政策分析の量的方法(応用)2016 Quiz 1 11 月 8 日 問題 教育投資の

政策分析の量的方法(応用)2016
Quiz 1 11 月 8 日
問題
教育投資の収益率の分析のために、賃金 wage と教育年数 educ のデータを収集し、また
コントロール変数として職業経験年数 exper と勤続年数 tenure のデータを収集したとする。
このとき a1 は賃金 wage を教育年数 educ に回帰したときの単回帰推定値であり、b1 は賃金
wage を教育年数 educ、職業経験年数 exper、勤続年数 tenure に回帰したときの重回帰推定値
であるものとする。以下の問いに答えなさい。(各 2 点)
1.
教育年数 educ が職業経験年数 exper と勤続年数 tenure との間にそれぞれ高い相関を持
ち、職業経験年数 exper と勤続年数 tenure はそれぞれ賃金 wage に対して大きな影響力
を持つ場合、a1 と b1 の値は非常に異なったものであるか、それとも似通った数値であ
るか。その理由とともに答えなさい。
2.
教育年数 educ が職業経験年数 exper と勤続年数 tenure とほぼ無相関であり、一方、職
業経験年数 exper と勤続年数 tenure の間に高い相関がある場合、a1 と b1 の値は非常に異
なったものであるか、それとも似通った数値であるか。その理由とともに答えなさい。
3.
教育年数 educ が職業経験年数 exper と勤続年数 tenure との間にそれぞれ高い相関を持
ち、また職業経験年数 exper と勤続年数 tenure の賃金 wage に対する影響力はそれぞれ
非常に小さい場合、se(a1)と se(b1)ではどちらが小さいか。その理由とともに答えなさい。
4.
教育年数 educ が職業経験年数 exper と勤続年数 tenure とほとんど相関なく、職業経験
年数 exper と勤続年数 tenure は賃金 wage に対して多大な影響力を持ち、さらに職業経
験年数 exper と勤続年数 tenure の間に高い相関がある場合、se(a1)と se(b1)ではどちらが
小さいか。その理由とともに答えなさい。(ヒント:教科書[3.54]式と[3.55]式における
σ2 は表記こそ同じであるものの、実際の値は異なっていることに注意。[3.56]式も参照
のこと。
)
5.
前問 4 の状況において、職業経験年数 exper と勤続年数 tenure の間に存在する高い相関
関係、つまり多重共線性 multicollinearlity の問題は、教育収益率の分析に悪影響を及ぼ
すか。その理由とともに答えなさい。
6.
上記の分析の結果、教科書[3.19]式の結果が得られ、se(b1) = 0.05 であるとする(厳密に
は[3.19]式では被説明変数が対数となっているが、この点は無視するものとする)
。この
とき帰無仮説を「教育年数 educ は賃金 wage に影響を及ぼさない」
、対立仮説を「教育
年数 educ は賃金 wage に影響を及ぼす」として、5%有意水準、10%有意水準でそれぞ
れ検定しなさい。
11 月 15 日(火)の授業時に提出のこと。