
のうちの水道光熱費の一部を支給する。
※指定障害者施設とは、運営基準を満たしたうえで都道府県知事の指定を受けて障害
福祉サービスを提供する施設のことを指す。
■計画相談支援給付
障害者が計画的な支援を受けようとするときに、障害者を支援する指定特定相談支援事
業者に支給される。
■高額障害福祉サービス等給付
障害福祉サービス利用者が同じ世帯に複数いる場合に、費用負担が大きくなる世帯には、
負担の軽減のため、上限を超えた金額が高額障害者福祉サービス等給付として給付され
る。
■地域相談支援給付
指定一般相談支援事業者が、地域移行支援(住まいの確保などの施設に入所している
障害者が地域における生活に移行できるようにする支援)や地域定着支援(常時の連絡体
制など、自宅において単身で生活する障害者に対する緊急時の相談支援)を行った時に事
業者に支給される。
■療養介護医療
病院で日常生活を送っている障害福祉サービス利用者が、医療のほかに介護を受けて
いる場合に、医療費部分について支給される。
障害者総合支援法
<地域生活支援事業>
■概要
地域生活支援事業は、障害者が生活する地域の環境や住居する障害者の人数、障害程
度に応じ、市町村や都道府県が必要な支援を柔軟に行う事業。
■事業の内容
相談支援やコミュニケーション支援、日常生活用具給付または貸与、移動支援、成年後
見制度利用支援などがある。
この事業の中心となるのは、地域活動支援センターである。
地域活動支援センターは、障害を持つ人が地域で自立して生活ができるように、利用者
や地域の実情に合わせて事業を運営していくことを目的としている。
サービスの提供主体については、利用者にとって身近な自治体である市町村。
市町村の域を超えて広域的な支援が必要な事業などについては、都道府県が提供主体
となる。
障害者総合支援法
<障害福祉サービスの自己負担
>
障害者総合支援法
<自立支援医療の自己負担>
障害者総合支援法
<その他の定率負担軽減措置>
・高額障害福祉サービス費
同一世帯に障害福祉サービスを利用する者が複数いる場合等に、世帯の負担を軽
減する観点から、償還払い方式により、世帯における利用者負担を月額負担上限額
まで軽減を図る。
障害者総合支援法
<その他、留意が必要な事>
・65歳到達時の介護保険優先について(65歳問題)
<現状>
○ 社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、サービス内容や機能から、
障害福祉サービスに相当する介護保険 サービスがある場合は、原則介護保険サー
ビスに係る保険給付を優先して受けることになり、65歳以降は介護保険制度に移
行することとなる(障害者総合支援法第7条)。
○ 障害者総合支援法第7条に基づき、障害福祉サービスに相当する介護保険サー
ビスがある場合は、介護保険サービスに係る保険給付が優先されることとなるため、
国庫負担基準においても、介護保険給付対象者については、介護保険では給付
対象となっていないサービスに係る費用について設定されている。
○ 障害福祉サービス利用者が介護保険サービスを利用するに当たっては、障害者
が適切なサービスを受けられるよう、相談支援専門員と介護支援専門員が連携を行
うことについて事務連絡で周知している。
医療保険制度
様々な減免制度があります。
<高額療養費制度>
医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、暦月(月の初めから終わりまで)
で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。
<例>100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合
212,570円を高額療養費として支給し、実際の自己負担額は87,430円となります。
高額療養費制度が平成27年1月から変わりました
高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担が過重なものとならな
いよう、医療費の自己負担に一定の歯止めを設ける仕組みです。
平成27年1月より、負担能力に応じた負担とする観点から、70歳未満
の方の所得区分を細分化し、自己負担限度額をきめ細かく設定する見直し
を行いました。
【見直し前】(平成26年12月診察分まで)
所得区分
ひと月あたりの
自己負担限度額(円)
【見直し後】(平成27年1月診察分から)
所得区分
年収約1,160万円~
70
歳
未
満
の
方
(
※
1
)
上位所得者
(年収約770万円~)
健保:標報53万円以上
国保:年間所得(※2)600万円超
一般所得者
(上位所得者・住民税非課税
者以外)
3人世帯(給与所得者/夫婦子1
人の場合:年収約210万~約770
万円
住民税非課税者
150,000+
(医療費-500,000)×1%
<多数回該当:83,400>
健保:標報83万円以上
国保:年間所得901万円超
年収約770~約1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:所年間所得600万~901万円
年収約370~約770万円
80,100+
(医療費-267,000)×1%
<多数回該当:44,400>
35,400
<多数回該当:24,600>
健保:標報28万~50万円
国保:年間所得210万~600万円
~年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:年間所得210万円以下
住民税非課税者
ひと月あたりの
自己負担限度額(円)
252,600+
(医療費-842,000)×1%
<多数回該当:140,100>
167,400+
(医療費-558,000)×1%
<多数回該当:93,000>
80,100+
(医療費-267,000)×1%
<多数回該当:44,400>
57,600
<多数回該当:44,400>
35,400
<多数回該当:24,600>
(※1)70歳以上の方については、平成27年1月以降も見直しはありません。
(※2) 「年間所得」とは、前年の総所得金額及び山林所得金額並びに株式・長期(短期)譲渡所得金額等の合計額から基礎控
除(33万円)を控除した額(ただし、雑損失の繰越控除額は控除しない。)のことを指します。(いわゆる「旧ただし
書所得」)
負担の上限額は、年齢や所得によって異なります①
最終的な自己負担額となる毎月の「負担の上限額」は、加入者が70歳以上
かどうかや、加入者の所得水準によって分けられます。
70歳以上の方には、外来だけの上限額も設けられています。
<70歳以上の方の場合>
所得区分
現役並み所得者
(月収28万円以上などの窓口負担3割の方)
一般
外来
(個人ごと)
1か月の負担の上限額
44,400円
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
12,000円
44,400円
Ⅱ(Ⅰ以外の方)
24,600円
低所得者
(住民税
非課税の方)
Ⅰ(年金収入のみの方の場合、
年金受給額80万円以下など、
総所得金額がゼロの方)
8,000円
15,000円
(注)同一の医療機関等における自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えな
いときでも、同じ月の複数の医療機関等における自己負担を合算することができます。
この合算額が負担の上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。
負担の上限額は、年齢や所得によって異なります②
最終的な自己負担額となる毎月の「負担の上限額」は、加入者が70歳以上
かどうかや、加入者の所得水準によって分けられます。
<70歳未満の方の場合>
所得区分
年収約1,160万円~の方
健保:標準報酬月額83万円以上の方
国保:年間所得901万円超の方
年収約770~約1,160万円の方
健保:標準報酬月額53万円以上83万円未満の方
国保:年間所得600万円超901万円以下の方
年収約370~約770万円の方
健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満の方
国保:年間所得210万円超600万円以下の方
~年収約370万円の方
健保:標準報酬月額28万円未満の方
国保:年間所得210万円以下の方
住民税非課税の方
ひと月あたりの自己負担限度額
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
57,600円
35,400円
(注)同一の医療機関等における自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えな
いときでも、同じ月の複数の医療機関等における自己負担(70歳未満の場合は2万1
千円以上であることが必要です。)を合算することができます。
この合算額が負担の上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。
さらにご負担を軽減する仕組みもあります①
高額療養費制度では、「世帯合算」や「多数回該当」といった仕組みにより、
さらに最終的な自己負担額が軽減されます。
(1)世帯合算
お一人の一回分の窓口負担では、高額療養費の支給対象とはならなくても、複数の
受診や同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限ります。)の受診に
ついて、窓口でそれぞれお支払いになった自己負担額を1か月(暦月)単位で合算す
ることができます。
その合算額が一定額を超えたときは、超えた分を高額療養費として支給します。
※ ただし、70歳未満の方の受診については、2万1千円以上の自己負担のみ合算されます。
(例)70歳未満、年収約370~約770万円の方の場合
被
保
険
者
A
被
扶
養
者
B
甲病院 自己負担額
60,000円
(医療費:200,000円)
乙薬局 自己負担額
24,000円
(医療費:80,000円)
丙病院 自己負担額
30,000円
(医療費:100,000円)
世帯合算
世帯合算後の
自己負担額
=
60,000円
+24,000円
+30,000円
=114,000円
高額療養費の
支給対象となる
さらにご負担を軽減する仕組みもあります②
高額療養費制度では、「世帯合算」や「多数回該当」といった仕組みにより、
さらに最終的な自己負担額が軽減されます。
(2)多数回該当
直近の12か月間に、既に3回以上高額療養費の支給を受けている場合(多数回該
当の場合)には、その月の負担の上限額がさらに引き下がります。
<70歳以上の方の場合>
所得区分
本来の負担の上限額
多数回該当の場合
現役並み所得者
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
44,400円
(注)「一般」や「低所得者」の区分の方については、多数回該当の適用はありません。
<70歳未満の方の場合>
所得区分
本来の負担の上限額
多数回該当の場合
年収約1,160万円~の方
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
140,100円
年収約770~約1,160万円の方
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
93,000円
年収約370~約770万円の方
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
44,400円
~年収約370万円の方
57,600円
44,400円
住民税非課税の方
35,400円
24,600円
入院される方は用意する費用が少なく済みます
入院される方については、加入する医療保険から事前に「所得区分」の認定証を発行
してもらうことにより、医療機関の窓口での支払を負担の上限額までにとどめることもで
きます。このため、一度に用意する費用が少なくて済みます。
※ 高額療養費が医療機関や薬局に直接支払われるため、加入する医療保険に対して、事後
に高額療養費の支給申請をする手間が省けます。
※ 70歳以上の方は、所得区分の認定証がなくても、自動的に窓口での支払が負担の
上限額までにとどめられます(低所得者の区分の適用を受けるためには認定証が必要です)。
<例>70歳未満、年収約370~約770万円の方
100万円の医療費で、窓口の負担(3割)が30万円かかる場合
通常の場合
所得区分の認定証がある場合
入院される方
①医療費の3割
(30万円)を
支払い
入院される方
③高額療養費
(約21万円)の
支給
①一定の限度額
(約9万円)
を支払い
②高額療養費
の支給申請
病院
加入する医療保険
一度に用意する費
用が安くて済む
②高額療養費
の請求
病院
③高額療養費
加入する医療保険
(約21万円)の支給
医療保険制度
市民後見人基本実務研修
科目5 福祉・医療・介護サービス
利用における実務と留意点
おわり
ご清聴を感謝いたします。