B` = 0

課
題
<16> 企業と政府による市場支配
~<C> 市場構造 + 競争の排除~
C 「独占」の行動原理 + 競争の排除  <N 4部 + 19章>
1 再論: 市場構造と企業行動
2 ★★独占: 誘因・戦略・弊害
3 最も強力な独占 (政府による競争の排除  19章)
Microeconomics 競争市場と公共政策
[email protected]
Q 読解力チェック P.150-4 + 186-92
Slide 2
経済学の基礎概念を理解できた?
1.
2.
3.
4.
5.
6.
「純粋(完全)競争」条件の含意とは? p.150
「独占」の定義とその意味は? p.151
★なぜ価格探索者の価格は,限界費用を上回る?
価格差別の例と意味は? p.153
独占的競争の例と特徴は? p.153
政府による競争排除の名目と被害者は? p.154 & 19章
p.151
1 再論: 市場構造と企業行動
Slide 3
<A> あらゆる合理的主体の行動原理
≡ 便益Bー費用C)の最大
  最大化条件: 限界便益B’ = 限界費用C’
 余剰S(利得・純便益
企業の場合: 利潤S ≡ 収入Bー費用C

利潤最大化条件: 限界収入B’=限界費用C’
 ★ただし市場構造によって,限界収入の形が変わ
確認: 市場構造の分類
Slide 4
<B>製品差別の有無と売り手の数による分類
1企業 少数企業
多数企業
同質財
独占
同質型寡占
差別財
差別型寡占 独占的競争
 独占(15章)と独占的競争(18章)の相違は?
 本講義では「売り手」のみに注目(p.151 買い手独
Q1 価格支配力の大小
Slide 5
価格支配力=独占力  価格探索者 p.151
1.企業が価格受容者(p.151)になる市場構造とは?
2.価格受容者が直面する需要曲線の特徴は? (p.150)
3.★完全競争企業には,なぜ価格支配力がない?
4.企業が価格探索者(p.151)になる市場構造とは?
5.価格探索者が直面する需要曲線の特徴は? (p.151)
6.★独占企業は,青天井で高価格をつける?
A1 価格受容者と価格探索者の行動
Slide 6
3.



6.


完全競争市場では,企業の需要曲線は,水
平
But <B>  市場の需要曲線は,右下がり
市場価格Pは,完全競争市場の需要と供給で決まる
その市場価格Pを与件として,各企業が利潤最大
不完全競争市場では,右下がりの需要曲線
独占: 市場の需要=企業の需要 (But 限界費用≠供給)
Pを高くしすぎれば,Qが小さくなりすぎる  収入PQ↓
★Q2 復習: 競争企業の利潤最大化
Slide 7
<A>競争企業の最大利潤S?: S(X) = B(X) - C(X)
 生産モデル

Q4&6: B(X) = 250X, C(X) = 50X2
市場で決まったP=250  Sを最大にするX`は?
1.
収入B・費用C・利潤Sのグラフの特徴は?
2.
限界費用はC’=100X,では限界収入B’は?
3.
最適な生産量X*は? その時のB・C・Sの値は?
A2 確認: <A>のQ4&Q6のREVIEW
Slide 8
S(X) = 250X ー 50X2  <A> S’=0: 限界原理
 Or
高校: S = -50 (X2 - 5X) = -50 (X - 2.5)2 + 312.5
B: 不変的増加 B”=0, C: 逓増的増加 C”>0,S: 単峰山型
限界収入B’ = 収入Bの勾配 = 250 = 価格
限界原理  価格(250) = 限界費用(100X)
1.
2.
3.
1.
2.
∴ B’= 価格P = C’  X*=2.5
 B* = 625, C* = 312.5, S* = 312.5
図解1 競争企業の収入・費用・利潤
Slide 9
価格Pが勾配の収入B  単頂点山型の利潤S
S
S(X)=B(X)-C(X)
B B: 不変的増加
S’>0
S’<0
C B’>0 & B”=0
S’=0
C:逓増的増加
C’>0 & C”>0
X*
X
X*
X
図解2 市場価格=限界費用
Slide 10
限界利潤S’(X*) = 0  限界収入B’ = 限界費用C’
S’
O
S’(X) = B’(X) - C’(X)
X*
X
B’
C’
C’:限界費用
B’:限界収入
= 価格\250
250
X*
X
★Q3 競争戦略の基礎
Slide 11
1.
多数の競争企業の超過利潤(S>0)が潜在的企
業に及ぼす影響は? その結果は?
•
2.
正常利潤(S=0)と,利潤最大化は矛盾する?
•
3.
市場参入  供給曲線の右方シフト  P↓  S↓
C: 機会費用  S ≠ 会計上の利益  図解1
∴ コストダウン,製品差別,カルテル,規
制
SCPパラダイムと企業戦略
Slide 12
1.
SCP(市場構造ー行動-成果)パラダイム  IO
 正常利潤: 消費者利益大
2.独占市場(参入障壁)  超過利潤: 消費者利益小
1.競争市場(自由参入)
政府の果たすべき役割: 独禁法,参入&競争促
進
3.企業が利潤を高める2方法: 競争orその排除
2.
1.価格
or 品質の競争力の向上
2.カルテル or 政府による参入・価格規制
2 独占: 誘因・戦略・弊害
Slide 13
(完全な売り手)独占への誘因: 超過利潤↑
1.
2.
3.
4.
コストダウン: 規模の経済性(<B> 自然独占)
製品差別化: 品質・サービス・広告・ブランド化
<C2>カルテル: 既存企業による数量・価格の共謀
規制: 政府による参入・数量・価格の規制
独占の弊害: 価格支配力↑  社会余剰↓
独占の需要曲線と収入Bの最大値
Slide 14
逆需要関数 P = - Q+120  収入B =PQ = - Q2 +120Q
P
120
B
需要曲線
P = - Q + 120
60
60
120 Q
B = - (Q-60)2 + 3600
3600
B’ = 0
60
120 Q
独占利潤Sと限界原理
Slide 15
費用 C=40Q  限界原理: B’= -2Q+120 = C’ =40
利潤S = - (Q-40)2 + 1600
P 限界収入曲線
B = B - C = (- Q2+120Q) - 40Q
120 B’ = - 2Q + 120
80
C
40 60 80
限界費用曲線
C’ = 40
40
B
Q
40 60
120
Q
要点: 独占企業と競争企業の異同
Slide 16
独占も<A>競争企業同様,利潤Sを最大化
2. But 独占には価格支配力  競争:価格受容者
1.
競争企業の収入B=P×Q
2. 独占企業の収入B=P(Q)×Q
1.


3.
P=価格:水平
限界収入B’:右下がり
限界収入B’=
★需要曲線 P= - aQ + b  限界収入 B’= - 2aQ + b
 限界収入曲線は,(直線の)需要曲線の2倍の勾配
限界原理で利潤を最大にするQを選択

限界収入B’=限界費用C’(競争: 価格=限界費用C’)
★★ Q4 独占の利潤最大化
Slide 17
市場の逆需要関数P=-Q+120,総費用関数
C=40Qのとき,
1.
2.
3.
4.
5.
独占企業の限界費用C’は?
★★独占企業の限界収入B’は? ( 前頁)
∴独占の生産量Q,価格P,利潤Sは?
★★利潤ではなく売上高Bを最大にするQは?
★★競争均衡と比べた独占の弊害は?
A4 独占企業・市場の均衡
Slide 18
P = - Q + 120,C = 40Q のとき,
1.
2.
3.
4.
5.
C’= 40  C の勾配
B‘ = - 2Q + 120  需要曲線とP軸の2等分線
B’=C’  Q=40  P=80  S = PQ - C = 1600
売上高Bを最大にするQ=60  前図 B’=0
独占では,取引量Qが減少し,死荷重発生
図解A4 独占による社会余剰の減少
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競争均衡(Q,P)=(80,40)  独占 (40,80)  数値?
P
40
P
120
80
需要曲線
P = - Q + 120
限界費用曲線
= 供給曲線
80 120
Q
限界収入曲線
B’ = - 2Q + 120
限界費用曲線
C’ = 40
40
40
80 120
Q
3 政府による競争の排除
Slide 20
最も強力な価格支配力・独占力  4
1.
2.
3.
4.
規模の経済: N15章&C1  自然独占
製品差別: N18章  独占的競争
カルテル: N16章&C2  独占禁止法違反
政府の統制・規制: N19章&C  <A4>政治経済学
良い独占or悪い独占? 競争は善or悪?
米国政府による競争排除の例
Slide 21

消費者保護を口実  参入・数量・品質・価格を規制

市場供給量の減少 消費者利益↓(価格↑ + 選択の自由↓)
N19章: タクシー・バス・地下鉄,市内電話,ブレード(髪編
み) ,マニキュア,免許化・学校制限(法律家・不動産仲介)
 例: ニューヨーク市のタクシー規制

タクシー台数の制限  メダリオンの価値=$50万
 メダリオンは売買可能&高収益率 ⇔ 公共交通体制も規制

Q演習問題(P.193)1-2
Slide 22
価格低下やサービス向上と,競争相手の費用
を引き上げる規制,効果の差は?
1.

消費者・国民全体にとって,前者は+,後者はー
地方政府より中央政府の方が競争を制限しが
ちな理由は?
2.
 企業・家計の自由選択
2. グローバル時代では? 日本の分権化の重要性?
1.地方間にも競争が存在
要点
本日のポイント
Slide 23
価格支配力  独占利潤発生 + 社会余剰減少
1.
2.
3.
限界費用=限界収入(= 需要直線の2等分線)
 P↑ & Q↓  消費者余剰↓&社会余剰↓
∴ 非効率 but 企業の生産者余剰(租利潤)↑
But 最も強力で悪質なのは,政府規制  教育
次回準備: N15章&<C1> 独占の価格支配力
<B>の復習: 死荷重の計算
Slide 24
限界費用が水平な特殊な場合の社会余剰
1.
2.
競争市場での社会余剰・消費者余剰・生産者余
剰の値?  3200 = 3200 + 0  <C2>
独占市場では?  2400 = 800 + 1600

•
死荷重=800  3200 - 2400
∴ 独占: P↑&Q↓  社会余剰↓  非効率