メディア社会文化論 2010/02/05 6.1の続き • 昔・・・分業せず・・・印刷屋と出版屋と本屋 (場合によっては版画屋、画家、作家)がある 程度、同じ企業(人物)によって担われていた • 近代・・・それらが分業化 • 記者的機能は非分業 • 商社的機能は分業 • よって現代になればなるほど前者→後者に • マスメディア企業が大規模になればなるほど 前者→後者に 6.3出版物の販売 • 委託販売(岩波を除き) • 書店は出版物の陳列棚・・・買い取らない • 短いサイクルで流れていく • 委託販売で売れ残った出版物・・・取次店経 由で出版社に返品・・・3-5年のスパンで倉 庫に保管(在庫は課税の対象に。税法が本を 物神化しているようにも思われる)・・・倉庫で 3-5年経ったもの・・・裁断・・・古紙市場に 6.4出版物の特徴 • 互換性が効かない→ブランド忠誠心(特定の 著者・特定の出版社だから買う・読むという人 が多い)が強まる • 放送にはない特徴 • 新聞は放送と出版の中間 • 代替可能性と代替不可能性 • ホルクハイマー&アドルノ 商品とは?(1) • 出版物は商品性が多少弱い情報商品かもしれ ない • 商品とは? • 価格の付いているものは全て商品?→違う、で も我々の日常感覚はそう。 • 商品・・・資本を富ませるもの・利潤をあげるもの 商品とは(2) • 資本家(株主)に配当を得させ、しかも資本を 自己増殖していくもの • なぜ自己増殖するか・・・労働者に払う賃金以 上に資本の側が利益を得るから • 資本は、自己増殖すること(儲けを得ること) を自己目的とする 商品とは(3) • 要は商品は理想や価値よりも利益を優先す る • 情報財のほとんどが商品であること・・・資本 の自己増殖という目的のために、情報の中身 が歪められる虞が常にある。 • 大量生産のもの、流通の速いものほど、利益 至上主義になりやすい(商品性が強い) 本と商品性 • ただしサイクル長く(紙は長持ちする)、多品 種少量生産の情報媒体である本は、こういう 商品性はやや弱いといえる。 • とはいえ、書店は委託販売→サイクル速い→ 図書館の意義(短い流通を紙という媒体に相 応しく長くする) 7.新聞 7.1新聞の定義(新聞とは何か?) • 定義が難しい(雑誌との違いが・・・?) • 「新聞」「新聞紙の略。社会の出来事の報道・ 解説・論評を、すばやく、かつ広く伝えるため の定期刊行物。多くは日刊で、週刊・旬刊の ものもある」(広辞苑) • 「雑誌」「号を追って定期的に刊行する出版物。 週刊・月刊・季刊などがある。マガジン」(広辞 苑) 5.2新聞に期待される機能 • 新聞の定義は困難 • 期待される機能はある(後藤将之) • 「事実の報道」と「言論・批判機能」 • 前者が強まり、後者が弱くなるのが現代の新 聞 • 明治時代 • 大新聞(自由民権派の政論新聞・知識人であ る士族が支持) 対 小新聞(娯楽新聞)の 対立→小新聞が優勢に(「朝日」も小新聞の 流れ)・・・正確な情報と不偏不党性
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