〈NGO・外務省定期協議会 議題案/質問状記入シート〉 締め切り【10月18日(日)】 送信先:[email protected] *分量は問いませんので、必要に応じてページ数を追加してください。 *複数の議題(案)を提案される場合でも1議題ごとに1)~5)を記入ください。 1. 議題案名 アフリカにおける治安維持に関する日本政府の具体的行動指針および計画について 2. 議題の背景 平成27年2月に閣議決定された開発協力大綱においては、その基本方針の一つに「非軍事 的協力による平和と繁栄への貢献」が掲げられており、「平和国家」としての日本のスタ ンスの一貫性は失われていない。しかし、開発協力大綱の実施上の原則、開発協力の適正 性確保のための原則において、「軍事的用途及び国際紛争助長への使用の回避」を明記す る一方、「開発協力の実施に当たっては,軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避す る。民生目的,災害救助等非軍事目的の開発協力に相手国の軍又は軍籍を有する者が関係 する場合には,その実質的意義に着目し,個別具体的に検討する。」との一文が加筆され ており、民生目的、災害救助等の非軍事目的の開発協力に相手国の軍または軍籍を有する 者が関係する場合には、軍それ自体、もしくは軍籍を有する関係者に対し、ODAの活用が なされることが想定されている。具体的には、軍やそれに類する治安維持組織への車両等 を含む物資の供給や、軍人・軍籍者の訓練といったことにODAが活用されるケースが増加 するものと推測される。 かかる開発協力大綱の閣議決定を受け、特にアフリカ地域における治安維持に対し、日本 政府はこれまでPKO活動(施設修復・建設,機材供与,研修等)、海賊対策などを実施し てきた経緯がある。開発協力大綱を踏まえ、日本が今後、アフリカにおいて、PKOなど紛 争防止・治安維持活動への協力にODAを活用していくための具体的な方針、計画、準備等 を有しているのかどうかについて確認したい。また、逆に、これらに関連して、日本のODA の「軍事的用途や国際紛争助長への使用を回避」するための「歯止め」として、どのよう な方針・計画・措置等を行っているのかを確認したい。 これに関連して、2015年9月~11月にかけ、ケニアのアフリカ施設部隊早期展開へ計14 名、エチオピア平和支援訓練センター(FDRE-PSTC)が実施する「紛争後復興」研修コ ースに関する国際コンサルタントとして,自衛官1名の派遣が決定するなど、アフリカへの 自衛官派遣の動きが目立っている(平成25年は4件、26年は5件、27年は6件と自衛官派 遣の回数は増加している)。これに関連して、日本のODAを今後とも非軍事活動に限定し、 「軍事的用途及び国際紛争助長への使用の回避」を徹底すること、また、そのことを、ア フリカの多国間機関(アフリカ連合や地域経済共同体)、アフリカ各国政府、また、関連 する諸国政府や国際機関等に対して十分に説明する必要があるのではないかと考える。 3. 議題に関わる問題点(議題に上げたい理由): 開発協力大綱では、ODAとPKO活動との連携を推進すると明記されている。この「連携」 において、自衛隊はどのように関わるのか、また、ODAの「軍事的用途および国際紛争助 長への使用」をしないとの方針について、特にアフリカ地域においてどのような方策をも ってこれを徹底するのか、さらに、このような方針を堅持しつつ、日本のODAとPKOの連 携をどのように具体的に進めていくのか、十分な説明がなされていない。これについて、 問題として提示したい。 4. 外務省への事前質問(論点を詰めるために事前に確認しておきたい事実関係など): 閣議決定された開発協力大綱においては、ODAの「軍事的用途および国際紛争助長への使 用を回避」するとの原則が明記されているが、開発協力大綱の決定後、アフリカ地域にお けるPKO活動やその他の治安維持活動との関係において、ODAはどのような方針の下で運 用されてきたか、また、上記の原則から逸脱しないような方策をどのような形で設けてい るかについて、説明をいただきたい。また、これに関連して、以下の件についての日本政 府の方針およびODAとの関係について、以下の情報を開示していただき、見解をお示しい ただきたい。 (1)ジブチにおける自衛隊の派遣および拠点の建設と、同国に供与したODAとの関連 (2)「テロ対策」としてのサヘル地域への10億ドルの開発・人道支援の内容、内訳 5. 議題に関わる論点(定期協議会の場で主張したいことや、外務省に確認しておきたい と現段階で考える点): アフリカ地域において近年生じている各種の紛争を見るに、PKO活動や国際社会の介入は、 必ずしも地域住民や関連する各種勢力(必ずしも「過激派」とは限らない)全ての支持を えて行われるわけではなく、また、これら介入やPKO等が新しい紛争の火種を産んでいる ようなケースも存在しないわけではない。これは、アフリカの紛争の多くが、非常に複雑 な背景を持っていることに由来する。こうした状況においては、PKOと連携して行われる ODAによるいわゆる「開発・人道支援」も、すべての勢力に歓迎されるとは限らない。 現在、上記にみたように、自衛官がケニアやエチオピアにおいてPKOの能力強化のために 講師として派遣されているが、こうした形での自衛隊による「協力」を今後、より積極的 に拡大する場合、一方で「軍事的用途および国際紛争助長への使用」を回避するための方 策を明確に定め、また、「日本のODAによる貢献は軍事的用途や国際紛争助長に用いられ ることはない」ということを積極的に知らしめることが必要であると考える。市民社会と しては、PKOや国際社会の介入などと日本のODAとの連携が今後積極的に拡大された場合、 地域の文脈によっては、日本が敵対的な特定勢力の標的とされるなどして、市民社会によ る非軍事の支援・協力活動に支障をきたす可能性があるのではないかと懸念する。この点 について、外務省としてのお考えを伺いたい。 ※外務省からの事前質問の回答によって変更することは可能です。 氏名:津山直子 役職:代表理事 所属団体:アフリカ日本協議会 連絡先:東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3F03-3834-6902(午前10時~午後7時) [email protected] ※ご確認ください 《議題案・質問状作成にあたっての注意点》 『2. 議題の背景:』『3. 議題に関わる問題点(議題にあげたい理由):』について 定期協議会は限られた時間しかありません。このためコーディネーター会議では、 「議題の背景や理由」を検討し、定期協議会の主旨に合致しているか、 緊急性や重要性がどの程度あるのかを検討し、どの議題を今回取り上げるかを決定いたし ます。 コーディネーターが議題の分野に詳しいとは限らないため、背景・問題点の記述は 第3者がわかるように記述してください。 『議題に関わる論点』について 事前の外務省からの提出資料に応じて、当日の論点が変わる事も考えられますが、現時点 で想定されている論点を記述してください。 外務省との議論を効果的にするために、可能な限り具体的なポイント・根拠を盛り込んで ください。
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