回帰分析 重回帰(1) 項目 • 重回帰モデルの前提 • 最小二乗推定量の性質 – 仮説検定(単一の制約) – 決定係数 • Eviewsでの回帰分析の実際 • 非線形効果 • ダミー変数 – 定数項ダミー – 傾きのダミー – 3つ以上のカテゴリー 重回帰モデル multiple regression model • 説明変数が2個以上 y 1 x1 2 x2 k xk u y i xi 他の説明変数を一定に保ってお いて,xi だけを1単位増加させた ときに y が何単位増えるか 他の要因をコントロールした xi 固 有の影響 重回帰モデル 前提 yi 1 x1i 2 x2i k xki ui 1. 2. 3. 4. 5. 線型モデル(パラメータに関し) 誤差項の期待値は0 誤差項は互いに独立 誤差項の分散は一定(分散均一性) 誤差項は正規分布に従う – BLUEの成立のためにはこの条件は不要 最小二乗法 • 残差平方和を最小にするようにパラメータを決定 – a,b1,b2,..,bk : 未知パラメータ ,1,2,..k の推定値 – ei : 残差 n S (a, b1 , b2 ,.., bk ) ei 2 i 1 n yi a b1 x1i b2 x2i bk xki i 1 2 最小二乗推定量 E (b j ) j var( b j ) a jj 2 2 S xxj Sxxj : 説明変数 xj の平方和 (xj を他の説明変数に回帰し たときの残差の平方和) 誤差項の分散の推定量 n 1 1 2 2 s RSS ei n (k 1) n (k 1) i 1 SER (standard error of the regression) k+1は説明変数の個数(定 数項とx) 仮説の検定 H0: j=j0 b S xx 2 bj j0 s.e.(b j ) j ~ N 0,1 bj j0 2 s S xx j ~ t n (k 1) k+1は説明変数の個数(定数項とx) 当てはまりの良さ • TSS=ESS+RSS 説明変数の数kを増やしてい けば,R2は単調に増加する 決定係数 ESS RSS R 1 TSS TSS 2 自由度修正済み決定係数 adjusted R2 説明変数の増加にペナル ティーを課すように修正したR2 2 RSS /( n k 1 ) s R 2 1 1 TSS /( n 1) TSS /( n 1) 単回帰での結果 wage1.raw 重回帰での結果 16 12 12 8 8 RESID 16 4 4 0 0 -4 -4 -8 -8 0 4 8 12 0 16 4 8 12 16 20 EDUC WAGEHAT 16 16 12 12 8 8 RESID -4 RESID RESID 重回帰での結果(2) 4 4 0 0 -4 -4 -8 -8 0 10 20 30 EXPER 40 50 60 0 10 20 30 TENURE 40 50 被説明変数をln(wage)にした場合 ここをクリックすると, Representation Estimation output Coefficient Diagnostics Residual Diagnostics などのメニューが表れる (この画面はEstimation Output) • Educが1年増加する と賃金は9.2%上昇 • Experが1年増加す ると賃金は0.4%増 加 • Tenureが1年増加す ると賃金は2.2%増 加 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 RESID -0.5 -0.5 -1.0 -1.0 -1.5 -1.5 -2.0 -2.0 -2.5 -2.5 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 2.4 0 2.8 4 8 12 16 20 EDUC LWAGEHAT 1.5 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 0.0 RESID RESID RESID 0.0 -0.5 -0.5 -1.0 -1.0 -1.5 -1.5 -2.0 -2.0 -2.5 -2.5 0 10 20 30 TENURE 40 50 0 10 20 30 EXPER 40 50 60 非線形効果 説明変数xの2次の項を説明変数として加える y a b1 x b2 x 2 b3 z e 係数の意味 y b1 2b2 x x xが1単位増加したときyに与える効果 xの水準に依存する 係数の意味の直感的な把握の仕方 • b1,b2の値をもとに xが与えられた場合の ∂y/∂x の大きさを計算する(Excelの活用) • Eviewsの中では,例えば,xが平均値をとる場合の効果についてはコマンドラインで scalar dydx = @coefs(i) + @coefs(i+1)* @mean(x) とするとスカラー変数 dydxが作成される(@coefs(i) 直前の回帰のi番目の係数(xの係 数:定数項は1番目とする), @coefs(i+1): x^2の係数,@mean(x) 変数xの平均値) tenureの2乗項を加えた回帰 Eviewsでの回帰分析の統計量 • スカラー変数 @regobs オブザベーション数,@f F統計量,@ssr 残差平方和 その他 @aic, @coefs(i), @stderrs(i), @tstats(i), @dw, @r2, @rbar2 • ベクトル変数 @coefs 係数ベクトル @coefs(i) でi番目の説明変数の係数(定数項 が1番目),@stderrs 係数の標準誤差,@tstats t値 コマンド行で scalar var1 = @ssr vector var2 = @coefs とタイプするとvar1やvar2@ssr, @coefsの中身が保存される 問題(1) • ln(wage)を被説明変数にし,educ, exper, tenure, tenureの2乗を説明変数にして回帰分析を行え。 – wage1.rawのデータを用いる • tenureの範囲を調べよ。 • tenureが1年増加したとき,wageは何%増加するか – tenure=0, 5, 10, 20, 30, 40のそれぞれの場合について • 上の回帰分析の係数の値を用い,tenureとwageの 関係をグラフで表せ。 • educの2乗を説明変数に加えるとどうなるか。 ダミー変数 • 質を表す変数 – 女性ならば1,そうでなければ0 – 結婚していれば1.そうでなければ0 – 大学卒ならば1,そうでなければ0 • educ, wage, experはこれに対し連続変数 • 一般に,0または1をとるような変数をダミー変 数と呼ぶ ダミー変数(2) • 定数項ダミー • 傾きに関するダミー • 3つ以上のカテゴリーを持つ変数の場合 – 学歴 • 中卒または高校中退 • 高卒,大卒未満 • 大卒以上 – 職業 • • • • 事務職 研究職 営業 現場 定数項ダミー ln(wage) ln( wage) a b1 female b2 educ female=0の場合 ln( wage) a b2 educ b2 a female=1の場合 ln( wage) a b1 b2 educ b2 図はb1<0の場合 a+b1 educ 傾きのダミー ln( wage) a b1 female b2 educ b3 female educ ln(wage) female=0の場合 ln( wage) a b2 educ female=1の場合 b2 ln( wage) a b1 (b2 b3 ) educ a a+b1 b2+b3 図はb1<0,b3>0の場合 educ 問題 (2) • femaleダミー変数を説明変数に加えた回帰を 行え – 被説明変数 ln(wage) – 説明変数 educ, exper, tenure, female • 賃金の男女格差は存在するか • 学歴の効果に男女格差が存在するか – educ とfemaleの交差項を作成する • exper, tenureの効果に男女格差が存在する か 問題 (3) • 次の回帰を行う • 被説明変数 ln(wage) • 説明変数 educ, tenure, exper, female, female*educ, female*tenure, female*exper • 男女別に回帰分析を行う – EViewsのメニューでsampleを選択 If condition..のボ ックスに条件式を記入 – female=0 とすれば男性のみ,female = 1 とすれば女性 のみ; 戻すときはsample で条件式を消す – 説明変数を educ, tenure, exper として回帰 – ダミー変数を用いた回帰と結果を比較せよ。 3つ以上のカテゴリー 中卒 高卒 大卒 D1 0 1 0 D2 0 0 1 • 例)学歴 – 中卒, 高卒(短大卒を含む), 大卒 の3つのカテゴリー • この場合,2つのダミー変数をつくる – – – – – 中卒をベースにした効果 D1: 中卒とした比較した高卒の効果 D2: 中卒と比較した大卒の効果 高卒と大卒の比較は? 3つダミー変数を作るとどうなるか? • N種類のカテゴリー N-1 個のダミー変数 問題(4) • 結婚ダミーが賃金に与える影響を調べよ – married(結婚していれば1) • 結婚が賃金に与える影響は男女間で異なるかもしれない – 結婚×男女 の組み合わせで4通り – married と female のそれぞれの組合せの観測度数を調べよ • 二つの変数(married と female)を選択して,グループとして開く • Menuから View/N way tabulation クロス集計票 – 被説明変数 ln(wage), 説明変数 female, married, female*married, + educ, exper, tenure として回帰 – female*married 適当な名前で新しい変数を作る – female, married, female*married の係数の意味は – 定数項の大きさは? • 男性既婚,男性独身,女性既婚,女性独身 問題(5) • 教育年数の影響は,連続変数で捉えるのではなく,学歴 別に調べた方がよいかもしれない • 教育年数の分布を調べよ • 教育年数から次のような学歴ダミー変数を作れ • 高卒未満 ( educ < 12) • 高卒以上 大卒未満 (12 <= educ <16) • 大卒 以上 (16 <= educ) • 次の回帰分析を行え – 被説明変数:ln(wage),説明変数:学歴ダミー,その他の 変数 (exper, tenure, female) 変数の作成方法 メニューの Genr ボタンをクリック新変数を作成する画面で次 のように記述 ED1 = (educ<16) and (educ>=12) ED2 = (educ>=16) ED1は高卒ダミー,ED2は大卒ダミー(中卒がベース) (educ<16)等は論理式 ( ) の中が真なら1,偽なら0 and / or ED1は educが12年以上かつ16年未満の時に限り1,それ以 外は0。 ED2はeducが16年以上の時に限り1,それ以外は0。
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