計量経済学入門 麻生良文 講義計画 1. データ分析入門(2回程度) 2. 確率・統計の基礎(1回程度) 3. 単回帰 (2回程度) 4. 重回帰(3回程度) 5. ダミー変数 (2回程度) 6. Qualitative Response Model(2回程度) 7. 操作変数法(1回程度) 8. パネル・データの分析 (2回程度) • 講義で使用するデータセットはWooldridgeの教 科書で使われているものを使います。 参考文献 • 入門的な統計学の教科書 – 東京大学教養学部統計学教室編『統計学入門』東京大学出版会 – 大屋幸輔『コア・テキスト 統計学』新世社 • 計量経済学(初級) – 山本拓・竹内明香『入門計量経済学 Excelによる実証分析へのガイ ド』新世社 • 計量経済学(中級) – Jeffrey M. Wooldridge, Introductory Econometrics, Third edition – 森棟公夫『計量経済学』東洋経済 – 浅野・中村『計量経済学』有斐閣 • 計量経済学(上級) – W.Greene, Econometric Analysis, Prentice Hall – F.Hayashi, Econometrics, Princeton Univ. Press • EViews – 縄田和満『Eviewsによる計量経済分析入門』朝倉書店 – 松浦・マッケンジー『 Eviewsによる計量経済学入門』東洋経済新報社 – 高橋青天・北岡孝義『Eviewsによるデータ分析』東京図書 データ分析入門 • 計量経済分析の方法 • 理論モデル(明確なモデルが無い場合もある) y f ( x1 , x2 ,, xk ) • 統計的検証 y 0 1 x1 2 x2 k xk u 上のようなモデルを仮定し,観察されたデータから方程式を推計 u 誤差項 y 被説明変数(explained variable), 従属変数(dependent variable) x 説明変数(explanatory variable),独立変数(independent variable) に関して線型の方程式の当てはめ(実はそれほど制限的ではない) データ分析入門(2) • 統計的検証 – 推定されたb の値は理論モデルの予測と矛盾し ないか – 誤差項の確率分布の仮定bの信頼区間 • どのように当てはめるか – 最少2乗法(least square method) – 最尤法(maximum likelihood method) – その他 • 線型モデル • 単一方程式 非線形モデル 連立方程式 データ分析入門(3) • データの構造 – クロスセクション・データ – 時系列データ – パネル・データ 計量分析の手順 • • • • 理論モデル,仮説の提示 データの収集(Excelなどで) データを統計ソフトにimport データの要約 – 記述統計,グラフ,散布図,ヒストグラム • 回帰分析 • モデルの診断 – 残差のチェック,その他(回帰分析の前提チェック) • 仮説検定 excelでまとめたデータセット Eviewsに読み込ませた状態 コマンドウィンドウ ここにプログラム を記述する Eviewsでは,ほと んどの命令は,メ ニューから選択で きる 変数名が一覧になってい る 変数名をクリックすると, 新しい画面が表れる(最 初は表計算のワーク シートのような画面)。記 述統計,グラフなどはそ こから選択。 主要な変数の要約統計量 変数wageを選択して, ヒストグラムを書かせ たところ ヒストグラムをみると, データの散らばり具合を 確認するだけでなく,誤 入力などのデータのミス を見つけるためにも有効 複数の変数を選択して, box plotを書かせた educ(教育年数) exper(仕事の経験年 数) tenure(現在の職場で の勤続年数) box plot(箱ひげ図)は 多数の変数の分布の 大まかな様子を把握 する場合に用いる 200 Series: EDUC Sample 1 526 Observations 526 160 120 80 40 Mean Median Maximum Minimum Std. Dev. Skewness Kurtosis 12.56274 12.00000 18.00000 0.000000 2.769022 -0.619574 4.884245 Jarque-Bera Probability 111.4653 0.000000 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 70 Series: EXPER Sample 1 526 Observations 526 60 50 40 30 20 10 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 Mean Median Maximum Minimum Std. Dev. Skewness Kurtosis 17.01711 13.50000 51.00000 1.000000 13.57216 0.706865 2.357318 Jarque-Bera Probability 52.85587 0.000000 30 散布図を書いて,二つの変数の関 係(単相関)をみる 25 15 経験年数と賃金 10 30 5 25 0 0 4 8 12 16 20 20 EDUC 教育年数と賃金 WAGE WAGE 20 15 10 5 0 0 10 20 30 EXPER 40 50 60 20 EDUC 15 10 5 0 60 EXPER 40 20 0 50 TENURE 40 30 20 10 0 4 LWAGE 3 2 1 0 -1 0 5 10 EDUC 15 20 0 20 40 EXPER 60 0 10 20 30 TENURE 40 50 -1 0 1 2 LWAGE 3 4 回帰分析の結果(単回帰) 回帰分析の結果(重回帰) 残差の検討 回帰分析の結果の画面で,menuからResidsを 選択残差のグラフ もとに戻るには,View Estimation Output menuで,ViewActual, Fitted, Residual を選 択してもよい。 View から残差が回帰分析の前提を満たしてい るかの統計的検定も行える。 4 3 2 この例は,クロスセク ションデータなので, データの並びは意味 がないが 2 1 1 0 0 -1 -1 -2 -3 50 100 150 200 Residual 250 300 Actual 350 400 Fitted 450 500 データ分析の実際 • データの入力,インポート • 変数の作成 – 対数変換,説明変数の平方,ダミー変数の作成 • 記述統計 – 異常値のチェック – データの大まかな性質をとらえておく • みせかけの相関 • 回帰分析 – – – – 残差のチェック,定式化の再検討 仮説検定 結果の解釈 理論モデルの再検討 記述統計,データの要約 • • • • 平均,分散 ヒストグラム Boxplot 箱ひげ図 散布図 – 2変数間の単純相関 – 散布行列,3次元プロット • 相関係数 回帰分析と因果性 • 回帰分析は変数間の相関関係をみているだけ – 理論モデル因果関係 • 子供の身長= a + b * 親の身長 + u – bは1より小さかった – 世代を経るごとに身長は平均値に回帰する? • 恒常所得仮説 – – – – 消費は現在の所得ではなく,恒常的な所得の関数 将来の所得を予測して,現在の消費が決まる 将来の所得 = f(現在の消費) 現在の消費が将来の所得の原因? • 因果関係-理論の役割
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