報酬と動機づけ(1)

第12章
報酬と動機づけ
モラルハザードモデル

努力が観察できない場合、成果で報酬を与
えると、努力量が過小になる可能性がある
個人業績のインセンティブ

出来高制の利点と欠点

利点


単純でわかりやすい
欠点
1.
出来高を単純に同一とみなしにくい
2.
所得が不確実になる
3.
ライン(ほかの人に左右される時)では使い
にくい
ノイズを減らす制度

相対的業績評価

長期にわたるトーナメント選抜
私的情報の活用

逆選択があると有能な人ほどそれを隠して、
努力の基準を下げたほうが得になる

防ぐための手段
1.
契約メニューの提示
2.
目標管理
主観 vs 客観
正確度と精度
高正確度だか低精度(主観指標)
高精度だか低正確度(客観指標)
Wikipedia「正確度と精度」の図を利用
グループへのインセンティブ

プロフィット・シェアリング

従業員持ち株制度

利点


従業員間の相互監視

雇用主に意見しやすくなる

お互いにカバーしあう範囲が増える
欠点

フリーライダー
衡平性と公平性
 公平性
 結果平等
 衡平性
 手続きの平等
内発的動機のモデル
藤田『コア・テキスト
ミクロ組織論』
新世社
なぜ成果主
義がダメか
藤田『コア・テキスト
ミクロ組織論』
新世社
成果主義では無く

仕事には仕事で報いる

日本型年功制

未来の見通しを与える

以上を根拠として、(この本の著者達は言っていないけど)
報酬で人が動くと考える経済学的発想はダメだ!という批判
がある
経済学的発想からの再批判
1.
2.

効用は金銭報酬のみから得られるもの
では無い
単純化された短期のモデルだけでなく、
長期のモデルも検討している
例



トーナメント制
主観的業績評価
利益(報酬)最大化 vs 価値(効用)最大化
(私が考える)内発的動機重視
の問題点
 幸福度と賃金の関係
 幸福度は年収500万円くらいまでは単調
増加、その後は相関がみられない
 ポエム化する社会・やりがい搾
取

これに関連して、利他的行動と利他的動機
バランストスコアカード

米国発祥

1980年代まで利益(あるいは財務数値)重視の経営

その結果、「近視眼的」経営に陥り、製造業は日
本にぼろ負け

長期的な企業価値を最大化するのに、はたして財
務指標重視で良いのか?

企業価値を高める要素(ドライバー)を複数見つけ、
それらを適当に重み付け(バランス)して点数評価
(スコア)した方が良いのではと、して提唱された
戦略マップ

Itmedia情報システム用語辞典 戦略マップより
http://image.itmedia.co.jp/im/articles/0509/27/r12strategymap.gif
階層状に配した各視点に
ついて、互いに影響や関
係のあるものを矢印で結
びつけた図。各個別目標
間の因果関係を可視化し
て、整合性のある戦略を
構築できる
いずれにしても

短期の成果≠長期の成果

長期の成果を上げるためには短期の成果以外の
指標が重要

それをどううまく設計するのか