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演習Ⅱ(Rの勉強)第4回
10月30日
石屋 宜範
t 検定
• 2つの(標本)平均値の差を比較して、相違と
して認められるのかについて推測する方法
標本A群の平均値と標本B群の平均値において観察された差が、
選びだされた人による偶然の差(誤差)ではなく、
それぞれの全体においても意味のある差であるかどうかを検討する。
• 3つ以上の(標本)平均値の差については、分散分析を用い
なければならならい。
t 検定
• 一般に、2つの平均値の差についての検定(t 検定)
には次の3通りが考えれる。
①対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質な場合 (通常のt 検定)
②対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質でない場合 (ウェルチの検定)
③対応がある2群の平均値の差の検定
t 検定の注意点
• t 検定を行う際には、
対応があるか(データの取られ方)?
2群の分散が等質であるか?
(等分散の検定:F 検定)
を吟味する必要がある。
対応があるかないか
• 対応がない2群
→例)ある学校の3年1組と3年2組のテスト
得点の比較
• 対応がある2群
→例)授業前と授業後のテスト得点の比較
2群の分散が等質であるか
F 検定を実施して調べる!
帰無仮説 「2群の分散に差はない」
対立仮説 「2群の分散に差がある」
帰無仮説が棄却されるか否か
棄却される→分散が等質ではない
棄却されない→分散が等質である
F 検定
• [統計量]→[分散]→「分散比の検定」
重要
F=
p-value =
p-value<0.05→棄却される→分散が等質ではない
p-value>0.05→棄却されない→分散が等質である
今日の内容
①対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質な場合 (通常のt 検定)
② 対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質でない場合 (ウェルチの検定)
③対応がある2群の平均値の差の検定
通常のt 検定
帰無仮説
「2群の平均に差はない」
対立仮説
「2群の平均に差がある」
帰無仮説が棄却されるか否か
棄却される→平均に差がある
棄却されない→平均に差がない
通常のt 検定
• 次の公式により計算する
• [統計量]→[平均]→[独立サンプルt検定]
→等分散と考えますか? YESをチェック
通常のt 検定
• t =
重要
p-value =
p-value<0.05→棄却される
→平均に差がある
p-value>0.05→棄却されない
→平均に差がない
実際にやってみる
• A市とB市から無作為にそれぞれ15人の住民を選
び出し睡眠時間を調べたところ、次に示した表のよ
うな結果が得られた。2つの市の睡眠時間に違いが
あるといえるか(対応がない2群の平均値の差の検
定)。
A市
B市
9 7 8 9 8 9 6 9 5 6 9 6 9 8 6 5
8 7 8 7 10 9 10 7 5 7 6 6 7 7
今日の内容
① 対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質な場合 (通常のt 検定)
②対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質でない場合 (ウェルチの検定)
③対応がある2群の平均値の差の検定
ウェルチの検定
• デフォルトでは、等分散が仮定できない検定
(ウェルチ法)が選択されている。
よって
[統計量]→[平均]→[独立サンプルt検定]
→等分散と考えますか? NOをチェック
ガソリンAとBの燃費は違う?
• あるタクシー会社で、
ガソリンAとBの燃費を
比較するために、
16人の運転手をランダ
ムに選び、それぞれの
燃費を調べたところ、
表のような結果が得ら
れた。ガソリンAとBの
間には、燃費の差があ
るといえるか?
ガソリンA ガソリンB
78
62
70
90
66
44
76
70
78
53
76
59
88
72
76
40
2群の分散が等質であるか?
• F 検定を実施して調べる!
帰無仮説 「2群の分散に差はない」
対立仮説 「2群の分散に差がある」
F 統計量は、 F =4.758 (p=0.047) と
なる。
帰無仮説が棄却され、 ガソリンAとBの分散
に差があるといえる 。→ウェルチの検定
ガソリンAとBの燃費は違う?
• ステップ1 <仮説を立てる!!>
このガソリンの燃費の例では、
帰無仮説
「ガソリンAとBの燃費に差はない」
対立仮説
「ガソリンAとBの燃費に差がある」
ガソリンAとBの燃費は違う?
• ステップ2 <統計量を計算する!!>
• 帰無仮説( 「ガソリンAとBの燃費に差はな
い」 )に基づいて、ウェルチの検定によりt 統
計量の値を計算する。
t 統計量は、t =2.392 (p=0.040) とな
る。
この確率が重要!
ガソリンAとBの燃費は違う?
• ステップ3 <判断する!>
ステップ2で算出した統計量にもとづいて,帰
無仮説を棄却するかどうかを判断する。
0.05(5%)を判断の基準とすれば,ステップ
2で帰無仮説のもとで計算された統計量の出
現する確率が0.05(5%)以下であれば,帰
無仮説を棄却し,対立仮説を採択する。
ガソリンAとBの燃費は違う?
• ステップ4 <結論!!>
 「ガソリンAとBの燃費に差はない」という帰無仮
説のもとで、このような事象は0.040(4%)の確
率でしか生起しない。
 この確率は 0.05(5%) よりも小さく、偶然に生じ
たものではないと判断され、帰無仮説が棄却さ
れる。したがって、 ガソリンAとBの燃費に差があ
るといえる 。
今日の内容
① 対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質な場合 (通常のt 検定)
② 対応がない2群の平均値の差の検定:
分散が等質でない場合 (ウェルチの検定)
③対応がある2群の平均値の差の検定
対応のあるt検定
• [統計量]→[平均]→[対応のあるt検定]
p-value<0.05→棄却される
→平均に差がある
p-value>0.05→棄却されない
→平均に差がない
対応のあるt検定
• 10人に対して、ある
授業の前と後でテスト
を行い、成績を調べ
てみたところ、表のよ
うな結果が得られた。
ある授業の前後でテ
ストの得点に差があ
るといえるか?
授業前 授業後
A
B
C
D
5
4
5
4
7
6
8
7
E
F
G
3
4
3
6
6
5
H
I
J
6
5
6
9
9
8
授業の前後でテストの得点に差がある?
この例では、
帰無仮説
「授業の前後でテストの得点に差はない」
対立仮説
「授業の前後でテストの得点に差がある」
最後に
• あるクラスで、男子と
女子のそれぞれ9人
に対して、英語の課
題を実施したところ、
表のような結果が得
られた。
男子と女子の間に課
題得点の差があると
いえるか?
男子
10
13
女子
7
8
7
23
12
8
6
7
15
10
9
4
4
8
8
6